| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第79話 朱乃よ、父と向き合え。家族の和解と本当の愛 中編

 
前書き
 姫島朱璃さんの設定や冥界の設定など一部変更していますのでお願いします。 

 
side:朱乃


「……」
「……」
「……」
「すみません。このバナナパフェをひとつください」


 今わたくしはどうしてこうなってしまったのだろうと思っています。というのも今の状況が余りにも空気が悪くて正直逃げだしたいと思っているからです。


 偶然にもお父様と再会したわたくしは、とあるファミレスの一角でイッセー君、アザゼル様を交えてお茶をしているのですがお父様を無言のままイッセー君を睨み、イッセー君はお父様の視線を受けて縮こまってしまっています。アザゼル様は苦笑を浮かべわたくし達を見ながら注文をしていました。


「えっと……お久しぶりです、お父様」
「……久しいな、朱乃」
「はい……その、どうして駒王町に?」
「今度行われる三大勢力の会談の会場の下見に来ていたのだ。俺はアザゼル様の護衛として共に参った」
「そう、ですか……」


 ……く、空気が重いですわ。いつかはお父様とも向き合う必要があるとは思っていました。でもまさかこんな唐突に出会う事もなるとは思ってもいませんでした。

 
 しかも唯偶然会うのならまだしもイッセー君とラブホに入ろうとしているのを見られたから凄く気まずいですわ。


「……朱乃」
「は、はい!?なんでしょうか?」
「その男は……朱乃のなんだ?あんな卑猥な場所に入ろうとしていたんだ、友達ではあるまい。まさか脅されたのか?」


 ギロリと鋭い眼光でイッセー君を射抜くお父様、このままではイッセー君に要らぬ誤解を抱いてしまうかもしれません。


「違います、お父さん。俺と朱乃さんは結婚を前提にお付き合いをしています」
「ッ!?」


 わたくしは弁解しようとしましたがそれよりも早くイッセー君が動いてそう言ってくれました。それを聞いたお父様とアザゼル様は驚いた顔をされました。


「……本当か?朱乃」
「はい、お父様。わたくしはイッセー君と自分の意志でお付き合いをしています。いずれは彼と結婚するつもりです」
「……嘘ではないようだな」


 わたくしに確認をするお父様に、わたくしはキッパリとイッセー君と結婚すると言いました。


「アザゼル様の報告ではお前は男を避けていたと聞いていたが……」
「ええ、わたくしは過去の出来事で男の人が苦手に思っていました。悪魔に転生してもわたくしの体を狙って何回か嫌な思いをしたこともあります」


 わたくしの近状報告を聞いていたお父様は男が苦手だったのではないかとわたくしに聞いてきました。


 過去にわたくしとお母さまを襲いお母さまの命を奪った男達……下心を秘めて口説いてくる男の悪魔達……そんな男性ばかりを見てきたせいでわたくしは一時期同じ眷属である祐斗君やギャスパー君以外の男性全てに苦手意識を持っていました。


「でもイッセー君は違います。わたくしをお世辞を言ったりしないで対等に向き合ってくれました。最初に交流をしたときなんて、わたくし地面に叩きつけられましたのよ。そんな事をする男性は今までいませんでしたわ」
「じ、地面に叩きつけられた!?」


 わたくしはイッセー君との出会いを思い出します。学校で問題を起こしていた時はそこまで何も思いませんでした。精々無邪気だなぁとか笑顔が愛らしいかも、としか思っていませんでした。


 でも小猫ちゃんを通してイッセー君と初めて交流をしてレーティングゲームの修行をしてもらう事になったのですが、彼はわたくしにもリアスにも容赦がありませんでした。


 わたくしをジャーマンスープレックスで地面にたたきつけて、雷撃を腕で打ち払いまた地面に叩きつけられる。挙句には変に褒めたりせず自分の実力を酷評されて……そんなことは今までされたことはありませんでした。


