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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0180話『長月と紅葉集めと焼き芋』

 
前書き
更新します。 

 



私は今現在、鎮守府の外れの方で長月とともに紅く染まっている紅葉の葉を集めていた。

「司令官、こんな感じでどうだ?」
「ん。いいんじゃないか?」

長月に呼ばれたので見てみれば麻袋の中には大量の紅葉が入っていた。
私の方も結構溜まったのでこれくらいでいいだろうという感じで、

「それじゃ皆のところへと持っていくか」
「了解だ。しかし芋を焼くだけなのにこんなに必要なのか……?」
「まぁ、人数はいるからな。他の場所でも集めてもらっているしな」

そう。なぜ紅葉の葉を集めていたかというとみんなで焼き芋を作るためなのだ。
白露型の皆とかが私服で焼き芋を食べている光景を見て感化されてしまったらしいのでこうして私まで駆り出される始末になってしまっていた。

「文月とかは楽しそうだったからいいが、みんなが太らないかが心配だな」
「そこまでみんなも食い意地は張らないだろう、多分……」
「なんだ。司令官もあんまり信じていないんだな」
「そうじゃないんだけど、ヘルシーな秋刀魚を食べていて代わりに焼き芋を食べて太ったら自己責任でダイエットしてもらわないといけないなと思ってな」

それをすると文字通り阿鼻叫喚の地獄絵図が再現されるんだよな。潮とかが泣きながら走ってそうで……。
でも長月は体調管理はしっかりしてそうだよな。

「ん? まぁな。私は人一倍気を付けているつもりだからな」
「声に出していたか……まぁ、でも長月は真面目だからな」
「ふふん、まぁな」

それでどこか誇らしげに笑う長月。
その笑みが似合っているだけにどこか憎らしくもあったりする。

「さ。それじゃさっさと持っていこうか」
「そうだな」

それで長月とともに荷台に積んで紅葉の葉を運んでいく。
そして私達を待っていたのか睦月が、

「おーい、提督ー、長月ちゃーん! もうみんなが集まっているから早く来るにゃしぃ!」
「「おー」」

それでどこか睦月のセリフで癒されながらも運んでいった。
それで各所から集められた葉っぱを見て、

「うん。いい感じに集まったんじゃないか……?」
「それを一気に消費しちゃうんだから豪快だよねー」
「まぁ焼き芋の為だ。疾く犠牲になってもらおうじゃないか」

睦月型のみんながそれでわいわい騒いでいる。
ところで菊月さん? あなたはいつから王様になられたのですか?
そんな感じでお芋と言ったら吹雪型のみんなだろうという認識は間違いではないらしく、

「みなさん。お芋を持ってきましたよ」
「ありがとう、白雪」
「いえ、吹雪型の部屋にはなぜかお芋がよく残っているのですけどみなさんは食べないのでしょうかと心配になってしまいます」

どこか困った感じの白雪の姿を見て、私は思った。
やっぱりどこかで芋っぽいっていう風評被害にあっているんじゃないかと……。

「ヘーイ、テートク! こっちもいろいろと持ってきましたネー」

そう言って戦艦組も色々と焼けそうなものを持ってきていた。
闇鍋じゃないんだぞという言葉がどこかに行ってしまいそうだな。

「みなさん。火事にだけは注意してくださいね?」
「わーかってるって、大淀さん」

深雪がそれで反応を返していた。

「しれー、楽しみですね!」
「おいもー、時津風も早く食べたいよー」
「もう少し待とうな」

続々と集まってくるので収拾がつくのか不安になってきたな。
まぁ気のせいだろうと思い込んでみんなでホイルにお芋やキノコにバターを添えて網で焼くスタイルなど色々とやりそうな雰囲気になってきたので少しだけど楽しみになって来ていた。

「おーい、提督。そろそろつけるぜ?」
「天龍ちゃん、気を付けてねー?」
「おう。任せろ龍田」

それで天龍が火をつけて一気に集めた葉っぱ全体に燃え移った。
そして燃えている葉っぱの近くで寒くなってきたのか暖炉代わりに当たっている子も何人かいる。
まぁ一気に寒くなったからな。
先週までまだ半袖でも平気だったんだけど一気に昨日から寒冷前線が入り込んできたからな。
場所が場所では耳を触りあっていたりしているから寒いんだろうな。

「そろそろみんなも冬服に衣替えの時期だな」
「そうだな司令官。これからもっと寒くなるからな」
「長月もなにか暖かい服装に着替えた方がいいな。普段のだったらもうこれからは寒さに耐えられないだろう……」
「そうでもない……と言いたいところだが確かにな。わかった、後で酒保で何か上着を購入するとするよ。海にだればより一層寒いはずだからな」

それで長月も寒いのか手をこすり合わせていた。
そうだな……。

「長月。それじゃ今日の贈り物は手袋でもするか?」
「ん? ああ、そうだったな。今日は私の進水日か」

それでようやく思い出したみたいな感じの長月は「そうだなー」と言った後に、

「それじゃ上着でも頼むとするか。いいよな、司令官」
「ああ。それじゃ今日は午後になったら酒保に行ってみるとしようか」
「ああ。楽しみだな」

そんな話をしていると長月に抱きつく感じで文月が「いいないいなー」と言っていた。

「文月ちゃん。今日は長月ちゃんの進水日だから譲ってあげなさい」
「はーい」

そう言う如月もどこか羨ましそうである。
うー……そんな顔をされると買ってあげたいじゃないか。
でもここで甘えさせたら他のみんなも集ってくるからここは我慢だぞ!
そんな感じで時間も経過していたのかいい感じに焼き芋とかが焼きあがっていたのでみんなで分け合って焼き芋を消化したのであった。
うん、久しぶりに食べるけどやっぱりうまいものだよな、焼き芋は。

「はい、睦月ちゃん。あーん」
「あーん! うん。美味しいにゃしぃ。はい、今度は如月ちゃんだよ」
「わかったわ」

そんな光景も見ていて、

「本当に仲が良いよなー」
「まぁな。あの二人は元の世界ではひどい扱いされたから余計にって感じなんだよな」
「あ、もしかしてアニメの事を知っているのか……?」
「まぁそこそこはな。だからか大体あの二人は一緒にいるのが普通なんだ」

そんな、どこか羨ましそうな表情をする長月に、

「混ざっていかないのか?」
「いいんだ。私は眺めている方が幸せを感じられるからな」
「そっか」

そんな感じで秋の風物詩もまた一つ消化した日だった。


 
 

 
後書き
今回は長月の回でした。
いい感じに寒くなってきましたよね。皆さんも防寒の準備をしましょう。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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