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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Epica7-Aそうだ、合宿へ行こう~Objective~

†††Sideヴィヴィオ†††

私とフォルセティとコロナ、そしてこの間のマリンガーデンの事件で新しく友達になれたリオ。そんなわたし達の通ってるザンクト・ヒルデ魔法学院が夏の長期休校に入ったことで、いろいろと自由な時間が出来た。でも宿題は相変わらず多いから、ちょっぴり憂鬱です。

「ねえねえ、そのノーヴェさんって人が、ヴィヴィオとコロナのストライクアーツの師匠なの?」

「師匠というかコーチというか・・・でもうん、そうだよ~♪」

リオにそう答える。強くなる。なのはママとの最初の約束を果たすために、まずは体を鍛えようとした。格闘技は心も体も鍛えるって本で読んだからだ。そしてわたしはどうしてか、誰にも教えを乞うような事しないで独りでトレーニングをし始めた。ママ達や友達を守れるために強くなろうとしてた。だからママ達から鍛えられるのはちょっと違うかな~て。

(いま思えば馬鹿な事をやってたな~)

フォルセティ伝手にザフィーラや、シャルさん伝手にルミナさんとか、すっごい強い格闘騎士が居るんだし。そんな頃、偶然わたしの特訓を見たスバルさんから基礎を教えてもらった。それから独学で格闘技の本を読んだり、いろいろやってたところにノーヴェが声を掛けてくれて、その時から時間を作ってくれては本格的に教わるようになった。

「私も一応は教わってるけど・・・。ヴィヴィオみたいに本格的な格闘技じゃなくてエクササイズレベルだし」

「まだこれからだよ、コロナ。コロナがトレーニングを始めたのはつい最近だし。最初は上手くいかないことが多くあって、辛いとか面白くないとか思うかもしれないけど。一緒に頑張ろうよ、コロナ」

「フォルセティ君・・・。うんっ、ありがとうっ♪」

コロナにちゃんと体を向けてそう伝えたフォルセティ。2人して笑顔を向け合っていたから、リオが「あれあれ~? ひょっとして2人ってそういうアレ~♪」なんて、からかうような口調で2人の顔を見比べた。

「あはは・・・?」

「うえ!? ち、違うよ!」

フォルセティは否定しなくて笑うだけ。コロナは顔を真っ赤にして慌てふためきながら否定。フォルセティは否定しないし、コロナはものすごいリアクションだしで、「あやしいな~♪」ってリオはニヤニヤしっぱなし。

「えへへ・・・?」

「違うってば~! もう~!」

完全に否定しないフォルセティに、私は何かモヤモヤした気持ちになってきた。コロナも違うって言ってるんだし、フォルセティもすぐに違うって言えるはずなのに。だから「ほら、遅れちゃうよ!」って私は少し声を大きくしてそう言って、ちょっと歩くスピードを上げて前を行く。

「ちょっ、ヴィヴィオ・・・? どうしたんだよ急に・・・?」

「え、なに? なんでヴィヴィオが怒ってるの・・・?」

背中にフォルセティとリオの困った声が掛けられたから、「怒ってないよ」って返す。怒ってる、怒ってない、なんて私にも判らないもん。コロナは違うって言ってるのに、フォルセティは笑って誤魔化してばかり。なんですぐに違うって言ってくれないんだろう。あれじゃまるでフォルセティが、コロナのことをその・・・。

「ねえ、フォルセティ。さっき、なんでコロナが違うって言ってたのに、ずっと笑って誤魔化してたの?」

後ろを付いて来るフォルセティにそう聞いたら、「えっと・・・」って言葉を濁した。フォルセティが誰を好きいなってもいいもん。もしコロナなら祝福しないと。コロナは頭もいいし、可愛いし、本格的な格闘技を習い始めたわたしより守ってあげたくなってもおかしくないし。なんて考えると、胸が苦しくなって泣いちゃいそうになる。

「答えられなかったというか、リオの話の意味が解らなくて・・・。コロナは必死に違うって言うけど、話の内容をしっかり理解していないのにそれに同意すると、コロナやヴィヴィオ達が嫌な思いするかもしれないから。リオの話がどういう意味か聞くべきだったんだろうけど、なんか聞ける雰囲気でもないような感じで・・・」

