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ランス ~another story~

作者:じーくw
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第3章 リーザス陥落
  第76話 ホッホ峡の決戦Ⅴ



それは、とある脇道。

 ヘルマン兵たちは、トーマの指示した何処か一箇所でも抜いて本陣を叩け、と言う指示の元に編成され、足音を殺しながら 進み続けていた。

「おい、見つかるんじゃないぞ。静かに素早く、だ」
「へへ、大丈夫ですよ。こんな狭い道にまで兵を置いてるわけがねえ。奴らは、あの無茶な鉄の車に縋ってるだけだ。接近しちまえばこっちのもんですよ」

 少数に組織されたその部隊は、ヘルマン兵の中でも小柄な人選だ。ガタイの大きいヘルマン兵であれば、隠密行動は不可能。故に機動性を重視した部隊に編成されているのだ。だからこそ、近づき、必殺の一撃。即ち暗殺の行動が取りやすい。

 敵将を討てば、それだけでも十分違う。それは兵力の数を考慮してでの進撃だった。

「ああ、そうだな。……くく、ここを抜ければ敵の喉笛を突ける。オレらの部隊をヘルマンの中でもでかくさせる絶好の機会って訳だぜ! トーマ将軍の後釜を狙う絶好の機会だな!」
「へへへ、そうですねぇ。ゆくゆくは副将や参謀、期待してますぜ?」
「はは、そうだな! だが、それもこのミッションを成功させてから………が、ばふっ」

 最後までセリフを吐く事が出来なかった。

「……………」

 掻き切った小隊長の喉笛から手を離し、かなみが冷めた瞳で兵を見る。

「へ? あ、ぅ………っ……!」

 その人間を見る目とは思えない冷酷な瞳を見て、立ちすくんでしまうヘルマン兵。

「この戦いに込められている重みが違いすぎるよ!」

 その直ぐ後に、怒号と共に一突きにされてしまうヘルマン兵。何が起きたのか判らない。ただ、判るのは自分の身体から槍が突如、生えてきたことだけであり、そのまま意識を永遠の闇へと手放してしまった。

「かなみちゃん、ナイスだよ」
「うん。メナドも。さぁ、次だよっ」

 かなみとメナドは、再び走り出した。
 身軽で夜目の利く者、周辺の地形に詳しい者達で編成された部隊であり、援護をさせつつ、忍者としての技能をフルに活かして、敵を必殺していく。メナドもかなみ程の速度は出ないものの、一瞬のダッシュ力。0から10にさせるかの様な脚力と、勤勉で熱心に訓練を続けていた技量を活かし、間合いを詰めて、瞬く間に倒していく。

「やっぱり、かなみちゃんは凄いね。僕、ついて行くのがやっとだよ」
「あはは……。まぁ 私は忍者だし。それを言ったらメナドだってそうじゃん。鎧着たままでこれだけの速度を出せるんだからさ?」
「えへへ。かなみちゃんとずっと特訓を重ねてきたからね。うん。いまこそ、発揮する時! って思ってさ?」
「うんっ、行こう! あ、でも気は抜かない様にね」

 かなみは、少しだけ速度を上げて、メナドの前へと立つ。

「勿論! 最後まで気は抜かないよ。……リーザスの為に!」
「ん……。リア様の為に!」

 疾風の如き速度で、戦場を駆け巡る影。2人の少女は 敵兵を瞬く間に散らしていったのだった。




「げうっ!」
「かふっっ!!」

 夜陰に乗じ、次々に血煙が舞う。その数だけ、物言わぬ身体も生まれる。

「く、くそ! 敵か!?? 一体どこにいるんだ! 明かりをよこせ!」
「は、はい……ぎゃあああああああ!!」

 ランタンを持つ手に、手裏剣が突き刺さり、ヘルマン兵達が先程まで使っていた大型の剣が、身体に突き刺さる。

「ごふっ……」

 ランタンが地面に落ちる音と、兵士が絶命して倒れ伏す音が重なった。

「う、ぐ、おっ……、ランタンを拾え、光を、誰か……誰かっ!」

 小隊長がしきりに声を上げるが、手にした瞬間に、襲われるのでは? と叫ぶ本人も含めて、誰もが硬直して動けない。

 厳密には、鎧を着た兵士の姿は捉えられている。……だが、攻撃しようとすれば、有り得ない方向からの攻撃が続き、そして 怯んでいる間に、その鎧を着た兵士の一撃で倒されてしまう。……姿を晒しているのが囮だと思い、注意するも、まるで意味を成さない。

 死神に見えてしまうのも無理はなく、その死神の。……死神と称される将軍のいる部隊の副将であることも、この場にいる者達は知る由もなかった。

「た、隊長……! この道は、無理です! 死、が……死が待っています!!!! あの鎧の奴以外に、何人いるのかすら、判りません!!」
「く、ど、どう言うことだ……! ええい、怯むな! ここを通れば、我らが3軍の……!」

