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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第78話 朱乃よ、父と向き合え。家族の和解と本当の愛 前編

side:朱乃


 ベジタブルスカイでの冒険を終え数日後、わたくし達は学校生活に戻っていました。


 あれから変化したことはギャスパー君もイッセー君の家に住むことになった事です。リアスだけは魔王様が訪ねてくる恐れがあるので引っ越せていませんが、いずれ皆で住むことになると思います。


 そして今日も日課の朝練という名の特訓をしています。わたくしの相手はイッセー君です。


「はぁぁぁっ!」


 のの様棒を槍に変化させてイッセー君に向かっていきます。そして鋭い突きをイッセー君に放ちました。


 イッセー君はその一撃をナイフでいなしてわたくしの横に回り込みます。そして死角に入り込んで打撃を打ち込んできました。


 以前のわたくしならそれをまともに受けていたでしょう。でもグルメ細胞によって強化されたわたくしの体は以前よりも無茶な動きが出来るようになっていました。


「やぁっ!」


 体をひねるようにしてアクロバティックな動きでイッセー君の攻撃を回避したわたくしは、空から雷撃の矢を放ち攻撃します。


 イッセー君は雷撃の矢をナイフでかき消すと今度はフライングフォークを放ってきました。わたくしはのの様棒に雷を纏い縦に回転させてそれを弾きました。


 イッセー君が加減してくれているからフライングフォークをはじけたとはいえ、以前ではそれすらも出来なかったでしょう。つくづくグルメ細胞の力には驚きを隠せませんわね。


「やるじゃないか、朱乃さん」
「うふふ、まだまだこれからですわ」


 イッセー君に褒めてもらえたことが嬉しく思いながらも戦いを続行しました。


「3000万V、雷鳥!雷獣!」


 太鼓を叩き雷鳥と雷獣を生み出してイッセー君に放ちました。イッセー君は雷鳥を蹴りで打ち払い雷獣をジャンプで回避しました。


「そこですわ!」


 わたくしはチャンスだと思い溜めていた雷を太鼓に纏いました。そして太鼓を全て叩くと雷がほとばしりのの様棒に全ての雷が集まっていきます。それを矢のように構えてイッセー君に標準を付けました。


「『火雷大神』!」


 放たれたのの様棒はまるで巨大な矢のようになってイッセー君に向かっていきました。


(勝ちましたわ……!)


 自分の武器を手放してしまうという弱点はありますが威力は絶大です。イッセー君は空中では赤龍帝の鎧を使わないと動けません。


 しかしこの模擬戦は赤龍帝の籠手、もしくは鎧を使ったらイッセー君の負けというルールになっています。ですので空中で動けないイッセー君が火雷大神をかわす、もしくは防ぐには神器を使う必要があると言う事です。


「フォークシールド!」


 しかしわたくしの目論見は外れてしまいます。なんとイッセー君はフォークを盾のように出して火雷大神を防いでしまったのです。


「ぐぐぐ……うぉぉぉぉっ!」


 拮抗していた火雷大神とフォークシールドは大きな爆発を起こしました。


「イッセー君!」


 わたくしはイッセー君の元に駆け寄りますが彼は手を痛そうに振っているだけで怪我などはなさそうでした。


「あー、痛ぇ……やっぱりまだ練度が足りていないか」
「イッセー君、大丈夫ですの?」
「ああ、大丈夫です。しかしまさか朱乃さんがあんな技を編み出していたと思っていませんでしたよ、咄嗟に赤龍帝の籠手でフォークシールドを強化したがそうじゃなかったら惜し負けていました」
「それはイッセー君が手加減をしてくれていたからじゃ……」
「いや、あの一撃には驚きましたよ。朱乃さん、本当に強くなりましたね」


 クシャッと頭を撫でられてわたくしは顔を赤くしてしまいます。イッセー君はよく小猫ちゃんの頭を撫でていますが最近はわたくしの頭も撫でてくれますの。子供扱いというよりは恋人を甘やかせてくれている感じなので嫌じゃないしとても安心できます。