「へ・・・?」

まさかの返答にわたしは足を止めて後ろに振り返ると、フォルセティ達もピタッと足を止めた。呆けてるフォルセティの顔を見て、なんだかモヤモヤも晴れて来たんだけど、でもこれだけは言わせてね、「バカ」って。

「ええ!? なんでかいきなりバカ呼ばわり!?」

「あはは♪ ほら、早く行こう! ノーヴェが待ってる!」

そういうわけでわたし達は予定通りノーヴェの待つナカジマ邸へ。門塀を潜って庭を通り、玄関でインターホンを鳴らすと、すぐに『おう、来たな』ノーヴェの声で応答があった。開いたドアからノーヴェが出迎えてくれて、「さぁ入ってくれ」って促してくれた。

「「「「お邪魔しまーす!」」」」

そう挨拶して家の中に入ってそのままリビングに通されると、ノーヴェが「なんか飲み物用意するから、適当にくつろいでいてくれ」ってダイニングに向かった。お言葉に甘えてわたし達はリビングのソファに座ってノーヴェを待つことにした。

「たっだいま~! ノーヴェ~。ヴィヴィオちゃん達来た~?」

「ただいまっス~♪ ママりん! ヴィヴィオ達の靴があるっス♪」

玄関からそんな声が聞こえてきて、足音がリビングに近付いて来る。そして「いらっしゃい!」とリビングに入って来たのは、「クイントさん! ウェンディ!」の2人だった。

「ヴィヴィオちゃん達が遊びに来てくれるって聞いて、急いで買って来たのよ♪ スイーツスミスのケーキ各種♪」

クイントさんがソファの前にある脚の短いテーブルに白い箱を置いてくれて、ウェンディが箱を開けながら「どれを食べたいかは選んで良いっスよ~♪」って、わたし達も差し出してくれたんだけど・・・。

「おかえり母さん、ウェンディ。ケーキを配るのは良いけど、もう2人お客が来るし、それに何より新入りにまだ自己紹介もしてないから」

ガラスコップやリンゴとオレンジのジュースのパックを載せたトレイを持って来たノーヴェにそう言われて、「あ、ごめんなさい!」ってクイントさんがリオを見ると、ウェンディも「そうだったっスね~」って頭の後ろを掻いた。

「はじめま――」

クイントさんが言いかけたところで、ピンポーン♪ってインターホンが鳴った。ノーヴェが「お、来たな。はいはーい!」って玄関に駆けて行ったのを見送ると、クイントさんが「じゃあ改めて。ナカジマ家の――」って、またそこまで言いかけたところで・・・

「「お邪魔します」」

「あっ、イクス! ディード!」

新しく友達になれた元冥府の炎王のイクスヴェリアと、スバルさんやノーヴェやウェンディの妹のディードがリビングに入って来た。

「ごきげんよう、ヴィヴィオ、フォルセティ、リオ、コロナ。そしてはじめまして。イクスヴェリア・フライハイトと申します」

「あらまあ、また可愛らしい女の子が。ディードもいらっしゃい」

「はい。ご無沙汰しています」

「これで揃ったな。じゃあ改めて新入りの自己紹介ってことで」

イクスがわたしの右隣に座るフォルセティの隣に座ったところで、クイントさん達がリオやイクスに自己紹介。クイントさんはナカジマ家のお母さん。ノーヴェはナカジマ姉妹の五女、ウェンディは六女、ディードはイクスのお姉さん?になってるんだっけ。うーん、複雑だ・・・。

「――それじゃあ、ケーキを食べながらで良いから聴いてくれ」

クイントさんとウェンディが買ってきてくれたケーキ(ちなみに私はイチゴクリームのショートケーキ)を美味しく頂きながらノーヴェの話に耳を傾ける。

「新メンバーに春光拳の使い手のリオ、マネージャーとして手伝いをしてくれることになったフォルセティとイクスを迎え、ヴィヴィオの目標を叶えるために本格的に鍛えて行こうと思う」

ノーヴェの言葉にフォークを握る右手に力が入った。クイントさんが「あら、目標があるの?」って首を傾げたので、「インターミドル・チャンピオンシップ出場を目指してます!」ってわたしは答えた。