 しびれを切らし、ランタンをつかみに行った小隊長が、途端に物言わぬ血だまりに倒れた。 その身体には、手裏剣やくない、そして こちら側が使用していた剣が突き刺さっている。

 投擲系の高い技能を保有する者が敵側にいる、と言う事は理解出来た。そして、倒れている兵士の数だけ、《弾数》が増えていると言う事も。

「た、隊長……! だめだ、にげろぉぉぉ!!!」

 誰かが叫んだ途端、恐怖が戦意を押しつぶした。部隊の士気は崩壊し、我先にと背中を見せて逃亡を図っていく。それは機動性を重視しすぎた故での結果だった。だが、指示したトーマを誰も責められる訳はない。腕に覚えがある者達は殆どが最前線で戦っているのだから。


 全てのヘルマン兵がいなくなり、気配がなくなったのを感じ取ると、かなみは、頭上の岩場から降り立った。

「ふぅ……一先ず、崩せたね」
「うん。とりあえずお疲れ様。かなみちゃん、元気の薬、いる?」
「ん、まだ大丈夫」

 かなみとメナドは軽くハイタッチを交わすと、後ろにいる部隊を少しだけ下がらせた。あまり前に出すぎて、後方が疎かになってしまい、その隙に抜けられてしまえば元も子もない。

 ……それに、ずっと後方の高見から、見物しているであろう男は、こう言うミスを決して見逃さないだろう。モンクを言われる未来が鮮明に判るのだ。

「……それより、ユーリさんに迷惑を駆ける訳にはいかない」

 そう、ここを抜ければ本隊近くの場所へと躍り出る。そこから一番近いのが、正面から攻めているユーリの部隊だからだ。

「そう、だね。うん。ユーリも頑張ってる筈だから、僕らも頑張らなくちゃ」

 かなみの言葉に同調するメナド。その表情が赤くなってしまっているのは、この暗闇でも十分すぎる程、判っていた。

「(あぅぅ………///)」

 それに関しては、やはり、複雑極まりないかなみだった。

 そして、暫くしての事だ。

「っ!! め、メナド、隠れて!!」
「えっ……!?」

 周囲の気配を探ろうと集中していた時に、異常な気配を感じ取り、かなみは メナドの手を引いて慌てて物陰に隠れた。

 それが功を成し、この数秒後に現れる者に気取られる事は無かった。

 妖しく靡く 漆黒のマント。……暗闇でも十分すぎる程、いや わざとではないか? と思える程目立つ、金色の長い髪。その者の周囲の空間がまるでねじ曲がっているかの様なオーラを携え、歩いている。

「魔人……、アイゼル……」

 姿を見た瞬間、背筋にどろりとした嫌な汗が流れ出た。
 アイゼルは、ヘルマン軍に帯同し、1人でゆっくりと歩いていた。……気づかれた気配はない。

「(気づいていない……、気を払ってすらない? 今なら背後から………)」

――やれる、か。

 汗の滲む指先が、腰の忍者刀に絡む。
 当然、それにはメナドも気づいた。

 あのリーザス城で 見た魔人。……意識と身体の自由を奪った張本人だといっていい存在だ。ユーリに解放されてなければ、永遠に主君の国に刃を向けていたであろう事実が、苛んでいる。

 だが、相手は絶対悪。……絶対強者のアイゼル。

 挑んだ所で、結果は見えているのだ。

 お互いに確認をし合う、意見を交わし合う余裕この時は一切なかった。

「(で、でも……こ、ここを通したら、本隊が……、ゆー、ゆーり、ゆーりさんが……)」

 かなみが思うのは、あの時(・・・)の事。

 魔人サテラ相手に、たった1人で向かわせた、向かわせてしまった時の後悔。……そして、死んでしまったのか、と思ってしまったあの悪夢の光景。
 このまま アイゼルを行かせてしまえば、また同じ事になる。

――……いや……今度は……。

 そう思った瞬間に、かなみは忍者刀を握る力を上げた。
 直ぐにでも、攻めようとしたその時だ。

 肩を、掴まれた感覚がしたのは。


『良いか? 決して無理はするな。……今回の戦い。奴らも恐らくは慢心は殆どない。数が多いから、全員とはいかんが、人類最強の男が率いる部隊だ。それくらいは覚悟しておけよ』

 
 耳元で、彼の声が聞こえてきた気がした。


『……何よりも、魔人と遭遇した時、だ。引け。……引いて、勝機を見い出すんだ。力こそ、理不尽極まりないあいつらの技能。だが、頭はそうはいかん。最大限に考えて、行動をするんだ。……奴らに対抗出来る手段は、今はカオス以外に無い。……無理は決してするな』


