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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Epica20-Cインターミドルの猛者~Reunion~

†††Sideヴィヴィオ†††

インターミドルで有名なヴィクトーリア選手、そしてハリー選手こと番長がどういうわけか今わたし達の前に居て、シャルさん達と楽しそうにお話してる。その様子を興奮気味に眺めてると、シャルさんが「そうだ。この子たちの事も紹介するよ」ってわたし達に振り返ると、ヴィクトーリア選手と番長たちがわたし達を見た。

「えー。来年のインターミドルに出場する予定の・・・」

「チームナカジマの監督兼コーチ、ノーヴェ・ナカジマです。で、コイツらが、来年出場する・・・」

「た、高町ヴィヴィオです! ストライクアーツをやってます!」

「コロナ・ティミルです! ゴーレム創成が得意です!」

「リオ・ウェズリーです! 春光拳っていう家に伝わる武術やってます!」

「真正ベルカ古流武術・覇王流(カイザーアーツ)、アインハルト・ストラトスです。お会いできて光栄です」

ドキドキしながらも自己紹介するわたしとコロナとリオ、そしてアインハルトさん。番長は「おう! 来年はライバルってわけだな!」って豪快に笑った。

「にしても、みんな小さいっスけど・・・いくつっスか?」

「「「9歳で、来年10歳です!」」」

「マジか! うちのリーダーでも中等科1年・・・12歳だったぜ!?」

「参加制限年齢10歳に入った年に参加かよ」

「すげぇな、お前ら」

番長のお友達の方たち(聞けば妹分ってことで、背の高い人がミアさん、マスクをつけた人がリンダさん、サングラスをかけた人がルカさん)に驚かれちゃった。でもすごいって言ってもらえてるとかなり嬉しい。続いてアインハルトさんが「初等科5年の11歳でです」って答えた後、番長が「お前だけ年上なんだな。同い年ぐらいに見えるが」って頷いた。

「んで、チームナカジマとは違うけど、初参加になる・・・」

「ルーテシア・アルピーノ、14歳です」

「妹のリヴィア・アルピーノ。双子なので同じく14歳!」

「おう! よろしくな!・・・ん? そっちは? ルシルさんの妹さんか?」

番長の視線がフォルセティに向いた。最初は何を言ってるのかな?って思ったけど、フォルセティが女の子に見られてるってことを察したその瞬間、「ぷふっ!」ってシャルさんとリオとリヴィアが吹きだした。

「え? なんスか? オレ、何か変な事――」

「言いましたわよ、お馬鹿。彼は八神フォルセティ。女の子ではなく男の子ですわ」

「「「「ええええーーーーっ!?」」」」

「そこまで驚く事ですかーーーー!?」

番長たちとフォルセティの絶叫が木霊した。落ち着いたところで、「あー、笑った♪」って目の端に浮かんでる涙を拭ったシャルさんが、「ヴィヴィオとフォルセティは憶えてるかな~?」ってわたしとフォルセティを見た。

「実は2人とも、ヴィクトーリアとは面識があるんだよ?」

「「えっ!?」」

シャルさんからのまさかの発言に、わたしとフォルセティは何度目かの驚き。ヴィクトーリア選手の方を見ると、「ええ。あなた達がまだこんなに小さい頃に、一度だけですが」って、腰の辺りで手の平を水平に振りました。その手の高さから見て、一番背が小さい頃だってことが判る。

「プライソン戦役の後、六課時代の頃に教会本部に招かれたことは憶えてる・・・?」

「「う~ん?」」

フォルセティと一緒に腕を組んで唸って考えるけど、六課の隊舎で過ごした思い出が大多数で思い出せない。ヴィクトーリア選手は「まぁ2人とも小さかったですし」って苦笑しました。聖王教会の上層部やヴィクトーリア選手のようなベルカから続く血統の社交界があって、そこで聖王女オリヴィエのクローンであるわたしと、魔神オーディンのクローンであるフォルセティがお披露目となってみたい。