「懐かしい! 私も学生時代にメガーヌ――友人と一緒に参加したな~♪」

「おー! ママりんはどこまで進んだんスか?」

「都市本戦決勝でメガーヌと戦ったんだけど、選抜で負けちゃったのよね。・・・現在(いま)は当時よりレベルが高いのかしらね~」

クイントさんやメガーヌさんも参加したっていうインターミドル。初めは目標とはしてなかったけど、強くなったなら何かしらの実績が欲しいな~って、学院のお昼休みでそう漏らした時・・・

――年齢とかの条件があるからすぐには参加できないけど、DSAAが開催するインターミドル・チャンピオンシップに参加してみれば?――

フォルセティがそう提案してくれた。DSAAは次元世界のスポーツ競技の運営団体の1つで、インターミドルは全部の管理世界の10歳から19歳の魔導師が参加できる公式魔法戦競技会だ。地区の選考会の結果で組み合わせを決めて、ノービスとエリートの2クラスで予選をして地区代表を決める。そこからミッド中央部17区で選抜された20人と、前大会の都市本戦優勝者の計21人で都市本戦をやる。そしてミッド各都市本戦の優勝者から世界代表を決める、とても大きな競技会だ。

(正直、いきなりそんな大きな競技会に出るのは恐れ多いけど・・・)

――ヴィヴィオは努力家で頑張り屋だから、今からしっかり練習を積めば良い成績を残せると思う。もし参加するなら僕に出来る範囲で手伝うよ――

フォルセティがそう言ってくれたから、わたしは出場を決めた。フォルセティの期待を裏切らないようにしたいなって思う。

「予選開始は来年の7月。残り11ヵ月であたしに考えうるあらゆる特訓で、ヴィヴィオとリオを鍛えるつもりだ。コロナはまだ決めかねているみたいだから保留だ」

「えへへ、ごめんね。今はまだ自信がそんなになくて。フォルセティ君も、支えてくれるって言ってくれてたのに・・・」

コロナは優しいから、わたしに付き合ってくれてるんだよね。でもコロナだって魔法がすごいから、そこを伸ばせばきっとすごい選手になれると思う。でも今は「大丈夫だよ」って微笑むフォルセティに倣って、「うん、焦らなくていいよ」って言ってあげたい。

「そう言えばインターミドルって、デバイスが必要だったんじゃなかったんスかね~?」

「あらウェンディ、よく知ってるわね。インターミドルの参加資格は3つ。10代であること、クラス3以上のデバイス所し装備すること、コーチとセカンドが居ること」

デバイスが必要っていうことに、判っていてもドキッとする。ウェンディが「ヴィヴィオ達は持ってるんスか?」って聞いてきて、真っ先にリオが「はいはい! 持ってまーす!」って挙手した。ウェンディとリオがチラッとわたしを見てきたから、「持ってません・・・」って肩を落とした。

「なのはママが、基礎も済んでいないうちにデバイスなんか要りません、って・・・」

「あら~。なのはちゃんは戦技教導隊のエースだから、魔法に関してはやっぱり厳しいというかしっかりとしてるのね」

「そうなんです~」

「ま、まあ予選まで1年近くあるんだ。その頃にはなのはさんも、何かしらの事はしてくれるはずだ。もう伝えてあるんだろ? だったら安心しても良いと思うぜ」

「はい」

「・・・で、だ。ここまで偉そうな事を言ってきたが、あたしはちゃんとしたコーチでもトレーナーでもない半人前だ。だから至らないこともあると思う。でも頼ってもらえた以上、半端な指導はしたくないから、必死に勉強をする。だから・・・お願いします!」

ノーヴェが真剣な顔でそう言ってくれたから、わたしとリオは「お願いします!」って応えて、クイントさんとウェンディが「おー!」って拍手して、ディードも「素晴らしいです、ノーヴェ姉様」って拍手した。