 その声が、頭の中にまで響いてくる。
 この戦いに入る前に、言われた事。……隠密で動くが故に、遭遇の可能性が高いと判断したのだろう。……だが、それだけじゃない。

『かなみは、あの時の事を気に病んでいると思ったから、な。……オレも無事だった。気にする必要はない。ただ、それでも と言うのなら さっきの話は心に残しておいて欲しい』

 そう言っていた。
 その時 かなみは、頷いたんだ。……そして、メナドも 後半の部分は メナドはいなかったから、詳しく理解こそは出来なかったが、大体の意味合いは判った。かなみは長くユーリと戦ってきたのだから。





「「っっ!!」」


 飛びかかりかねなかった状況で、寸前でかなみは思いとどまる事が出来た。それは、メナドも同じ。メナドとかなみ、互いに手を握っていたのだ。お互いに引き止めようとせんかの様に……。

「うっ……、く、っ……! はぁ……はぁ……」
「っ……ぁ…………」

 何もしていないのに、思考の渦に身を投じていただけなのに、体力をごっそりと削られたかの様に、膝をついて砂地に脂汗を落としていた。

「かなみ、ちゃん……、大丈夫……?」
「ん……、へい、き。ありがと。……メナド、は?」
「僕も、大丈夫、だよ……。ユーリの言葉が、無かったら……危なかったかも、だけど」
「あ、ははは…… 私も、同じだよ。強く ユーリさんに引き止められた気がした、から……」

 かなみも笑って同意をしていた。 

 今攻める事が最善では有り得ない。機動性を重視したのはこちらの部隊も同じであり、決して正面衝突出来る戦力ではないのだから。……ましてや 相手は魔人。最悪最強の相手なのだから。

「いこ。まだ、やれることがあるから、全部やらなくちゃ」
「そうだね。うん!」

 そのまま、陣地を確保しながらも、再びかなみとメナドは暗所を伝って移動を始めた。












~後方高台・ジオの街 側~



 その場所では、3つの影が残っていた。
 アイゼルが去り、そしてトパーズのみだと思われていた場所に、更に2つの影が現れたのだ。が、その影は膝をついている。

「く、っ……!」
「あぐっ……は、っ、くぅぅっ………!」

 満身創痍、と言う言葉が当てはまるその身体だった。
 そう、この場に戻ってきたのは 使徒の宝石三姉妹の2人、サファイアとガーネットである。

「あ……、帰ってきたんだ。2人とも。人間なんかにねー、負けちゃったねー。ぷぷっ……」

 労いの言葉も無く、ただ静かに嘲笑されてしまうのが耐えられなかった。ガーネットはいきり立つ。

「っ……! あ、あんなの、人間じゃないんだ! それに、あの鉄の車だって、よく判らない攻撃、してきたし!! なら、トパーズが、あいつとヤってみろよっ ぼくの言葉の意味、判るから!!」

 ガーネットは、そう吠えた。

 まだ、あの男と戦った時の傷や恐怖と言っていい物が残っている。人間とは思えない力。有り得ない爆撃。……魔人の使徒として高い能力を持った自分を相手に、一蹴したあの技量。全てが人外なのだ。

「なーに、負け惜しみ言っちゃって。それに、あたしはアイゼル様にここを任されてるから、いけないんだよねー。 それに、あの鉄の車だって、人間の兵器じゃん所詮。相手だって、人間。パイアールの様なPGとか、兵器とかじゃあるまいし……」
「なんだと、っ……!!」

 口喧嘩をしていた所で、しびれを切らしたサファイアが割って入った。

「やめなさいよ、みっともない……。それより、アイゼル様は……?」
「う、そういえば、……どこ?」

 それを訊いた途端、トパーズは更に笑みを浮かべた。

「あんたたちが不甲斐ないからって、あたしに後を託されて出陣されたわ。あたしに! 後を! 託されて!! ……にひひ」

その小さな胸に手を当てて、トパーズはにたりと笑う。流石のサファイアも主君であるアイゼルの事を言われながら、だと我慢も難しいのだろう。レイラを睨んでいた時の様に、凄まじい形相で睨んでいた。

「くっ……、と、トパーズ……!!」
「ふん。後を、ってただの留守番じゃん。何をするのさ」
「ご指示があったわ。アレ、をするわよ。……まさか、もう力が残ってません。なんて言わないでしょうね?」

 トパーズの言葉に、2人の眉が少し上がった。

「アレ、か……」
「ん、わかったわ……」

 2人とも、頷くとトパーズは更に前に一歩足を踏み出して宣言をした。

「うふふうふふふふ……… アイゼル様の第一の使徒トパーズが、憂いを取り払いますわ……いひひひひひ……」

 黙っていれば、それなりに可愛い容姿だと言うのに、その笑い方と腹黒さで、ちょっぴり残念になってると思えるのはこちらの話。












~チューリップ、ユーリ、マリア、志津香 部隊~



 ガーネットを退けた後は、そこまでの苦戦は無く 進行出来ていた。

「いっけーーー! チューリップっっ!!」

 やはり、その立役者は チューリップ3号だろう。敵の接近をほとんど許さない砲撃故に、たどり着く事だけでも至難の業なのだ。……更に、その鬼門を超えた所で、本当の地獄が待っている。無慈悲なる炎と剣閃だ。それらを掻い潜って、たどり着ける者など もうほとんどいなかった。