 最初は怖かったけど段々と思うようになったのです、下心を感じさせずにこんな風に真剣にわたくしに向き合ってくれる男性がいるという事に、それに気が付いたときわたくしの胸がときめいたことを……


「き、貴様ッ!?朱乃に対して暴力を振るっているのか!?」
「い、いや違うんですよ、お父さん……それは修行のためで……」
「朱乃を痛めつけて楽しんでいるのか!?」
「そ、そんなことはないです!お父さん、少し落ち着いて……」
「さっきからお父さんお父さんと馴れ馴れしいわぁ!!気安く私を父さんなどと呼ぶなぁ!!」


 えっ、どうしてお父様はあんなに怒っていますの?わたくしは強くなれたという事を言いたかったのですが……


「おい、朱乃」
「アザゼル様?」
「お前にとっては大事な思い出かもしれんが、話だけだとお前が赤龍帝に暴力を振るわれているようにしか聞こえなかったぞ」
「そ、そんな……イッセー君はわたくしの為に厳しい修行をしてくれたのですわ!暴力を振るわれてなんていません!」
「まあお前がそんなに慕っているんだから酷い目に合わせているんじゃなくてそれが必要なことだったって俺は信じるよ。ただバラキエルは父親だから娘が危険な目に合っていると思えば怒るだろう」


 わたくしとしたことが言葉足らずでしたわ……何とかお父様にイッセー君との仲を認めてもらいたいと思ってしまってテンパってしまいました……


「お父様、今までの事は違うのです!わたくしは望んで彼に修行をつけてもらっていて……」
「貴様のような暴力を振るう男に朱乃は任せられん!朱乃、私がお前を守って……!」
「あっ……」


 わたくしは慌てて先程までの話をG×Gの事を省いて説明しようとしましたが、興奮したお父様は立ち上がるとわたくしの手を握って外に連れ出そうとしました。


「い、いや……!」
「あっ……」


 わたくしは咄嗟にその手を払いのけてしまいました。するとお父様はやってはいけない事をしてしまったというような絶望に満ちた表情を浮かべました。わ、わたくしはなんてことを……!


「お父様、今のはちが……」
「……すまない。今更お前の父親面をする資格は私には無いというのについ出しゃばってしまった。本当は会いに行くつもりもなかったんだ、ただお前が男とあんないかがわしい所に入ろうとしているのを見かけて思わず声をかけてしまった」
「ち、違いますの。わたくしはお父様と……」
「お前が選んだのならそれでいい。たとえどんな外道だろうと私が口を挟むことなどおこがましいだろう。幸せにな」
「待って……」


 わたくしはお父様に謝ろうとしましたが上手く言葉が出てきませんでした。


「アザゼル様、行きましょう」


 お父様はそう言ってお店を出て行ってしまいました。どうしてわたくしは最悪な行動しかとれないのでしょうか、自分の愚かさに嫌気が差してきました。でも後悔してももう遅いですわ……


「はぁ~、護衛の癖にその対象を置いていくなよな」
「アザゼル様、わたくしは……」
「分かってるよ。お前はバラキエルと向き合う覚悟が出来たんだろう?ただタイミングが悪すぎた」


 アザゼル様はそう言って立ち上がりました。


「赤龍帝、お前は本気で朱乃を愛しているのか?確かリアス・グレモリーの戦車の駒の女と付き合っているんだろう?まさか朱乃はお遊びって訳じゃないよな?」
「違います。俺は小猫ちゃんも朱乃さんも愛しています。ついでに言うと後二人ほどの女性と付き合っています」
「お前は朱乃をちゃんと養えるのか?金が全てとは言わねえがそれが無ければ生活は出来ないんだぞ?遊びでそんな事を言っているのなら俺はお前を許さない」
「仕事はしています。全員を養っていく事は可能です。なんなら貯金でも見ますか?」
「……なるほど、遊びじゃなくて本気という訳か。学生の癖にどうやって稼いでいるのか気にはなるが今はまあいいか。そして朱乃、お前は赤龍帝の言っていることに納得しているのか?そういう男は嫌いだっただろうが」
「はい、わたくしはそういう男性は嫌いです。でもイッセー君は本気でわたくしと向き合い愛してくれました。わたくしはイッセー君が他の女性も愛していることに納得しています」