「あぅ、やめてくれよ母さんも・・・。えー、なんだっけ。あーそうそう。今日ここに呼んだのは、夏休み中に遠出をして、合宿をしようって思ってな」

「「合宿!?」」

その言葉の響きでテンションが一気に上がったわたしとリオ。コロナが「すごいジムとかですか?」って聞くと、「生憎とそんな金はあたしは無い!」ってノーヴェが断言した。

「ジムで鍛えるのも良いけどさ。あたしはお前たちには自然の中で、自然に鍛えられる筋肉を付けさせたいわけだ。というわけで。母さん!」

「はいはーい!」

クイントさんが空間モニターを展開して、すぐに『どうも~。メガーヌ・アルピーノです♪』って、クイントさんの話にも出てたメガーヌさんが映った。

『娘のルーテシアと♪』

『リヴィア~♪』

さらにモニターの画面下から飛び出してきたのはルールーとリヴィの双子だった。メガーヌさん達アルピーノ家は今、無人世界カルナージに住んでて、ノーヴェの言う自然というか、大自然に覆われたとっても綺麗な世界(ビデオレターでしか見たことないけど)だ。異世界なんて、なのはママや八神司令、アリサさんにすずかさんの出身世界・地球に行ったっきりだよ。メガーヌさん達と初めて顔を合わせたコロナ達が自己紹介するのを見届けて、話を本題へ。

「つうわけで、カルナージの大自然に揉まれながら体を鍛える。メガーヌさんにはOK貰ってるからな」

『ご期待に添えられるほど整った施設も設備もないけど、大切なお客様をおもてなしするわ♪』

『ホテル経営を計画しているからね。それにヴィヴィオ達のためにトレーニングアスレチックも、すぐには無理だけどどんどん造ってく予定♪』

『ホテルの目玉が必要だしね~♪ 近くには大きな川もあるし、そこで泳げばいい感じのスタミナや筋肉が付く!と思う』

そう力説するルールーとリヴィ。ホテル経営の話は以前の通信でちょこっと聞いてたけど本気だったんだ。カルナージへの到着、宿泊日数はいつでもいつまででも大丈夫ってことで、日程はこれからそれぞれの家庭と話して決めることになった。

「合宿参加の許可を貰ったらあたしに連絡してくれ。ご両親に直接ご挨拶をしないといけないからな」

「「「「「はいっ!」」」」」

たぶんわたしとフォルセティは二つ返事で許可してくれそう。イクスも、シャルさんならすぐに許可しそうだし、というか一緒に付いて来そう。コロナとリオはどうだろう。一緒に行きたいな~。

『皆さんのお越しを――』

『『『お待ちしております!』』』

†††Sideヴィヴィオ⇒フォルセティ†††

ナカジマ邸で合宿の話を聞いて、そのまま解散となったから僕たちもそれぞれ家路に着いた。海辺がすぐそこっていう僕の家が見えて来て頃、庭にあたる砂浜を見て「あれ?」っていつもと違うことに気付いた。

「スタンディングバック・・・?」

打撃訓練用の器具が建てられていて、側には「ヴィータお姉ちゃんとザフィーラ」が居た。僕は2人の元へ駆け出しながら「ただいまー!」って挨拶をした。

「おう! おかえりフォルセティ!」

「ああ」

僕を迎えてくれた2人にスタンディングバックや、さっきは見えてなかったキックミートもあって、ソレを指差して「どうしたの? ソレ」って聞いてみた。

「ん? ああコレか? ほら、時々近所の子供に格闘技の指導やってんだろ? 最初は本格的な事はやるつもりはなかったけどさ。これが結構評判良くて親御さんからも、是非とも御指導を、なんてお願いされたからな。だったらあたしとザフィーラもやってやろうってさ」

「そうなんだ~」

「そういうわけでさ、フォルセティ。お前もやらね? お前も何気に筋が良いしさ。セインテストってやっぱそういう血筋なんかね~」

ヴィータお姉ちゃんに一緒に格闘技をやろうって誘われたけど、「ごめん。僕はいいや」って断った。僕は格闘スタイルじゃなくて魔導師スタイルを目指してるからだ。体を鍛えることは間違ってないって判ってるけど・・・。

