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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ

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2-⑻

 それから、しばらくして、光瑠が聞き出してくれた肉の卸の営業所を訪ねた。事務所に入って、事情を説明したら、営業所の所長と言う人が出てきてくれて

「事情は、聴かせてもらいましたが、私等の商売は信用で成り立っているんでね、得意先の情報を漏らすわけにはいかないんだよ おたくの事情もわかるんだが・・」

「そこを なんとか 中道さんとか松永さんの消息を知りたいんです 僕達は、高校の時からずーと探しているんです お願いします 教えてください」と頭を下げた。

「気持ちはわかるが うちも、散々松永さんにお世話になった。恩返ししようと思っている。だけど、会社の決まりだ。許してくれ」

 仕方ないので、出ようとすると「おたくの名前と連絡先を書いといてくれ」と、言われた。どう意味があったのかはわからない。

 僕は、希望の就職先の会社説明会が迫っていた。説明会とはいえ、夏のインターシップに向けた面接もある。昇二とは同じ会社に行こうなと約束していた。僕は、正直、迷っていた。希望の会社は全国に支店、工場がある関西勤務とは限らないだろう。そうすると、ますます美鈴から遠くなるからだ。それに、肉の卸の開始やに行った時のことがあったので、少し、落ち込んだまま、説明会に向かった。

「とりあえず 第一関門突破だな 多分、又、呼ばれるよ 大学と学科専攻が効いているからな」と、昇二は明るかった。

「どうした 蒼 気になっているのか 美鈴のこと 社会ってそんなものだろう 甘く無いって そんなにベラベラ得意先のことは、話さないさ」

「うん それもあるけどな 昇二 実は、僕は、このまま今、希望しているとこに行ってもいいのか 迷ってる」

「それは、勤務先がどこになるかわからないからだろう でもな 蒼 美鈴を迎えに行くために、大企業に入って、生活を安定させるってのも手なんじゃぁないか そーしたら、彼女を連れていけるじゃぁないか それに、あそこに入って、お前の望む仕事をするんだろう?」

「そーなんだけと゛ とにかく、彼女を探さなきゃ―」

「蒼 確かにな 彼女は中学の時から頭も良い、美人だし、気立ても良くて親孝行だ。それに、芯もしっかりしている。申し分ないよ いい女だ。だけど、お前は、自分の将来を女のためにささげるのか 先ずは、自分のことを考えろよ」

「違う 僕は、彼女と未来を創っていきたいんだ 自分独りよりも、彼女と一緒なら、もっと、素晴らしいものを築きあげられる。だから、彼女が必要なんだ」

「わかったよ どうしようもない奴だな これが、昨日今日の話なら別だが、お前等、小学校からずーとだもんな だから、協力するんだ その想い 美鈴に聞かせてやりたいよね」



 
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