 アザゼル様はイッセー君の通帳を見て最後にわたくしに確認をしてきましたのでハッキリと答えました。


「……ははっ、あの小さかったお前がこんなにもハッキリと意見を言うようになるとはな。たった数か月で本当に成長したな」


 アザゼル様はそう言って優しい笑みを浮かべました。そしてイッセー君に視線を向けるとなんと頭を下げたのです。グリゴリのトップが赤龍帝に頭を下げている……この状況を知らない悪魔や堕天使の関係者が見たら驚愕しそうな光景です。


「失礼なことを言って済まなかった、赤龍帝。どうやら朱乃が強くなれたのはお前のお蔭みたいだな。感謝する」
「アザゼルさん……」


 この方とはお父様の関係でそれなりに会ったこともありますが、こんなに真面目な態度をしているのは初めて見ましたわ。


「まあバラキエルの事は任せろ。今は時間が過ぎるのを待ってまた後日話し合うべきだ。お前も冷静じゃないみたいだしな」
「……はい」


 アザゼル様の言葉にわたくしは頷きました。今の精神状態ではお父様とちゃんと話し合うことなど不可能ですから……


「赤龍帝、朱乃を頼むぞ」
「分かりました、アザゼルさん。後俺の事はイッセーと呼んでください」
「おう、ならそう呼ばせてもらうぜ。イッセー」


 アザゼル様はそう言ってお勘定を払いお店を出ていきました。


「……朱乃さん、今はとにかくアザゼルさんに任せましょう。今日はもう帰って休むべきです」
「イッセー君、ごめんなさい……わたくしのせいで……」
「心構えが出来ていなかったから仕方ありませんよ。そんなに自分を責めないで下さい」
「……」


 わたくしはうつむいたままイッセー君に手を引かれて家に帰りました。



――――――――ー

――――――

―――


side:イッセー


「なるほど、そんな事があったのね……」



 俺は夕食後にリアスさん達に事の事情を話した。因みに朱乃さんは食事もとらずに部屋に籠ってしまっている。なんとか元気づけたいが……


「リアス部長は朱乃先輩の過去を知っていたんですか?」
「ええ、朱乃本人から聞いているわ。彼女のお母さん『姫島朱璃』さんの事もね」
「姫島朱璃……それが朱乃さんのお母さんの名前ですか?」


 小猫ちゃんはリアスさんに朱乃さんの過去について聞くと彼女は朱乃さんのお母さんの名前を教えてくれた。


「リアスさん、朱乃さんのお母さんの事を詳しく教えてくれませんか?」
「本当はあの子に許可を得ないといけないと思うんだけど、皆なら話しても良いって言うと思うわ。特にイッセー、貴方にはね。だから特別よ」


 リアスさんは俺にそう言うと朱乃さんのお母さんの事を話し始めた。


「バラキエルさんと朱璃さんは偶然出会ったそうよ。なんでも敵対勢力との戦いで負傷したバラキエルさんが身を隠す為に降りた森が偶然にも朱璃さんが住んでいた寺の近くだったみたいなの。バラキエルさんを見つけた朱璃さんは何も言わずに彼を匿って治療までしてくれたらしいの」


 リアスさんは二人の出会いを語り始めた。出会いは偶然だったんだな。


「それから二人は親密な仲になっていたそうよ、でも二人が結ばれるにはとても大きな壁が立ちはだかったの」
「壁ですか?」
「姫島家は『五代宗家』の一つだったの」
「五代宗家……」


