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魔法少女リリカルなのは~無駄己ドララオラオラァ転生者!!!~

作者:武様3
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第10話 怒り

 
前書き
今回は原作開始のほんの数時間前の出来事についてです。
では、どうぞ。 

 
キキィィッ プシュウゥゥゥ

ガチャ

ワイワイ ガヤガヤ


「ついたなぁ。『学校』に。」
「今年から『3年生』。つまり…」
「『原作』が始まる。」
俺達転生者は今年から3年生になる。今年のビックイベントは、そう、『原作開始』ということである。
この世界に転生して3年…。実に長かった。毎日毎日が修行に明け暮れた。朝起きたら山の中で修行。学校から帰った後、宿題を終わらしたら、夜に山の中で修行。暑いときも寒いときも、苦しいときも辛いときもときも、弱音を言いそうになった時も数知れず。本当に長かった…。だが!それも今日で終り!今日から自由に何でもできる!例えどれ程文句を言われようが、俺はもうあの二人の相手をしなくてすむ!もう面倒な事に巻き込まれなくてすむ!これ程嬉しい事はない。毎朝毎晩、二人が喧嘩をすれば終わるまで待ち、二人がサボろうとしたら家まで押し掛てけ拉致っては、どんな状況でも無理やり修行させた。

「だけど、ジョジョは宿題をどうにかしなければな。」
「おいぃ!それを言うんじゃねぇよ!?せっかく原作介入しようとやる気が出てきたのによぉ…」
「俺は事実を言ったまでだ。」
「はぁ…。テンション下がるぜぇ…。」

そんな事を知らずにこの二人は…。まったく、呑気だな奴等だ。
だが、修行したからこそ、この二人の良い所も分かったし友情もより深まった。そして、優がどんなキャラなのかもよぉーく理解した。こいつは普段はクールにしているが、一度怒ると口調や態度急変し、まるで、『不良』みたいになる。まぁ二人共、そこそこ強くはなったし、修行も無駄ではなかった。

「なら、明日からは、前日の夜に学校の準備をするんだな。」
「はぁ…。かったりぃぜ、まったく…。」
「何がかったりぃのだ?前の日に準備するだけだぞ?あとそんなに溜め息していると、幸せが逃げるぞ。」
「あぁもう!さっきから何だよお前は!?まだ朝の事をねにもってんのか!?」
「さて、どうだか?」
「こいつ絶対にねにもってやがる!まさか優が、こんなにネチネチした性格とは…女々しい奴だぜ…。」
「おーい!何そこで騒いでいるんだ?早くクラス分け見に行こうぜ!」
「だそうだ、二人共。ついでに、そこで漫才していると周りの奴等に迷惑だぞ。」
「「あぁ?」」
今現在の場所は、バスを降りる場所。そこには一年生から六年生までいるのでその数は多く、ジョジョと優の周りにはいつのまにか野次馬がたくさんいた。
俺も野次馬の中に入っており、二人のやり取りを第三者側として見ていた。
周りいる同級生の奴等には、「またあの二人だ。」とか「また騒いでいるね。」と呆れられていたり、クスクスと笑われているしまつ。
俺とジョジョと優と亮の四人は、先生達に問題児として見られている。理由は、授業をサボって屋上で寝てたり、学校に要らぬものを持ってきていたり、上級生や先生達にタメ口を言っているからだと俺は思う。
けど、去年まで何も言われなかった。成績がいいからか、それとももう手がつけられないかのどちらか。
まぁどっちでもいいが…。

「何じろじろ見てんだこらぁ!俺達は見世物じゃあないぜぇ!おら、道を開けやがれこのスカタン共!」
「(コクッ。)」
そういいながら、ジョジョと優は道を開けた野次馬達の間を進み俺も後に続き、先に行ってた亮の所まで行き合流した後、四人でクラス分けを見に行くため校舎まで歩いて行った。