「そこで、ヴィヴィとセティと挨拶を交わしましたわ」

「ヴィヴィ?」

「セティ?」

「ええ。かつて顔を合わせた際、ヴィヴィをヴィヴィオ陛下、セティを騎士フォルセティと呼んだならば、陛下呼びは嫌、騎士呼びは嫌とのことで、ヴィヴィとセティという呼び方にしましたわ。あなた達も喜んでいましたし」

なんだろう、ヴィヴィ、って呼ばれたことで懐かしさを思い出して、すぐに「ヴィクター・・・さん?」って呼び名がパッと思い浮かんだ。フォルセティも「あ! ヴィクターさん!」ってポンっと手を打った。

「ええ! では改めまして。お久しぶりですわね、ヴィヴィ、セティ♪」

「「お久しぶりです!」」

わたしとフォルセティも改めて挨拶を返した。ヴィクターさんとニコニコ微笑んでると、「あの・・・」ってアインハルトさんがヴィクターさんに歩み寄りました。

「・・・覇王の直系でしたわね、確か」

「はい。そしてあなたは、かの雷帝バルトローメウス・ダールグリュンの末裔だと伺っております」

「ええ。血筋としては薄い方だけど。インターミドルの試合映像をご覧になったかと思うけど、雷帝ダールグリュンの戦技は全て引き継いでいるわ。あなたは?」

「全てではありませんが、少しずつ思い出して、自分のものにしていっています」

「そう・・・」

アインハルトさんとヴィクターさんが見つめ合う。険悪な雰囲気じゃないみたいだけど、なんだか不安になってくる時間。その沈黙を破ったのは「世代を超えての同窓会ですね♪」って笑うイクスだった。

「私、冥王。聖王のヴィヴィオ、魔神のフォルセティ、覇王のアインハルト、雷帝のヴィクター。まさか、このような場面に居合わせることが出来るなんて考えもしませんでした♪」

「戦乱の時代ではなく平和の時代での出会いですわね」

わたしも一応当事者になるんだけど、どこか他人事のように思っちゃってる。フォルセティもちょっと困ってる顔してるし。

「ヴィクトーリアさん。私は、チームナカジマの皆さんと出会う前、覇王の名と覇王流を最強と知らしめるため、ヴィヴィオさんやフォルセティさん、イクスさんを含め、ルール無用で打倒しようと考えていました。もちろん、雷帝ダールグリュンの末裔であるあなたも・・・」

「そう・・・。それで?」

「覇王流アインハルト・ストラトス。雷帝ヴィクトーリア・ダールグリュンに、DSAA試合ルールに則った試合を申し込みたいです」

「ヴィクターで結構ですわ、アインハルト。その挑戦・・・お断りするわ」

アインハルトさんからの挑戦を即断ったヴィクターさんは、アインハルトさんがその理由を尋ねるより先に「勝ち上がってらっしゃい」って簡潔に、戦意をぶつけながらヴィクターさんが言い放ちました。

「来年、インターミドルに挑戦するのなら、覇王流の全てを会得し、数多のライバルを打倒した上で挑んできなさい。今のあなたでは、私には敵いませんわ・・・絶対に」

「っ・・・! そうですね、仰るとおりです。ええ、必ず。必ず今より強くなって、雷帝ダールグリュンを下します!」

「ふふ。ええ、待っていますわ」

ヴィクターさんが右手を差し出して、アインハルトさんはその手を取って握手しました。まずい展開にならなくて良かったってホッとしたわたしは、ある事を思い出して「番長!」に向き直った。

「お、おう? 急にどうした。そんな大声出して」

「以前、番長のサインを貰ったことへのお礼がまだでした!」

「ん? お前らにサインを書いたことあったっけか? 今日、初めて会ったはず・・・」

「えっと、知り合い伝手に書いてもらったんですけど・・・。ルシルさんとアイリから・・・」

ルシルさんとアイリから番長の名前入りサインを渡された時、すっごく嬉しかった。番長って、見た目からは想像もしえなかったサインを書くんだよね。とても可愛い絵がデカデカと描いてある中に、番長の名前が書いてあるっていうサイン。初めてそのサインを見たとき、わたしとコロナとリオは・・・