「……敵が減ってきたわね。上からの弓の援護もあるけど……」
「だな。……随分と暇になってきたものだ。……後でランスに色々と言われそうなのが、面倒だな」
「……そんな事言ってきたら、火炙りにするわよ」

 有りそうなユーリの話を訊いた志津香は、嫌な笑みを浮かべていた。

 その間ににも、マリアの砲撃に併走しながら、志津香の魔法、ユーリの遠距離の斬撃で、敵を蹴散らしていく。

「あはは、ランスの作戦、上手くいっちゃったみたいね……、才能、あったのかな……?」
「さぁ。悪知恵が働くのは前からじゃない。人の嫌がる事は直ぐに見つけるし」
「……だな。だが、それは勝負事で勝つ鉄則だ。相手の嫌がる事をし続けるのは。自分が優位に立ち続ける事に関しては、天才的だと言える」
「……それ、持ち上げすぎな気もするんだけど、納得も出来るわね。つまり、最低だから」
「あ、あははは……辛辣なんだから、志津香は」

 軽い談笑が続けられる程、安定した戦いが出来ているのも、バレス達の弓による援護、チューリップ部隊の攻撃のおかげだろう。
 
「だが、カスタムの時だってそうだろう? 志津香。……確かに、最低だと言うのは否定はしない、が。それでも あいつに救われた事は否めない、……だろ?」
「それもそうだね。なんのかんので、あの時の無理難題を突破しちゃったし。でもさ~、それって、ユーリさんにも言える事なんだよ?? あの時のランスがいなくても、危なかったし、ユーリさんがいなかったら、もっと危なかった、って思えるし!」
「ん……。まぁ オレも必死、だったから……」

 少なからず、照れがあるのだろうか、少しそっけない感じだった。だが、それも何処か面白い。

「……………」

 無言で、話を聞いていた志津香は、魔法を放つ。そして、志津香の空いた手が、きゅっと握られる。


 あの時、かつてカスタムで起こった事件。

 自分の人生の中でも最大級の分岐点だった。……そして、悪夢と共に、得た掛け替えのないものだってある。
 そして、その根源の1つを、横にいるユーリと一緒に打破した。……確かに、あの時 ランスもいたし、本当に危ない時 不意打ちとは言え、助けてくれた。……だが。

「ふんっ! 火爆破!!」

「ぎゃああああ!!!」

 胸の中の色々のモノが混ざり合う。……あの時、ランスがいなかったら、危なかった。ユーリを失うかもしれなかった。………勿論、自分達も一緒に。でも、ユーリがいなかったら? 考えただけでも怖い。……二度と離したくないんだから。でも、ランスは最悪。……でも、助けてくれた事実。
 色々な事が混ざり合って、その行き場のない苛立ちににた何かを、八つ当たりするかの様に、ヘルマン軍に撃ちはなったのだ。

「……志津香?」
「肩に力を入れすぎだ。少し落ち着け」
「うっさいわね! ……あいつは最低、あいつの話を聞くと不快なだけよ。それだけ判ってればいいの。……心入れ替えて行動する、っていうんなら、考えなくもないわ」
「ん……、それは難しいな。志津香も言ってただろ? 因果律を覆すよりも、って」
「……だねぇ。ランスだもん」

 最終的にそう言う話で落ち着いた。マリアは、ランスの事を気にかけているのだが、その部分は認めているのだろうか、不快な顔はみせなかった。……今ごろ、くしゃみをしている姿が容易に頭をよぎる。

「そんな事より、戦車は大丈夫なの? もし動かなくなったら、正直きついわよ」
「まぁ、攻撃の5割以上は占めているからな」
「あ、……香澄、どう?」

 マリアが、チューリップ内部を覗き込んで、香澄に尋ねると、直ぐに返事が帰ってきた。

「順調です。燃料、弾薬、駆動系も好調。ユーリさんや志津香さん達が攻撃をしてくれているおかげで、大分温存も出来ています。このまま………」


 香澄が説明をしていたその瞬間、だった。

 ばっしゅうぅぅぅぅっ………と言う風をけたましい音を立てて、何かが近づいてきた。

「え…………?」

 飛来してきた何か。それが到達するその瞬間だ。

「志津香っ!!!」

 逸早く察したユーリが、志津香を抱きしめ、後方へと飛んだ。

「なっ、なにっ!!? っっ!!!!」

 志津香も、ユーリに抱きしめられた事に動転しそうだったが、突如、飛来する何かが、目の前の空間を、兵士ごと吹き飛ばしたのを見て、そちらに目を奪われた。

「マリア!! チューリップから、降りろ! 吹き飛ばされるぞ!! 香澄、衝撃に備えろ!!」

 ユーリの怒号が、場の空間を揺らせたその瞬間だった。再び、あのけたましい音が響いたかと思えば、チューリップ3号の足元に着弾し、大きくチューリップを揺らせた。
 それは、レッドの街での爆撃の比じゃない。直撃していれば、粉々になったとしても不思議ではない程のモノだった。