ワイワイ ガヤガヤ

ワイワイ ガヤガヤ

「「「「……。」」」」

どうやら今年も四人共同じクラスらしい。それは嬉しいのだが、何故こんなに黙っているのかというと、掲示板に、

『アリサ・バニングス』

『月村 すずか』

『高町 なのは』

ここまでは良い。なんせ原作介入には原作キャラに近づく必要があるからな。だが、次が問題だった。



『神条 王輝』


こいつの名前が書かれていた事だ。
何故こいつが書かれているのが問題かというと、こいつはとにかく原作キャラと話そうとすると、何か意味の分からない事をいいながら怒るのだ。
その良い例が、去年の最初ぐらいの時だった。ジョジョと優は原作介入の準備をするため、原作キャラの三人娘と話そうと、その三人娘に話しかけようとしたら、いきなり王輝が割り込んできて、

「おい!そこの雑種共、貴様らは今何をしようとしていた?」
「何って、そりゃあお前、そこの三人娘に用事があったから話しかけようとしただけだよ。なぁ優?」
「あぁ。ジョジョの言う通りだ。俺達は只そこの三人に用事があるだけだ。」
「ほほう…。貴様らは雑種の分際で我の断りもなく、我の嫁達に手を出そうとしたのか?」
「えぇ!?お前、その年で三人も嫁さんがいるのか!?確か日本は一夫多妻は法律で禁じられている筈だろ!?」
「ジョジョ、真に受けすぎだ。只のこいつのデ…。」
「フハハハハ!その通りだ!分かったならさっさと立ち去れ!雑種共!」
「何てこった…。だが、旦那さんが話すなと言うなら仕方ねぇか…。」
「だからジョジョ、真に受けす…」
「ちょっと!何で私達がこいつの嫁とかになってるのよ!?」
「ん?あぁ、アリサか。どうした?何か不満な事でもあったのか?」
「不満も何も、私達はあんたなんかの嫁になったつもりはないわ!!」
「フハハハハ!どうやら周りに人がいるから、照れてるようだな。大丈夫だアリサよ。我は気にしないから本当の事を言うのだ。」
「だから!あんたの嫁になったつもりはないわ!入学式の時から何なのよ、あんたは!」
「どうやら、まだ恥ずかしいようだな。まったく、アリサはツンデレだなぁ。」
「ちょ、ちょっと近付かないでよ!?」
「そんなに照れなくてもいいんだよ。さぁ、我の胸に飛び込んでくるのだ!アリサよ!」
「いやぁぁぁぁ!?こっちに来ないでよ!?」
「フハハハハ!まったく、ツンデレだなぁアリサは。ほらほら、待ってくれよ~。」
「いやぁぁぁぁ!?」
「フハハハハ!」
「「……。」」
「あ、あのぉ…」
「「ん?」」
「ひっ!?」
「す、すずかちゃん!しっかりして!」
「「…。」」




と、そんなことが去年あった。ついでに、この頃位からディオ、ジョジョ、優、亮は授業をサボったり上級生にタメ口を言ったりしていて、学校から問題児として見られ、同級生からは不良や危ない奴等として見られていた。つまり、他の奴等から『恐がられていた』のである。
だから必然的に、すずかさんに恐がられてしまっても仕方のない事なのである。
当時そんなことを知らない俺達は、恐がる態度を女の子にされたら普通に傷付くのである。
しかも、原作介入しようとした二人にはなおの事。
二人は静かに自分達の席に座り、机に1日中ひれ伏していた。二人のいる空間だけ別に見える程に。


しかし、そんな状況を打破したのがこの世界の主人公である『高町 なのは』である。
高町さんはジョジョと優に話かけ、原作キャラと引き合わせてくれたいわば、『橋』なのである。
それ以降、三人娘と休み時間はいつも話をしていたり、昼飯の時もいつも五人で食べていた。必然的に残った俺と亮はいつもその状況を陰で見ていた。
しかし、去年の半ば頃に今度はジョジョが、俺と亮を三人娘に紹介し引き合わせてくれた。それ以来、ジョジョ、優、ディオ、亮、そして三人娘とは仲良くしており、休み時間はいつもこのメンバーでいる。
たまに王輝が割り込んできてイチャモンをつけてくるが、その時はいつもジョジョと優がボコボコにして近付かせないようにしている。
しかし、王輝はしつこく去年の終りまでイチャモンをつけてはジョジョと優にぼこられていた。