「んっ……でもわたくしも驚きましたわ。まさかフォークをシールドとして使うなんて思いもしませんでした」
「今までの俺はグルメ細胞の回復や赤龍帝の鎧に頼っていて防御がおろそかになっていましたからね。ですがグリンパーチやトミーロッドは俺の鎧を容易く貫いたり回避できないほどの速度で攻撃してきた。いずれ生身で出会うヴァーリはこの二人よりも強いはずだ」


 イッセー君はかつて失った指を見つめながらそう言いました。


「だからこれからは防御も鍛えていこうと思ったんです。もし俺に何かあれば皆が悲しむし、朱乃さんにも心配をかけたくありませんからね。それにもうあんな無茶をしてほしくないですから」
「イッセー君……」


 イッセー君はそう言ってわたくしの頬を撫でてくれました。彼が言っている無茶というのは豪水を飲んだことですね。


「もうあんな無茶はしませんわ。リアスにも強く言われましたしイッセー君を悲しませてしまっては意味がありませんもの」
「ええ、その為にはお互いが成長していくしかないです。だから皆で……そして二人で強くなっていきましょう。朱乃さんがいてくれれば俺はもっと強くなれます」
「わたくしも同じ想いですわ……」


 わたくしはイッセー君の愛情を感じ取りながらうっとりと彼を見つめていました。イッセー君はわたくしを抱き寄せて強く抱きしめてくれました。わたくしはイッセー君の顔を見つめて彼の頬に手を添えました。


「イッセー君……」
「朱乃さん……」


 そのまま徐々にお互いの顔が近づいていって、そのまま唇が重なって……


「イッセー先輩、特訓を成功させましたよ」


 ひょこっと現れたギャスパー君、それと同時にバッと離れるわたくし達、タイミングが悪すぎですわ……


「あれ?そんなに引っ付いて何をしていたんですか?」
「い、いやなにもないぞ。それより特訓を終えたんだってな。見に行ってもいいか?」
「はい、ぜひ見てください」


 ギャスパー君にはわたくしとイッセー君がお付き合いをしていることは言っていますが、純粋なギャスパー君に今から逢い引きしようとしていたとは言いにくかったのでイッセー君は誤魔化しました。


 ギャスパー君はイッセー君の手を取って歩いていきました。あのギャスパー君があんなにも懐くなんて……ふふっ、やっぱりイッセー君は人を変える何かを持っているのでしょうね。


「おお、ちゃんとボールだけを止めることが出来たんだな」
「はい、今の所10個ほどが限界でしたが……」
「いや、十分だ。前はロクに止める事も出来なかったんだろう?たった数日で10個も止められるようになったなら大したものだ」
「えへへ……」


 ギャスパー君は祐斗君と一緒に投げたボールだけを止める特訓をしていました。特訓を始めた時は1個止めるだけでも精一杯でしたが、たった数日で10個も連続して止められるようになるなんてギャスパー君は頑張りましたわね。


「祐斗から見てギャスパーの様子はどうだった?」
「うん、以前と比べたら安定してきたね。正直まだ危ない所もあったけど、それも直ぐに良くなっていくと思うよ」
「そうか、スタンドも神器もそれなりには扱えるようになってきたな。この調子で行くぞ」
「はい!」


 一緒に特訓していた祐斗君にギャスパー君の様子を確認するイッセー君でしたが、どうやら順調のようですね。


「あの、イッセー先輩……僕、目標を達成できたのでアレを……」
「ん?おお、そうだったな」


 ちょっとモジモジしながらイッセー君に何かをお願いするギャスパー君、そんな彼を見てイッセー君は上着を脱いで上半身裸になりました。


 そしてギャスパー君の前にかがむと首を斜めにして頸動脈が見えるようにしました。


「ほら、いいぞ」
「あっ……」


 それを見たギャスパー君はまるで大好物を目前にした獣のように舌なめずりをしました。そして彼の首元にかぷっと噛みつくとチュウチュウと血を吸い始めました。


「ちゅう……んくっ……ぺろ……!ちゅうう……んっ……おいひ……」
「くすぐったいな……」


 ギャスパー君はその……発情した雌のような顔をしてイッセー君の血を吸っていました。イッセ―君はギャスパー君の顔が見えないからくすぐったそうにしていますが、顔を見たら多分驚くでしょう。