 リアスさんが言った五代宗家とは日本における人間の異能保有者の最大組織の事だ。それぞれが強力な異能の力を持っており、代々それらが受け継がれながら勢力を拡大していったらしい。そして非常に鎖国的な風潮があり人外の存在を嫌悪しているとも昔調べた情報にあったな。


「それは相当話がこじれたのではないか?」
「そうね、後に事の経緯を知った姫島家の人間は激怒して彼を追い出したわ。バラキエルさんも下手をしたら姫島家……いえ日本とグリゴリとの全面戦争になってしまう恐れがあると一度身を引いたそうよ」


 ゼノヴィアの言う通り相当面倒な事になったに違いない。バラキエルさんはそれぞれの立場を考えて一度は身を引いたようだ。


「でもそれから数日後、彼女は姫島家を抜け出してバラキエルさんの元に向かったみたいなの。何故ならその時にはもう既に朱乃を身籠っていたからだったらしいわ。幸い彼女にも理解者が数人いて他の姫島家の人間に妊娠がバレる前にその人達に協力してもらい逃げ出したらしいの」
「もし妊娠がバレたら間違いなく朱乃さんは殺されていたから良かったわ」


 イリナの言う通り堕天使との間に子供を作ったと姫島家の人間が知ったら朱乃さんは殺されていただろう。朱璃さんは朱乃さんを守るために家を捨てたんだな。


「でもここでまた問題が起きたの。グリゴリの本拠地は冥界にあるんだけど、冥界の空気は人間にとっては毒なの。少し吸うくらいなら大して問題はないんだけど長く吸い続けたら命にかかわる物よ。しかも当時の技術や魔法では毒を完全に中和できなかったの」
「じゃあ朱璃さんがグリゴリの本拠地で暮らすことはできなかったんですね」


 リアスさんは冥界の空気が毒だと話し、人間である朱璃さんには害が出てしまうのでそこでは暮らせなかったのかとアーシアが言う。


「そこでアザゼル様は毒を完全に中和する装置の開発に取り組みだしたの。その間に姫島家の手が及ばないように隠れ家を作り、そこに朱璃さんを住まわせていたの。その後朱璃さんは朱乃を産んで3人で平和に暮らしていた、そして装置の完成があとわずかという所で事件は起きた」
「まさか姫島家の人間に……」
「ええ、隠れ家を突き止められたの。どうやら当時堕天使と敵対していた人達が情報を流したみたいね。しかも運の悪いことにその時バラキエルさんはグリゴリの本拠地に行っていて不在だった。そして朱璃さんは朱乃を庇って殺されたみたいなの……」


 ……酷い話だ。そりゃ事情があったのかもしれないが、身内である朱璃さんを殺すなんて信じられない。


「朱乃が殺されそうになった時漸くバラキエルさんが来て刺客達を抑えたらしいわ」
「大丈夫だったんですか?戦争になる危険があったんじゃ……」
「そこはアザゼル様と姫島家の党首との間で何らかの取引がされたみたいね。姫島家としても流石にグリゴリと全面戦争は拙いと思ったのか割と早く話は付いたそうよ。その騒動を起こしたのも特に過激的な考え方を持った一部の人間達の暴走だったみたいだしね」
「はぁ……分かってはいるが何処にでもそういう奴はいるのか。そんな奴らに朱乃さんは母親を奪われる事になるなんて……」


 俺は事故で両親を失ったが朱乃さんは人の悪意によって母親を失ったのか……心が壊れなかっただけでも奇跡だ。


「その後朱乃とバラキエルさんとの間には溝が出来てしまい殆ど会話すらしなくなったそうなの。このままでは朱乃の精神が病んでしまうと思ったアザゼル様はお兄様に話を持ち掛けて私に紹介した、それが朱乃が私の眷属になった由縁よ」
「そうだったんですか……」
「朱乃は最初死んだような顔をしていたわ。でも時間が立つにつれて私に心を許してくれるようになった。そして後に祐斗や小猫、ギャスパーも加わってグレモリー眷属が出来たという訳よ」