だから、俺達は王輝と一緒のクラスということに絶望してるのである。

「今年も最悪だな。」
「「「同じく…」」」
「「「「はぁ…。」」」」

俺達がガッカリしていると、後ろから話しかけられた。

「なにこの世が終わったような顔してるのよ、あんた達は?」
「「「「ん?」」」」

後ろを見てみると、そこには仁王立ちをしている女の子、『アリサ・バニングス』がいた。

「「「「あぁ、お前か。」」」」
「っ!?なによ!人が話しかけたというのに、その軽く払うような態度は!」
「だってよぉ…」
「今年のクラス分け…」
「見てみろよ。」
「最悪だぜ!一人の馬鹿のせいでよ!」
上からジョジョ、優、ディオ、亮の順で言った。

「誰なのよ、その馬鹿は……」

まぁ、お前が見たらそんな反応するとは思ったぜ。

「どうしたのアリサちゃん?掲示板を見て固まっている……。」

すずか嬢も見て固まったな。

「す、すずかちゃんも何で固まっているの?掲示板に何か書いて……。」

あらら…三人共固まっちゃって、そんなにショックなのか?

「「「……。」」」

『神条 王輝』

「「「……。」」」

『神条 王輝』

「「「……。」」」

どうやら、噂をしてたら来たようだな。

「やぁ、我の嫁達よ!今日も美しいぞ!」

「!?いやぁぁぁぁぁ!?」
「きゃあぁぁぁぁ!?」
「にゃあぁぁぁぁ!?」

おぉ…なんつう叫び声だ。どんだけ嫌われてるんだよ、このナルシは?

「ふっ…。俺のあまりのかっこよさに歓声をあげるとは、我も罪深いな…。」

こいつの頭の中を見てみたい。どんな思考回路をしていれば、悲鳴を歓声として聴こえるのか…謎だ。
そんな事を思っていると、いつのまにか三人娘とジョジョ、優、亮はいなくなっており、必然的に残ったのは俺と王輝の二人だけであった。

「……。」
「何だ貴様は?雑種の分際でこの我を見るとは…。無礼な奴め。」
まだまだ余裕で我慢できる。
「フハハハハ!我を見て言葉も出ないか。まぁ、それも当然か。何せ我は王だからな。」
ちょっとイラッときたな。だが、我慢だ。
そう思いながらも、俺はこいつを睨み付けてしまった。しまったと思ったが、時はすでに遅く、
「……。」ギロッ
「何だ!王たるこの我にその目は!」

ガシッ!

そういうと王輝は俺の胸元を掴んできた。
「……」
抑えろ抑えろ。我慢だ我慢。

「……。」
そのまま俺は黙って、こいつの言うことを静かに聞いていた。
だが、そろそろ限界だ。

「何か言ったらどうだ!この『弱者』が!」
「……!?」

プッツン……








「あ~あ、とうとう言っちゃったよ。あの馬鹿。」

場所は移って、ここは3年2組。つまり、三人娘とジョジョ、優、ディオ、亮のクラスである。
さて、何故ここに原作キャラと転生者+一人がいるかというと、三人娘は王輝に声をかけられた瞬間叫び、王輝が意味の分からない事を言ってる間にクラスに逃げ、その後を問題児四人の内三人が追い掛けて行き、新しいクラスにいるのである。

「ねぇ、ジョジョ。」
「ん?何だよアリサ?」
「今あんた、何であの二人のやり取りをを見て「とうとう言っちゃったよ。」とか言ったのよ?」
「何だぁ?気になるのか?」
「当たり前じゃない。」
「なのはとすずかもか?」
「うん。私も少し気になるかな。」
「なのはもなの。」
「俺も気になる。何故お前がそんなことを言ったか。」
「俺もだぜ!ジョジョ!」
「何だよ、お前らもかよ?」
「悪いか?」
「べつにぃ~。聞かれたなら教えるだけだし。」
「なら、早く教えなさいよ!」
「あ、アリサちゃん…。」
「あぁったよ。教えるから少し黙っとけ、アリサ。」
「まったく…。」
「じゃあ話すぜ。…まず最初に、ディオは自分が『弱者』みたいな事を言われる事をひどく嫌うんだ。」
「何でよ?」
「それは、教えられない。だが、ひどく嫌う。だから、ディオを弱者呼ばわりしない方がいい。」
「言ったらどうなるんだ?」
「まぁ、見とけば分かるぜ。ほら、」