 そもそもなぜこんなことをしているのかというとドライグの発言が切っ掛けでした。神器のコントロールに悩んでいたギャスパー君に『吸血鬼なら赤龍帝の血を飲めば強くなれるかもしれん』とアドバイスをしたのです。


 ギャスパー君はハーフ故なのかあまり血が好きでないため最初は血を飲むのを嫌がっていたのですが、試しにとイッセー君が指をナイフで軽く切って血を出すとギャスパー君はまるで発情期が来たかのような雌の顔をしてフラフラとイッセー君の元に向かいました。


『な、なんでしょうか……イッセー先輩の血の匂い……凄く美味しそう……!』


 目を輝かせながら涎を垂らすギャスパー君は今までのか弱そうな雰囲気が一変してまるで捕食者のようでした。そしてギャスパー君はイッセー君の血を指ごと口に入れて血を吸い始めたのです。


『す、すごく美味しいです……!指でこれなら……』


 ギャスパー君はイッセー君の指から口を放すと今度はイッセー君を押し倒して首に噛みつきました。


 それを見たわたくし達は何故かイッセー君を取られたような気がしてショックを受けました。だってあんな事わたくしだってしたことないのに……!


 小猫ちゃんだけは「ギャー君もやりますね」と冷静に言っていました。


 それからギャスパー君は神器のコントロールが少し良くなってきたので効果はあったそうです。ただグルメ細胞も宿しているイッセー君の血は場合によっては毒になるかもしれないと言う事で少量だけ吸わせる為に首から吸わせていますの。


 首の方が危ないんじゃないのか、と思われるかもしれませんがギャスパー君の牙ではイッセー君の首の筋肉を貫通することが出来ません。最初の不意打ちも首を必死に吸うだけで血は吸えなかったようで『うぅ……イッセー先輩のは太すぎて吸えません……』と泣いていました。


 ……セリフがちょっと卑猥ですわね。


 まあそれでイッセー君が力を緩めて漸くちょっとだけ血を吸えるらしいので首から吸うことにしたのです。あと指だとギャスパー君が暴れた時にナイフやフォークになって彼の口内を貫通してしまう恐れもありますから。


「んちゅ……ぺろ……けぷっ……」


 血を吸えて満足したギャスパー君はイッセー君から離れました。イッセー君は垂れていた血をタオルで拭いて筋肉を締め付けて傷口を塞ぎました。


「しっかしそんな俺の血は美味いのかねぇ。流石に人間の血は味が分からないがそんなに美味しそうに吸われると俺も味わってみたくなってきたぜ」
「血が食材の猛獣っているの?」
「いるぞ。例えば『ブランデータイガー』っていう虎は血に毒を持っているが100年生きると熟成されたブランデーになるらしい。俺は飲んだことないけどな」


 祐斗君とイッセー君は血が食材になるのか話し合っていました。まあ体にソーセージやカレー、焼きそばを生やした生物もいますし、血がソースだったりワインだったりする生物もいて当然ですわね。


「あっ、そうですわ。イッセー君、先ほどの模擬戦赤龍帝の籠手を使いましたよね?」
「ええ、使いましたね」
「ならわたくしの勝ちですわね。なんでも言う事を聞いてくれる約束は……」
「勿論受けますよ」
「やりましたわ♪」


 そう、もし模擬戦でイッセー君に勝てたら何か約束を聞いてくれると言う約束をしていましたの。さて何をしてもらおうかしら?