「っ!!?」
「きゃああああっっ!!」
 
 マリアは、反射的に飛んだが、それでも飛び降りるのが遅れてしまい、衝撃を受けてしまった。そして、香澄も相当な衝撃に襲われたのだろう。思わず悲鳴を上げていた。

「ちっ!!」

 ユーリは、志津香を解放すると、マリアの元へと向かい、地面に激突する寸前で、受け止めた。

「い、いま、今のって……」
「大丈夫か? 立てるか?」
「え……、あ、あ、うん」
「志津香は!? どうだ??」
「……大丈夫、こっちは」

 それを確認したユーリは、再び声を荒らげた。

「前方を注意しろ!! 暗闇に乗じて、来るぞ!!」

 初撃こそ、はっきりとは見えなかった。だが、2発目となれば確認出来た。
 それは、現代、確認されている中で、最強のもの。……かつて、志津香達の仇敵であり、ユーリにとっても同じ敵である男が用いた最強の攻撃魔法。


「―――……黒色、破壊光線……!?」


 志津香もそれに気づいて、呟いていた。








~後方高台・ジオの街 側~


 凶悪極まりない攻撃魔法を放っていたのは、勿論使徒の三姉妹だ。其々が用いる最強の魔法を融合させる《黒色破壊光線》。

「……当たった?」
「ん……だめ。もうちょっと、右……」

 標的をこの遠間ででも、確認出来るのは、凡そ、人間とは比べ物にならない程の視力がなせる業だ。

 2人が必死に、現状を把握して、調整をしようとしている所で、トパーズはまたまたニヤニヤと笑う。

「うふふ……、手も足も出ないでしょ……。アイゼル様、見ていてください……。このトパーズは、お役に立って……いたっっ!」

 勿論、いい加減イラついているから、最後まで悠々と言わせるつもりは毛頭ない。ガーネットが拳骨を落とした。

「いい加減にしろよ! ぼくたち、3人で撃ってるんだぞ!」
「うっ……」

 流石に、暴力は反対! の様である。少し反省した様にうなだれると。

「わ、判ってるわよーーー」

 と、言って魔法に集中した。

「続けて、いくわよ……、標的は、あの戦車……!!」

 暗闇ででも、その存在感をはっきりと示している鉄の車、戦車に狙いをつける3人。3人の身体から、三色の魔力が集う。

 お互いの視線を交わし合うと、その手が高く、そして空に翳された。

「キナクドリン・ペリレン・ジケトピロオピロール……」
「アントラキノン…… フタロシアニン…… インジゴイド…………」
「アントロン・キサンテン・イソインドリノン………!」
 
 3人の詠唱が始まった。
 別々の口から関連性のない呪文が紡がれているのにも関わらず、その音律は絡み合う様に和合していく。

「紅色破壊光線……M型魔法陣展開! パワー、100%!!」
「C型リチュアルスクエア、オープン…… パワー100、藍色……破壊光線!」
「Y100%……黄色破壊光線よぉ……!!」

 足元に、赤、青、黄の魔法陣が展開された。

 それが、三使徒がかざす手に集まっていき、黒い一つの魔力の固まりになっていく。

「魔力、融合………!」
「K型スクエア、コンバイン………リチュアル、キャストスタンバイ……!!」

 完全に、準備が整いこの暗闇よりも濃い、暗黒の魔力の塊を生成した所で、トパーズが陽気な声を上げた。

「じゃ、今度は私ね。 黒色―――破壊光線!!!!」

 漆黒の空を切り裂いて、暗黒の。……漆黒の魔力が撃ち放たれた。





 その攻撃の威力もそうだが、速度も以上だ。正確極まりない弾道は、チューリップを捉えていた。

「あ、っ……! う、うわああっっっ!!」

 香澄の叫び声と共に、再びチューリップが揺れる。今まで以上に。

「きゃーーーーっ!? チューリップがっ!!」

 打ち込まれたのは、一番装甲の硬い正面。砲撃の衝撃にも備える様に、と硬く作られた筈なのだが、それでも 異常なまでの攻撃力だった。

「香澄!!」
「だ、大丈夫、です……。ですが、キャタピラ、部分を、やられました。……駆動系に、ダメージが大きいですが、まだ、自走は……」
「っ! か、香澄、チューリップから、降りて!」
「だ、だめです。今離れたら、完全に、孤立。破壊されるのを待つだけです……!」