――番長、絵が可愛すぎます!――

わたしの家で総ツッコみを入れたものだよ。砲撃番長(バスターヘッド)の可愛らしさを知ってる人ってどれだけいるんだろ。わたし達のようにサインを書いてもらって知る人もやっぱりいるんだろうな~。

「あー! ルシルさんとアイリさんの言ってた来年参加する子ってのはお前らか! そういやサインに記した名前は、お前らの名前だったな! 今思い出したぜ! でもま、サインくらいいくらでも書いてやるぜ? 応援してくれるファンは大事な存在だからよ。それにオレも、ルシルさんやアイリさんやシャルさんのサインも貰ったしな!」

満足そうに笑った番長は、トリシュさんとルミナさんに振り向いて「サイン、ください!」って深々と頭を下げてお願いした。ルミナさん達は「良いよ~♪」って快諾して、後で色紙に書いてプレゼントすることを番長に約束した。

「あの、出来たらですけど、ヴィクトーリアさんのサインも欲しいな~・・・と」

「ええ、構いませんわ。それと・・・コロナとリオ、それにルーとリヴィ、あなた達も私のことはヴィクターと呼んでもらって構いませんわ」

「あ、じゃあわたしもハリーやヴィクトーリアのサイン欲しいかも♪」

「なら私もついでに!」

「それなら私もください」

シャルさんとルミナさんとトリシュさんまでもが、番長とヴィクターさんのサインが欲しいってことになって、後でサイン交換会が催されることになっちゃった。

「サインっていやぁ、今日はルシルさんとアイリさんは居ないんスね・・・」

「え、あ、うん。今日はわたしの家で、他の隊員と待機中なの」

「オランジェ・ロドデンドロン隊っスよね! アンジェリエさん、クラリスさん、セレスさんのサインも欲しかったな~」

「チームナカジマもそうだけど、うちの教会からも何人かが出場したいって言ってるし、だから会う機会も多くなると思うから、その時にでも直接お願いしてみる? それとも貰ってきてあげようか?」

「いえ、大丈夫っス! 次に会った時にお願いします!」

満足そうに笑ってる番長に、やっぱりシャルさん達はすごい有名な人たちなんだって再認識できた。そんな人たちに見守られてるわたし達って本当に恵まれていて、幸せものだって思う。和やかムードの中、わたしよりちょっと小さいくらいの子どもが集団でこっちに向かって走ってきていて、「走ってはいけませ~ん!」って、引率らしいお姉さんが注意したところで・・・

「うわ!?」

そのうち1人、男の子がわたし達の前で転んじゃった。一番近かった番長が「おいおい、大丈夫かよ」って腰を屈めた直後、前を見ないで走ってきた後続の子供たちが番長や妹分さん達と激突。結構勢いがあって、しかも4人っていうこともあって「おわっ!?」って後ろ向きにで倒れこみそうになった。

「何か掴ん――」「何か触れ――」

「おわっ!?」「きゃっ!?」

番長と妹分さんの中でもっとも背の高いミアさんが仰向けに倒れこんじゃったんだけど、ほぼ同時にさっきまで居なかったはずの「ルシルさん・・・!?」が、2人に覆い被さるように四つん這いの姿で現れて、30cmくらいの小さな元の姿になってる「アイリ・・・!?」も宙に浮かんでた。

「あ」

「え・・・?」「んぁ・・・?」

ルシルさんの両手がなんと、番長とミアさんのお胸を鷲掴んでた。そして番長とミアさんの手はルシルさんの服をギュッと握ってた。ルシルさんが倒れちゃった理由がそれだって、どう反応していいのか、考えてるような考えてないような混乱する頭の中で理解はした。

「お、お父さん・・・? アイリお姉ちゃん・・・?」

「はっ! ちょっ、待っ、違っ、ふ、不可抗力だ、これ!」

「「~~~~~~っ!!!!!!」」

お胸を男の人であるルシルさんに掴まれてる気付いた番長とミアさんが顔を真っ赤にし始めて、わたし達子ども組は「あわわ!」って慌てて目を両手で覆うとしたところで、「ふんっ!」シャルさんがルシルさんを思いっきり蹴っ飛ばして、ドゴンッ!って大きいな音と一緒にルシルさんは「おごっ!?」って呻き声を上げて吹っ飛んだ。