「あぁ? お姉ちゃんが一緒にやろうって言ってるんだから答えは、うん良いよ、だろ?」

「ええー? ヴィータお姉ちゃん、さすがにそれは横暴だよ~」

左腕を僕の肩に回して、右拳で僕の頭をグリグリするヴィータお姉ちゃん。そんな僕とヴィータお姉ちゃんを見てたザフィーラから「察してやってくれ、フォルセティ」そう言われたから小首を傾げた。

「ヴィータはもっとお前を構いたいのだ。最近はお前もよく出かけていて、なかなか遊んでやれなかったと寂しいのだ。姉心というやつだな」

ヴィータお姉ちゃんやザフィーラだけじゃなくて、シグナムお姉ちゃんやシャマルお姉ちゃん、アインスお姉ちゃん、リインお姉ちゃん、アイリお姉ちゃん、アギトお姉ちゃんもみんな、僕を本当に大事にしてくれる。それを改めて思う。

「ちっ、違ぇ・・・くもねえけど! たとえ魔導師目指してても、やっぱ男ならまともに鍛えてねぇもやしっ子でいちゃいけねえって!」

「照れることはないぞ。我々は家族なのだ。愛情を隠すことなく素直に伝えてもおかしくはない」

ザフィーラの話に僕はヴィータお姉ちゃんの両手を取って、「ありがとうヴィータお姉ちゃん! 大好き! 誘ってくれてありがとう!」って、いつも感謝してるって思いを伝えた。

「っ! お、おう! あたしもなんだ・・・、お前のこと好きだぞ」

「あ、でも一緒にはトレーニング出来ないよ。来年のインターミドルに向けて特訓するっていうヴィヴィオ達の手伝いをするし」

ヴィータお姉ちゃんと両手を繋いで笑い合いながらそう伝えると、「うおい! この流れだとあたしらに付くもんだろ!?」って言って、僕の両手を振り払ってヘッドロックを掛けてきた。

「いたたた! お姉ちゃん、痛い!」

「お前とヴィヴィオの関係は理解しちゃいるし、学校の友達との時間も大事だって思うが、もうちょい家族と遊んでくれ!」

「あぅ~。あっちが先に決めた事だったもん~」

そういうわけで、僕はザフィーラとヴィータお姉ちゃんの作るトレーニング教室への参加は、ヴィヴィオ達とのトレーニングが無い時だけってことで決まった。それから夕ご飯までの間、2人の指導の下、僕は足場の悪い砂浜での走り込みやミット打ちをやった。そして夕ご飯の時、家族が揃ってる席で合宿の話をしてみた。

「ほうほう、カルナージで合宿か~。合宿。懐かしい響きやな~♪」

お母さんが「泊まりの許可なら出すよ。な? ルシル君♪」ってお父さんを見ると、「もちろん。メガーヌさんが居るなら不安は無いよ」って頷いてくれた。お父さんやお母さんやお姉ちゃん達、なのはさん達も昔、メガーヌさんやクイントさんにお世話になったってことで、とても信頼してる。

「合宿に行くメンバーはいつもの子たちなのか?」

「あ、うん、アインスお姉ちゃん。コロナとリオとイクスは、家族の許可待ちだけど・・・」

「シャルちゃんは結構甘いから、すぐに許可を出して、さらには合宿まで付いて来そうね」

シャマルお姉ちゃんの話にみんなが笑って同意してる中、僕は「あ、そうだ!」ってお父さんに伝えておかないといけない話があったのを思い出した。

「お父さん。都合が合えばお父さんも合宿に付いて来てほしいって、メガーヌさんがお願いしてたよ。なんか、男手を借りたいとかって」

「男手って・・・ガリューだけじゃ足りないってことなのか?」

アギトお姉ちゃんがフォークを加えながらそう呟くと、「礼儀が悪いぞ」ってシグナムお姉ちゃんに叱られた。

「そうなのか。じゃあスケジュールを考えてみるよ。合宿の日程が決まったら教えてくれ。フル参加は出来ないかもしれないが、1日くらいはなんとかなるだろう」

「うんっ! ありがとう、お父さん!」

ヴィヴィオ達を支えるサポーターとしてもっと力になるためには、ノーヴェが言ってたみたいにもっと勉強しないと。僕にしか出来ないサポートがなんなのかを考えながら、予定とかまだまだ決まってない合宿旅行に思いを馳せた。
 
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