「なら放課後わたくしとデートをして頂けませんか?」
「デートですか?いいですよ、G×GとD×Dのどっちがいいですか?」
「最近はG×Gの方で活動していましたので、今回はD×Dの方でデートしてみたいですわ」
「了解です」


 イッセー君とのデート、楽しみです。今日はリアスが個人的な用事があるそうなので部活はお休みです。目一杯楽しみますわ。


 それからわたくし達は他の場所で特訓していたリアス達と合流して朝ご飯を食べました。その後の小休憩でリアスがイッセー君に声をかけました。


「あっ、そうだ。イッセー、昨日お兄様から連絡が来たの。なんでも三大勢力の会談の日が決まったみたいよ」
「いつですか?」
「〇月〇日ね。それまでは私も準備に入るから部活は止める事にするわ」
「なら俺もそれが済むまでは親父の依頼は行かないことにしますね」
「お願いね」


 それからわたくし達は準備を終えて学校に向かいました。



―――――――――

――――――

―――


「ふんふ~ん♪」
「楽しそうね、朱乃。何か良いことでもあったのかしら?」
「ええ、今日の放課後にイッセー君とデートを致しますの」
「それは良かったわね」


 放課後になり機嫌の良さそうなわたくしにリアスが声をかけてきました。わたくしはイッセー君とデートをすると話すとリアスは羨ましそうにしました。


「私も早く運命の人を見つけて貴方たちみたいに青春してみたいわ」
「あら、悪魔の寿命ならまだまだ青春を謳歌できますわよ」
「それはそうだけど……でも小猫や貴方が恋人とイチャイチャしてるのを見せつけられるのも辛いのよ?祐斗もティナさんやリンさんと仲良くなってるし……肩身が狭いわ」


 リアスはそう言うと溜息を吐きました。よく考えればリアスは未だに想い人に出会えていないのですからもう少し配慮するべきでしたわね。浮かれていましたわ。


「あっ、別に貴方を攻めている訳じゃないのよ、朱乃。貴方の過去は知っているからそうやって楽しそうにしてくれているのを見れて私は嬉しいから」
「リアス……」


 親友の言葉にわたくしは胸が熱くなってしまいました。リアスは主でありますがわたくしにとっては一番の親友ですわ。


「じゃあ私は用事があるからもう行くわね。朱乃も楽しんできなさい」
「はい。さようなら、リアス」


 リアスはそう言って教室を後にしました。わたくしもそろそろ行かないと時間に遅れてしまいますわ。


 わたくしは駒王町にある公園に向かいました。そこにある噴水の前に立っていたイッセー君に声をかけます。


「イッセー君、待たせてしまってごめんなさい」
「朱乃さん、大丈夫ですよ。俺もついさっき来たばかりですから」


 遅れてしまった事を誤りましたがイッセー君はにこにこと笑ってそう言ってくれました。


「イッセー君、なんだか嬉しそうね」
「そりゃ朱乃さんとデートできるんですから男なら誰でも嬉しくなりますよ」
「あら、お上手ですわね♪でもそれならイッセー君から誘ってほしかったですわ」
「えっと……すみません。良い訳になってしまうんですけど、朱乃さんをデートに誘おうと思っていたんですが色々あったもので、その……」


 あら、ちょっと意地悪をしただけなのにイッセー君は真面目に受け止めてしまったようですわ。


「……うふふ、イッセー君ったら焦り過ぎですわ。大丈夫です、わたくしはちゃんと貴方に愛してもらえているって分かっていますから」
「朱乃さん……」
「だから今日はわたくしだけを見てください」
「分かりました。今日の俺は朱乃さん専用です」
「よろしい♪」


 わたくしはイッセー君の腕に抱き着いて恋人つなぎをします。わたくしは女性にしてはそれなりに背が高いのですがイッセー君のほうが背が高いからこうやって腕を組むと安心感があります。


「じゃあ行きましょうか。今日は沢山遊びましょう」
「勿論ですわ♪」


 それからわたくしとイッセー君は二人きりの時間を楽しみました。


「朱乃さん、そのワンピース良く似合っていますよ。凄く素敵です」
「イッセー君がそう言ってくれるならこの服にしようかしら」
「なら代金は俺が出しますよ。今までちゃんと相手をしてあげられなかったお詫びもかねて」
「ならお言葉に甘えますわね」