 必死にチューリップを動かし、あの攻撃の前では、頼りにならないだろうが、岩陰へと移動をさせていた。

「なにあれ……! 黒色破壊光線、って言ったって……見えないような所から、この威力で……!?」

 黒色破壊光線については、マリアもよく知っている。……かつて、見た事があるのだから。だが、それは 見えない位置から打てる様なものじゃない。ちゃんと、相手を視認して、放つモノだった筈だった。だが、これは違うのだ。

「……魔力融合(ユニゾンレイド)、か」
「ええ、K式の、黒色破壊光線。副数人で、儀式をして、撃ってきているんだわ」

 撃ってきた方角は判った。3度も見せられれば、十分だ。

「マリア、志津香。……離れてろ。香澄は、チューリップを可能な限り早く後退させろ」
「っっ! ゆぅ!? な、何言って、何してるのよ!」

 ユーリは、ゆっくりと剣を鞘から引き抜くと、前へと出た。
 完全に姿を晒す形。隠れ蓑の無い場所へと向かって。

「黒色破壊光線、か。随分と久しいモノを見て、あの時の憎悪が蘇ってきた気分だ」

 ユーリが思い出すのは、やはり あの時の事。……ラギシスの黒色破壊光線だった。志津香を傷つけ、そして 両親を死なせる切欠となった男のモノだ。

「ゆ、ユーリさん!?」
「危険すぎます! 下がってください!!」

 マリアも、香澄も止めようとするが、ユーリは首を振った。

「確かに、黒色破壊光線なのは間違いない、が。あの時のと比べたら、威力はそこまではない。……威力を落とさず、この遠間を狙うんだから、精度と密度に力を集中させてるんだろう。……あの程度、訳はない」

 ユーリは、そう言うと剣に力を。……煉獄を込めた。

 確かに、ユーリに魔法は効きにくい事は、志津香は知っている。あの時の黒色破壊光線も彼は防ぎ切ったのだから。……だが、この暗闇の中で、あれだけの速度で繰り出される。それも複数だから、何発でも打ってくるあの攻撃を何度も防げる訳はないだろう。と思ってしまったのだ。

「ゆぅ! だ、だめっっ!!」
「志津香」
「っ……」

 ユーリの声を訊いて、志津香は黙ってしまう。優しい、あの声を訊いたら。

「……任せろ。オレを、信じてくれ」
 
 そう、言われたのだ。

 そして、数秒後に、また丘の方から、魔力の光が見える。赤、青、黄、と複合されゆく魔力を確認できた。

「皆、目を瞑れ……!!」

 ユーリがそう叫ぶ。
 こんな時に、なぜ目を? とも思えたが、反射的に全員が目をつむった。

 その瞬間に、目を瞑っていると言うのに、目も眩む閃光が瞼を通して網膜に伝わった。

「煉獄・天照!」

 ユーリの剣より、放たれた光。それは、闇夜に瞬く星よりも輝きを放ち、この場を照らした。











 その閃光は、三使徒の所にも当然届いていた。
 突然、光を放った事で、相手側も魔法を放ってくるのか? と思えたガーネットは一時、詠唱を中断して、その光源に注目した。

「あ、あああ!! あいつ、あいつはぁぁぁ!!!!」

 その光がなんなのか、その光源には誰がいるのか、それを理解した途端に、怒声を上げた。

「が、ガーネット、どうした、と言うんですか?」

 サファイアが驚き、ガーネットの方を見ると、そこには、明らかに怒りだけで満ちたガーネットがいた。

「こ、ここで会ったが100年目だ!! コテンパンにしてやる!!」
「落ち着きなさいよー。あってないじゃん? 実際の所」
「う、うるさい!! 僕はあいつにひどい目に合わされたんだ!! 目標、変更だよ!! 標的は、あいつ! 戦車から、あいつに変更!!」
「あーあ。ま、次はあんただから、別に良いけど。……標的、大分小さくなったねぇ。当てられるの~?」
「当てる!! ぜーーーったい!!」

 怒りだけで前が見えていない様子だ、と思えたサファイアだった。 
 だが、そこまで……この最強の魔法を使わなければ倒せない相手なのか? ともおもってしまう。この魔法は、あの一番厄介とされる戦車の排除を優先する為のモノだ。だが、なんの躊躇もなく、ガーネットは標的を変えた。……ただ怒りだけで、とは限らない。それを使わなければならない。……あの戦車以上に厄介なのかもしれない、と思ったのだ。