「なに女子校生を押し倒して胸を揉んでんじゃオラァ!」

「シャ、シャル!? 今のはマイス――ルシルが悪いわけじゃないから!」

「原因より結果に問題あり! 番長、ミア、大丈夫!?」

「あ、いや、オレは平気です・・・」

「あ、あたしもビックリしたっスけど・・・なんとか・・・」

番長もミアさんもそうは言うけど、やっぱり顔は赤いままだった。

†††Sideヴィヴィオ⇒アイリ†††

マイスターがシャルに蹴っ飛ばされちゃうことになった原因、子供たちとその付き添いの人たちから誠心誠意の謝罪を受けた後、蹴っ飛ばされてドームの内壁に叩き付けられたマイスターも戻ってきて、「本当にすまなかった、2人とも」って、ハリーとミアに深々と頭を下げた。実際、マイスターはあんまり悪くないんだけどね。元はといえばハリー達がマイスターの服を、全体重を乗せて引っ張った所為で、マイスターも支えきれずに2人に覆い被さったわけだしね。

「あ、いえ! そんな・・・! オレ達がルシルさんを引っ張った所為でもあるんで!」

「そ、そうっス! お、驚きはしましたけど・・・。それにキモい奴ならともかく、ルシルさんみたいな美形なら悪い気もしないっス!」

(でもおっぱいを揉むなんていうラッキースケベだけは許さない。揉んで良いのはアイリのだけなんだからね!)

あぁ、でもはやて、シグナム、シャマル、アインス、あとヴィータとリインとアギトお姉ちゃん・・・は揉むほどないし、貧乳トリオ以外の4人までなら許す。

「えっと、ところでお父さんとアイリお姉ちゃんは、どうしてここに?」

フォルセティがそう尋ねると、マイスターとシャル達大人組が顔を見合わせて、観念したかのように小さく溜息を吐いた後、マイスターとアイリがここに居る理由を教えた。アイリ達は、シャル達と同じようにヴィヴィオを護衛するために同行してた。姿を消していたのは、最後の大隊に護衛戦力がシャルとトリシュとルミナの3人だって思わせるため。3人だけって侮って仕掛けてきたとき、マイスターとアイリの追加戦力で一気に逮捕するために、だ。

「ですが驚きました。姿を隠してはいてもお2人はずっと、私たちの側に居たのですよね? まったく気付きませんでした」

「うん、すごいすごい!」

「車も一緒に乗ってたんですか?」

「ああ、アイリと一緒に助手席に乗っていたよ。・・・あ、先に言っておくが、ショッピングセンターやココでの更衣室へは入っていないからな。変に勘違いしないように」

マイスターとアイリの気配遮断のレベルの高さにアインハルト達が驚いていると、ヴィクトーリアが「ヴィヴィ達の護衛でしたのね。それなら無理は出来ませんわね」って、残念だけどしょうがないって風に苦笑い。ハリーも「やっぱダメかな~」って肩を落とした。何が無理でダメなのか、ちょっと判らないね。

「ところでヴィクターさんや番長たちは、どうしてここに?」

「まぁここはトレーニング施設でもあるわけだし、ひょっとして雷帝と砲撃番長(バスターヘッド)の非公式試合を・・・!?」

ルーテシアに続いてリヴィアがそう言うと、ヴィヴィオ達の目がまた爛々と輝き始めた。今年の都市本戦でハリーとヴィクトーリアは闘い、そしてヴィクトーリアが勝ち、ハリーが負けた。どっちが勝ってもおかしくないほどの泥仕合を繰り広げた。その再戦が今、自分たちの前で行われるかもしれない、って考えてのことだね。