 二人でショッピングをしてイッセー君に服を買って貰ったり……


「はい、イッセー君。あーんしてください」
「あーん……んっ、このパンケーキ中々イケますね。次は俺のパフェを食べてみてください。ほら、あーん」
「あーん……ふふっ、甘くて美味しいですわ。でもG×Gの食事に慣れるとD×Dの食事が味気なく感じてしまうのよね。贅沢な悩みだとは思いますが……」
「まあ食材の質が違いますからね。でも朱乃さんの手料理ならG×GでもD×Dでもどちらの食材を使ったとしても俺は好きですよ」
「もう、イッセー君ったら褒めすぎですわ」


 二人でカフェによって食べさせあいをしたり……


「朱乃さんの声は綺麗ですよね。将来歌手にでもなれるくらいに上手ですよ」
「も、もう!イッセー君!少し褒めすぎですわ!……他の人が言ったら気を引こうとしているようにしか聞こえないのにイッセー君は本心で言っているからタチが悪いですわ……」
「えっと……すみません」
「イッセー君はわたくしや小猫ちゃん達以外を褒めてはいけませんよ。約束です」
「えっと……はい……」
(これ以上ライバルが増えるのはごめんです。でもイッセー君に褒めてもらうと嬉しくて体が熱くなってしまいますわ……)


 二人でカラオケに行って歌ったりと色んなことをしました。


「そろそろ夜ですけど夕食はどうしますか?俺は外で食べても良いですけど……」
「それなら……あっ……わ、わたくしあそこに行ってみたいですわ……」
「どこですか……ってえっ……」


 わたくしは偶然通りかかったピンクな建物が並ぶ通りにあった一つのホテルを指さしてそう言いました。


 えっ?偶然じゃなくて計画的に移動したんじゃないのかって?お、おほほ……そのような事は一切ありません。本当に偶然ですから。ぐ・う・ぜ・ん!


「えっと、あそこは確かに食事もできますけど、どちらかと言うと朱乃さんをエッチな意味で食べちゃう場所なんですけど……」
「……イッセー君は嫌?わたくしとそういう事をするのは?」
「いやしたいです。俺だって男ですし朱乃さんとそう言う事がしたいかと言われれば即答します」
「キ、キッパリと言いますのね……」


 てっきり恥ずかしがるかと思ったのですが、やはり小猫ちゃんとあっはん♡したことで自信が付いたのでしょうか。でも好きな人に正直にそう言って貰えて凄く嬉しいのはわたくしが女だからなのでしょうね。


「よし、行きましょうか」
「えっ?本当に行くのですか?」
「えっ、朱乃さんが誘ったのに何故躊躇しているんですか!?」
「こんなにすんなりと事が進むとは思っていませんでしたのでつい……」
「俺は朱乃さんとちょめちょめしたいです。そして責任を取って結婚したい!」
「そ、そんな大きな声で言わないでください!」


 も、もう……これじゃ年上としてリードしようとしたわたくしの目論見が壊れてしまいますわ。でもわたくしだって小猫ちゃんのように彼に愛されたい……覚悟を決めましょう!小猫ちゃんも応援してくれて避妊具をくれましたしその期待に応えますわ!


「イッセー君、わたくし覚悟を決めましたわ。わたくしは今日貴方に抱かれます!」
「分かりました!俺も覚悟を決めて朱乃さんとちょめちょめします!」
(……あのカップル、あんな大きな声で恥ずかしいこと言ってなんとも思わないのかな?)


 わたくしは力強くそう答えました。辺りの通行人から視線を感じますがそんなことはどうでもいいです。大事なのはイッセー君とあっはん♡することです。


「あ、朱乃……?」


 ですがその時誰かに呼ばれたので振り返ってみると、信じられない事が起きました。


「お、お父様……?」


 何とそこにはお父様とアザゼル様がいて、お父様は目を見開いてわたくしとイッセー君をみていたんです。

 
 

 
後書き
 話が長くなりそうなので前編と後編に分けます。申し訳ありません。 
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