「し、仕様がないですね。なら、早くなさい。今なら、ライトアップ。スキャンもイージーでしょうから」

 サファイアは、そう言った。トパーズは相変わらずだったが、この破壊魔法があれば、あっという間を疑ってなかった様だ。

 ……ひどい目に合わされた、と言うガーネットも、何処かでは絶対大丈夫と思っていたのだろう。


 だが、それは違った。






 




 「……かかったな」

 丘の上の光が消えた……かと思えば、また 光を放ちだした。こちら側を見る事が出来たのだろう。……そして、魔法発動の独特な感覚。何度も魔法で狙われた事もあるユーリだから。……中でもハンティと対峙した時の経験が一番生きている事だろう。

 その魔法独特の殺気の様なモノ。弾道の(ライン)が見える。感じるのだ。

 先程から、狙っていたのはチューリップだったのだろう。だが、その殺気は、今自分自身に向けられている。

「……ゆ、ユーリさんっ!」

 マリアは、慌てて駆け寄ろうとしたが、志津香に止められた。

「し、志津香!?」
「ゆぅ、なら。……大丈夫、マリアは チューリップを可能な限り、直してみて。出来る範囲でいいから。ゆぅの、頑張りを、無駄にしないで……っ」

 そう言い、そして歯噛みをしているのは志津香だった。

 あの遠距離からの魔法。そしてその速度。自身の魔法を当てて、相殺しようにも、タイミングがまだ掴めない。そして、撃てる最強の魔法は白色破壊光線だ。それでは、あの魔法にはまだ威力不足。……相殺など出来る筈も無い。

『……信じろ』

 ユーリは、ただそう一言だけを言って、抜刀の構えを取った。
 煉獄を刃に込め、そして最速の剣技を繰り出す為に。


『ぶっ飛べ!! この馬鹿ァァァ!!!!!』


 確かに、そう聞こえた気がした。
 あの時の使徒。そんな感じもした。


 そして、漆黒の空を切り裂いて、再びより深い漆黒の魔力が放たれた。


 迫り来る、黒色の波動。


『……ゆぅっ!』

 
 志津香の叫びも、聞こえた気がした。

 そして、その声も自分には力をくれている様な感じも。守るべき者が、者達が後ろにいるのだ。なら、力を存分に振るわなければならないだろう。


「煉獄・斬魔」


 裂帛の気合と共に放たれた居合。そして、魔を絶つ刃。

 その速度は、遠くから狙う黒色破壊光線を迎え撃つには十分すぎる速度だ。黒色の波動が身体を包み込んだ所で。


 じゃりぃぃぃぃん!!! と言う 何と何が、衝突したのか、判らない。どう形容していいのか判らない様な大音響が、周囲に木霊していた。














~解放軍 最後尾 高台~



 その騒ぎは、ランス達にも当然聞こえていた。……黒色破壊光線がチューリップに直撃したのも。
 
 そして、ユーリが迎え撃つ数十秒前の事。

「な、なんなんだ!? いきなり戦車が爆発したぞ。マリアめ、まさか整備不良か?」

 暗闇の中でもはっきりと見える双眼鏡。その中でチューリップが爆発したのをはっきりと捉えていた。

「ランス様、たぶん、魔法攻撃です! ほら、向こう……!」
「おっ…………?」

 シィルが指さした方を見ると、遠くの高台から何かが、光が上がっていると思えば、突如、黒い何かがチューリップに迫り、再び爆発する。

「なんじゃありゃ…… あんな距離から魔法が届くのか……?」
「暗くてよく判りませんけど……、もしかして、黒色破壊光線じゃ……」
「(なんだっけ、それ……)まぁ、いい。ったく、世話の焼ける連中だ。今、戦車がやられたら、まずい事になる」

 ランスは、戦場に向かう準備を始めた。

「え? まだ 大丈夫じゃない。……あそこには、ユーリもいる。今 回避行動も十分取れてると思うよ。まぁ、あの破壊力じゃ 岩陰程度じゃ 心もとないけど、時間は稼げるんじゃない」
「アホいえ! そう、あいつなら、やるだろう。戦闘馬鹿だからな! だが、あまり活躍をさせすぎたら、勘違いをしてしまう女の子が出てくるだろ。もうそろそろなのだ。オレ様が格好よく出て行って、敵を倒し、活躍の場を奪うのが!!」
「………はぁ」

 ランスは言いたいことだけ言い終えると、キャンプ椅子から立ち上がって剣を腰に提げる。

「ランス様……、ユーリさんの事が心配、なんですね……」
「(絶対違うと思う……)」

 シィルの耳にはそう聞こえ、フェリスは口には出さないが、否定をしていた。

「馬鹿者! 何が心配だ。オレ様の女達を心配をしても、あの馬鹿の事はせんわ! するだけ無駄なのだ!」

 信じている、と言う部分では、間違いないのだろう。……事、戦闘面においては。

「それに、負けん気が強い志津香もいるからな。あいつの事だ。ユーリを見て、『私も一緒に~~』とか言って、無茶しかねん。その前に、格好よくあの魔法使いどもをなぎ倒し、オレ様に惚れさせるのだ。がははは!!」