 しかし朱乃さんも祐斗も小猫ちゃんもギャスパーも辛い過去を持っていたんだな。リアスさんに拾われていなかったら今の彼らは無かったのかもしれない。


「でも私は結局朱乃を本当の意味では救えていなかったわ。今だって朱乃が苦しんでいるのに何もしてあげられないんだもの……小猫も祐斗もギャスパーもイッセーと出会って変わっていったというのに……本当に私は王として失格ね」
「リアスさん、それは……」
「そんなことはありません!」


 リアスさんが自分を自虐し始めたので俺は何か声をかけようとした。だがそれよりも早く誰かの大きな声がリビングに響いた。


「小猫……?」
「リアス部長は私にとって恩人です!貴方がいなかったら私はきっと何もできない臆病者になっていました。そんな私に生きる希望をくれたのは他ならぬリアス部長です!」


 大声を上げたのは小猫ちゃんだった。彼女は目に涙を浮かべながらリアスさんを見つめていた。


「そうですよ、部長。僕が復讐心に囚われずに心を保てたのは貴方が愛情をくれたからですよ。だから僕は獣にならずに済んだ。人間にしてくれたのは間違いなく貴方なんですよ、リアス部長」
「僕だって迷惑ばかりかけていたのにリアス部長は絶対に見捨てなかった!僕、本当に嬉しかったんです……貴方じゃなかったら僕は絶対に死んでいました!」
「祐斗……ギャスパー……」


 祐斗は優しい笑みを浮かべながら自身の胸に手を置いてそう言った。普段は弱気なギャスパーがリアスさんに対して大声で想いを伝えた。


「リアスさん、貴方がいなかったら彼らは救われなかった。それは小猫ちゃん達自身が証明しているじゃないですか。王失格だなんて言うのは小猫ちゃん達に対する裏切りです。朱乃さんがここにいたら同じことを言ったはずです」
「そうです!リアスさんはとっても優しくて素敵な人なんです!そんな風に自分を傷つける事を言ったら駄目です!」
「イッセー……アーシア……」


 俺はリアスさんは王として失格ではないと言い、アーシアは強い口調でハッキリとリアスさんを励ました。


「私はエクソシストだがあなたは素晴らしい人だと思うぞ、リアス。こんなにも情に厚い悪魔がいるとは思ってもいなかった」
「私もリアスさんの事大好きだよ!」
「ゼノヴィア……イリナ……皆、ありがとう……!」


 本来は敵であるゼノヴィアとイリナの言葉にリアスさんは泣きながら感謝の言葉をつぶやいた。


「……私ったら駄目ね。眷属が苦しんでいるのに逆に眷属に心配をかけてしまうなんて情けないわ」
「情けないと言えば俺の方がそうですよ、リアスさん。俺は朱乃さんの彼氏なのに何もしてあげられなかった……」
「イッセー……」


 朱乃さんはあの時テンパってしまい冷静じゃなかった。まだ冷静だった俺が彼女をフォローして最適な行動を取れていればこんなことにはならなかったかもしれない。そういう所はまだまだガキだなって実感したよ。


「皆、俺は朱乃さんを助けたい。でも俺はまだまだ半人前だ、一人じゃどうすればいいのか分からないんだ。だから皆の力を貸してくれ!」
『応っ!』


 俺一人ではいい考えが出てこない。だから皆に協力してもらい朱乃さんとバラキエルさんの仲を修復したいと思う。


「俺は朱乃さんの元に行ってくるよ。今なら話を聞いてくれるかもしれないからな」
「なら私達はその間に作戦を考えておくわね」
「お願いします」


 俺はそう言うと朱乃さんがいる二階に向かった。


(朱乃さん、貴方にはこんなにも沢山の味方がいます。俺だってついている。だから一人で抱え込まないでください……!)

 
 

 
後書き
 予定していた内容よりも話が膨れ上がってしまったので次回に続きます。申し訳ありません。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