そう言ったジョジョは、窓から二人のいる所を指さした。
アリサ達は指さした所を見た時、普段のディオからは見られない光景を見た。その場には、


「…貴様ぁ…。」
「あぁ?(なんだ?こいつ。怒ったか?…どうやら、こいつに『弱者』というのはNGワードだったか?なら、もう一回言ってみるか。)やっと喋ったかこの『弱者』が。まぁ、『弱者』が今まで喋らなかったのが普通か。なんせ、この我が話しかけたのだからな。『弱者』は黙って当然か?フハハハハ!」
「黙れ…。」
「何だお前は!『弱者』の分際で、この我が話している最中にぼそぼそと何か言いおって!お前のような『弱者』は…「バァン!」ムグゥ!?」

王輝がディオに向かって『弱者』を連発していると、ディオはふいんきを変え、王輝の口を塞ぐように手で掴んだ。

「貴様ぁ、このディオに向かって『弱者』呼ばわりをするとは…よほど痛い目に合いたいと見える…。」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴッ…

「ムグゥ!?(何だこいつ!?さっきまでのこいつとはまるで違うぞ!?)」
「このディオとて、こんなに侮辱されていつまでも黙っているとは大違いだぞ…このディオを侮辱した罪、今ここではらしてくれるはぁ!」

ブン!

そしてディオは口を塞いでいる手とは違う手で、手を挙げ振りかぶろうとした時、鐘が鳴った。



キーン コーン カーン コーン

キーン コーン カーン コーン

「……。」
「んん!?(しめた!鐘が鳴ったぞ!)」
「……ちっ。命拾いしたな雑魚が。次、今回のような事を言ったら只ではすまさんぞ。」

そう言いディオは口を塞いでいた手を離した。

バッ!

ドサッ!

急に手を話された王輝はその場に尻餅をつき、ディオを見上げるような態勢でいた。

「ぷはぁ!はぁはぁ…。」
「……。」
「はぁはぁ…。」
「…ふんっ。」

スタスタ……。
ディオは王輝をまるで虫けらのような目で見た後、鼻で笑いその場を去り、自分の新しいクラスである3年2組に行った。


その一部始終を見ていたジョジョ以外の人達は言葉を失った。
「あれが、ディオを弱者呼ばわりした結果さ。どうだ?怖いだろう?」
「「「「「……。」」」」」
「…お~い!何か言わないと話が進まないぜぇ~。」
「…!えぇ…ごめんなさい。少しボーとしていたわ。」
「はぁ?何謝ってんだよ?とりあえず、俺の話は以上だぜ。で、どうだったよ?ディオのマジ切れは?」
「ちょっと、予想外だったわ…。」
「ううぅ…。」
「ふえぇぇ…。」
「…これ程とはな。」
「これは…あまりディオを怒らせない方がいいな。」
「あったりまえだろぉが。その前にあいつを侮辱するような事は一言も言わない方がいいって事よ。」
「ね、ねぇジョジョ君?」
「あぁ?何だよなのは?」
「どうしてディオ君は自分を侮辱するような事を言われると怒るの?」
「悪いけど、俺の口から話せない事なのでね。自分で聞けば?」
「う、うん。分かったの…。」

その後、ディオが教室に来たがまだ不機嫌らしく、誰も話しかけないまま始業式をするため体育館に行き、始業式が終わった後平常通りの授業が始まった。












 
 

 
後書き
すみません。投稿が遅れました。
最近、テストが近いので今週の日曜日くらいまで投稿が少し遅れると思います。
本当に申し訳ありません。

何か指摘、助言、感想がある方はどしどし書いてください。
できれば、感想で誉めてもらうと嬉しいです。 
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