 ランスは大笑いを上げて、今後のプランを言っていた。

「(……志津香に関しては、有り得そう。でも、ユーリが止めるだろうな……)はいはい。一応、戦争に関係あるし、私もよね?」
「当然だろ! キリキリ働け! それしか能がない!!」
「むかっ……!!」
「シィルもこい! 男かブスなら、2秒で殺す。女の子なら、じっくり、ねっとりとお仕置きだ!」
「は、はい……!」

 イライラしつつも、ユーリとの約束があるから、とフェリスは鎌を持って立ち上がり、シィルも急いで準備をした。

「ふむふむ。ちょうどそろそろ退屈していた、と言う事もあるな! 盛大にやっつけて、手柄はオレ様のものだーー! がはははは!! とーーーーっ!!」

 ランスは、颯爽と……崖から落ちていった。

「どわぁぁぁぁ!!」
「ら、ランス様っっ!!」
「あのバカ……、誰が、この高台まで運んで上げたと思ってんのよ……」

 結構な高さとキツイ斜面。殆ど絶壁と言っていい場所だったから、思わず飛んで大ダメージを受ける所だったが、なんとか剣を刺して、捕まり、そして フェリスに命令。


 フェリスは一応、戦争に関係がある、と言う事もあって、命令を訊いて 渋々と助けたのだった。




 大将であるランスが戦場を駆け抜ける。

 それまでに、ユーリ達が蹴散らした、と言う事もあって、敵の姿は殆ど無く問題はなかった。

「えっほ、えっほ……ええい、まだか」

 光は、もう見える位置じゃ無かったため、方角だけを頼りに走り続ける。

「そういえば、あの光線を打つ前に、赤とか青に光るな。なんだありゃ」
「ふ、普通の、黒色破壊光線じゃないかも……しれません……えふっ」

 シィルは足元をよろけさせながら、よたよたとついてくる。

「ええい、なんだ バテやがって、置いてくぞ」
「は、走ります……一生懸命に、走りますから……」
「一生懸命なのは当たり前だ。馬鹿者」

 ランスは、シィルにムチを打つ様に走り、シィルも必死について行く。

 横を走っていたフェリスに何度か助けられながら。

「あ、ありがとうございます」
「はぁ、別に、礼はいいよ。戦争だし。(ほんと、謎だわ。……なんで、あんな奴がいいのか)」

 ユーリであれば、絶対に手を貸すだろう、とフェリスは思いつつもシィルを手助けしたのは、無意識だった。



 そして、遅れて、ランスが向かった方につくと、声が聞こえてきた。

 どうやら、誰かと合流した様だ。

「かなみか。それにメナドも。あの戦車を颯爽と助けに行こうとしていたのだ。ぶっ飛ばされでもすれば、消し炭だろ? ユーリも」
「ゆ、ユーリさんなら、大丈夫よ!」
「で、でも危ないから、早く行こう! ユーリが心配だよ」
「ふん。あの戦闘馬鹿がそう簡単にくたばるものか。馬鹿者。が、マリア達は心配だからな。ドジだし。さっさと行くぞ。英雄のオレ様が助けるのだ! がははは! かっこういいだろ?」
「どうでもいい!!」
「そんな事より、早く行こう!」

 眼中にない かなみとメナドだった。

 勿論、足早に先へと行かれ……、残されたランスは、追いついてきたシィルの頭を殴って鬱憤を晴らすのだった。


                                                                                                                                                                                                                           
 

























































~人物紹介~



□ 使徒トパーズ

Lv-/-
技能 魔法Lv2

 先に紹介した使途達同様、魔人アイゼルの使徒宝石3姉妹の1人。3人の中でも一番陰気で悪巧みが好きであり、笑い方にそれは良く出ている。常にアイゼルの一番になりたがっている為に、ずる賢さを身に着けた、と言って言いだろう。そして、三姉妹 よく口喧嘩の発端になったりしている。








~魔法紹介~


□ 黄色破壊光線
使用者:使徒トパーズ

 文字通り黄色い光を放ち、その光に触れた者を蒸発させるこちらも凶悪極まりない魔法。
 今回は、黒色破壊光線を使う為に使用した為、その恐ろしさを体感する者は誰もいなかった。



□ K型 黒色破壊光線
使用者:三使徒

 本来、Lv3の魔法として、最強に分類される攻撃魔法。であり発動も容易ではないのだが、複数の魔法を融合させ体現させる事が可能、それがK型の黒色破壊光線である。ただ、本家と比べたら威力は落ちるが、それでも《特性》を持たせる事は可能。今回は遠くから狙う為の精密さと、威力ダウンをしない為の魔法密度に力を入れていた。

 
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