暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第154話:一瞬を永遠に
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 エスカロン空港に多数のアルカノイズが出現し、政府軍も民間人も誰彼構わず攻撃していた。

 ついさっきまで味方だと思っていた筈のアルカノイズが突如牙をむいて来た事に、バルベルデの政府軍は完全に浮足立ち散発的な反撃をしつつも各個に撃破されていた。

「コイツ等味方じゃないのかよッ!?」
「そんな見た目じゃないッ!? うわぁッ!?」

 ノイズに比べればまだ通常攻撃も意味を成すとは言え、それでも相手は超常の力を用いた存在。問答無用で全ての物質を分解するその力を前に、軍人達の装備はなす術なく白旗を上げ数秒前まで人だった赤い塵が辺りを漂う。

 その阿鼻叫喚の地獄絵図を、カリオストロが静かに見下ろしていた。鼻歌すら歌い出しそうな気楽な様子で空港を見下ろしていた彼女に、カエルのぬいぐるみを抱いたプレラーティが近付く。

「派手に暴れて装者と魔法使いを引き摺り出すワケダ」
「あら、手伝ってくれるの?」

 やや意外なものを見るような目でカリオストロがそう訊ねると、プレラーティは小さく溜め息を吐きながらそれに答えた。

「私は楽しい事優先……ティキの回収はサンジェルマンに押し付けたワケダ」

 彼女がこちらに赴く前、サンジェルマンとどのようなやり取りがあったのか。カリオストロはちょっぴり気になったが敢えて聞かない事にした。どちらにしても面倒を押し付けられる形となったサンジェルマンが気苦労を抱えている事に変わりはない訳だし。それに何より、回収作業程度であればサンジェルマン1人で十分こなせる。人手が必要なのは、装者と魔法使いという敵を相手にしなければならないこちらの方だ。

 そんな事を考えていると上空からヘリのローター音が聞こえてきた。見上げると国連所属のヘリが飛来し、開かれた扉からはマリア・切歌・調と言う3人の装者に加えてガルドと言う魔法使いが顔を出しているのが見えた。

 待ち望んだ相手の到着に、カリオストロは楽しそうな笑みを浮かべる。

「待ち人来たり♪」

 カリオストロたちが見上げている上空で、ヘリから飛び降りたマリアとガルド達はギアと鎧を纏った。

「Seilien coffin airget-lamh tron」
「変身ッ!」
〈マイティ、プリーズ。ファイヤー、ブリザード、サンダー、グラビティ、マイティスペル!〉

 空中で変身したガルド達は、降下しながらも地上のアルカノイズ達に狙いを定め攻撃を開始する。

[α式 百輪廻]
「ッ! マリア、あそこだッ!」
「見つけたッ!」

 地上のアルカノイズ達への攻撃をしつつ、ガルドは建物の屋根の上に居るカリオストロとプレラーティの姿を発見。互いに頷き合うと軌道を変更しカリオストロたちが居るビルの上に着地した。
 着地と同時に攻撃を放った2人だ
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