「いや、違うんだ。オレは・・・アルテルミナスさん、あなたと闘えると思ってココに来たんス」

「私と? そういえば一直線にこっちに向かって来ていたようだけど・・・。それはまたどうして?」

「実は・・・」

ハリーが別のところで買い物をしてた時、選手仲間から写真が送られてきたとのこと。どんな写真か見させてもらうと、それはルミナとリヴィアが闘ってるものだった。真正の古代ベルカ式の騎士であり、元とはいってもその実力は教会騎士団最強の拳闘騎士。そんなルミナと試合が出来るかもしれない。そう考えてハリー達は、急いで来たとのこと。

「でも護衛中っていうことなら・・・」

「ふっふっふ。ハリー・トライベッカ。君の挑戦を・・・」

「あ、はい!」

ルミナが腕を組んで仁王立ちして、不敵な笑みを浮かべながらハリーの前に立った。そして「受けません! 私と闘いたければ勝ち上がってきなさい」って、さっきヴィクトーリアがアインハルトに言った断った理由をそっくりそのまま、今度はハリーに言い放った。

「え? 勝ち上がって? ど、どこで?」

「まずは教会騎士団に入って、見習い騎士からね。ハリーは格闘型から騎種は拳闘ね。パラディン目指して昇格試験を受ければ、間違いなく私をやれるよ?」

教会騎士団へのスカウトだったけど、ハリーは「ごめんなさい。オレ、管理局に入るのが夢なんス」って頭を下げて、今度はハリーが断った。

「こら」

「あいたっ」

とここで、シャルがルミナの頭を小突いて、「あなたはもう、パラディンにはならないんでしょうが」ってお叱りの言葉を告げた。ルミナは、特務零課が再稼動を始めたら騎士団を辞めて、局員一本でいくって決めてるから、ハリーが騎士団に入ったとしても試合をする事はきっと永遠にこない。

「もうルシルとアイリが姿を見せちゃったし、大隊への切り札にはならないからな~。ルミナ、せっかくここまで来てくれたんだし、ハリーと闘ってあげたら?」

「っ! いいんスか!?」

ものっすごいキラキラしだしたハリー。ルミナも「ま、友人になった記念日として、いっちょヤろうか」って腕をぐるぐる回して準備運動。するとヴィクトーリアも「わ、私もよろしいでしょうか!?」って、ルミナに詰め寄った。

「いいよ。雷帝ダールグリュン、相手に不足無し。ハリーから先にやるから、準備して待っていて」

「あ、ありがとうございます!」

「よっしゃー! やったるぜー!」

ハリーがリングに上がってストレッチを始めて、ヴィクトーリアも「更衣室に行ってきますわ」って一旦アイリ達とお別れ。そしてハリーがストレッチを終えて、起動した「レッドホーク!」っていう鎖型のデバイスを左拳に巻いて、いわゆる特攻服っていうデザインの防護服へと変身した。

「お待たせしました」

ヴィクトーリアがトレーニングウェアに着替えて戻ってきたんだけど、さっきまでは居なかった男の人が付いて来てた。

「確か、ヴィクトーリアのセコンドの・・・」

インターミドルの試合映像の中で、ヴィクトーリアのセコンドを勤めてた人だってことはすぐに思い出せた。その人がシャル達に対して「ご無沙汰しております。イリス様、トリシュタン様、アルテルミナス様」って一礼した。

「久しぶり、エドガー」

シャル達が挨拶を返し終えると、エドガーがマイスターやアイリ、ヴィヴィオ達に振り向いて「はじめまして。ダールグリュン家ヴィクトーリアお嬢様付き執事、エドガーと申します」って挨拶をくれたから、マイスター達も自己紹介で応えた。

「さて。役者も揃ったことだし、始めようか? 砲撃番長・・・バスターヘッド、ハリー・トライベッカ」

「うすっ! よろしくお願いします!」

リング上で向かい合って、右拳同士とコツンと突き合わせたルミナとハリーが距離を取って、臨戦態勢に入った。そしてシャルが「レディ・・・ファイト!」って合図を下した。こうして闘神ルミナと砲撃番長ハリーの試合が始まった。
 
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