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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0179話『綾波の気持ちとサプライズ』

 
前書き
更新します。 

 




私、綾波は本日は司令官にお付きになろうと思いました。
それはただの気まぐれですけど司令官ならきっと気づいてくれるだろうと思ったからです。
それでみんなにも相談しようと思ったのですけど、なぜか今日は誰とも会わないのがすこっ不思議に思っています。みんなどこに行ったのでしょうか……?
まぁそれはいいとしてそれで執務室へと顔を出しに行くと司令官はやはり秋刀魚漁関係で各所から連絡を受けているという光景がありました。
でも一通り本日の任務をチェックし終えたのでしょう、司令官は私がドアから顔をのぞかせているのに気づいていたのか笑みを浮かべて、

「どうしたんだい綾波?」
「あ、あの……気づいていたんですか?」
「まぁ、視線は感じていたからな」

それでばれてしまったのなら仕方がないと私は思って素直に執務室の中に入っていきました。
そして司令官は私に聞いてきました。

「それで綾波は本日はどうしたんだい?」

司令官は私の思いを知ってか知らずかそう聞いてきます。
知っているんですよ?
司令官は進水日の日には必ず贈り物をしているのを。
まぁ、期待している私も厳禁だとは思ってしまうんですけどそれでも司令官から贈り物をもらいたいです。
でも、自分から言うのも何か違うと思ってはぐらかす事にしました。

「あの、本日は司令官のお手伝いをしたしと思いまして参上いたしました」
「そうか。それじゃ今日は秘書官になってもらってもいいか?」
「はい! 綾波にお任せください!」

少し嬉しくなったのでそう答えました。
それから私は司令官と一緒に任務の内容などをチェックしていきます。
どれもこれも秋刀魚漁関係のもので司令官は大変そうだなーと思う始末です。

「ところで綾波。最近の姉妹艦の仲はいい方かい?」
「え? あ、はい。いい方だと思います。狭霧さんと天霧さんが来てから綾波型のみんなはより楽しく過ごすようになっていますのでまだ実装されていない『朝霧』に『夕霧』がいつか来るのをみんな楽しみにしているんです」
「そうか。それならよかった」

それで司令官はニッコリと笑みを浮かべます。
何で司令官はそんな事を聞いてくるのでしょうか……?
こんな話は前にも話したと思うのですけど、

「綾波も長女としては妹が増えるのは楽しみだもんな。いつか、みんなが揃うといいな……」
「綾波もそう思います……」

そんな感じで司令官と一緒にいつか来るだろう二人の事を思っていると、

「それじゃもう一つ。今いる姉妹たちの事をどう思っているか聞いていいかい?」
「え? いいですけど……司令官、なにか企んでいませんか?」
「いや別に。ただ綾波の気持ちが知りたくなってな。興味本位だから気にしないでくれ」

なにか司令官の考えがあるのでしょうけど、仕方がないですね。それに乗ってみましょうか。
それで私は一人ひとり頭にみんなの顔を思い浮かべながら思案します。

「まずは……そうですね。敷波ちゃんでしょうか。敷波ちゃんはいつもつっけんどんな態度を取りがちで少し素直じゃない子ですけどとても根はいい子なんです。綾波型二番艦としても私の事をいつも手伝ってくれますからとても優しい子ですね」
「そうか。敷波は綾波の中ではそんな感じなんだな」

そう言って司令官はなにかメモをしていますけど、なんでメモを取る必要があるのでしょうか……?まぁ気にはしませんけど。

「お次は朧ちゃんですね。朧ちゃんは第七駆逐隊のまとめ役みたいなものでお姉さんな感じの雰囲気を纏っていますけど、それでもどこか達観しているような感じです。でも、姉妹の事を思う事に関しては人一倍強い子ですから私も朧ちゃんの事は大好きです!」
「ふむふむ……」
「そして次は曙ちゃんですね。曙ちゃんはいつも司令官の事をクソ提督と呼んでいますので口が悪いのはもう司令官も知っている事だと思います。ですが曙ちゃんはそれはただの照れ隠しみたいなものだと私は感じます。だって、たまに曙ちゃんは司令官と話す時は笑みを浮かべる事がありますから。だから私としましては素直になってほしいところですねー」
「ふふ……。なるほど、曙はそんな感じか」

それで司令官は笑みを浮かべていました。
ううー……何やら少し話していて恥ずかしくなってきますね。

「それじゃ続いていこうか」
「あ、はい。お次は漣ちゃんですね。漣は綾波型のムードメーカー的な存在ですね。いつもなにか面白い事があると首を突っ込んでいる感じですのでお姉ちゃんとしましては少し心配ですね。ですけど漣ちゃんは他人の気持ちを尊重できる子ですので無茶な事は言わないのが取柄です。いつも誰か気持ちが沈んでいたらその個性を使って勇気づけていますから」
「そうか。確かに漣はいつも場を盛り上げてくれるからな。その評価は妥当か」
「そしてお次は潮ちゃんです。潮ちゃんは少し自信がない子ですけどいざという時の動きには目を見張る時がありますね。それで私も何度も助けられています。潮ちゃんは綾波型では珍しいタイプの子ですけど私も潮ちゃんの事が大好きです」
「そうだな。潮は改二になってから少し自信がついたようなイメージがあるからな」
「はい。だから信頼もしっかりとしていますよ。それではお次は狭霧さんですね。狭霧さんは過去に早く沈んでしまった事もあって少し弱気な感じですけど、とても献身的で頑張り屋さんです。だからいつか大きく羽ばたいてほしいですね」
「そうか」

そう、狭霧さんは過去、開戦後まもなく沈んでしまってあまり接触する機会も少なかった子ですから実装されて嬉しかった記憶を持っています。

「そして最後は天霧さんですね。天霧さんは少し男の子っぽい感じで性格も壮快な感じです。でも時折見せる女の子な姿がとても可愛らしいと感じています。私も天霧さんのようにもっと元気な感じになりたいですね。
……とまぁそんな感じですね。私の姉妹たちのプレゼンは以上です」

それで私は全員の事を話し終えて少しすっきりとしていると司令官はさらに笑みを浮かべます。

「そうか。綾波は姉妹たちの事を大切に思っているんだなぁ……」
「はい。大事な妹たちですから!」
「だそうだ、みんな」
「え……?」

私は司令官のその言い方に違和感を持ちました。
みんなって……まさか!?
そしていきなり執務室のクローゼットが開いてみんなが飛び出してきました。
なんでぇ!?

「ぷはぁ……少し苦しかったですねぇ」
「潮ぉ……最近やっぱり太ったんじゃない?」
「そ、そんなことないです!」
「まぁまぁ……」
「天霧さん、大丈夫でしたか?」
「ああ、大丈夫だ狭霧」

みんながそれぞれ言葉を発していますけど私には少し聞こえてきませんでした。
もしかして、私の発言が聞かれていた?

「し、司令官?」

それで藁にも縋る思いで司令官に涙目で訴えました。

「まぁ、だましている感じで悪かったな綾波。今日は綾波の進水日だからみんなが綾波の気持ちを知りたいっていうからこんな感じになったんだよ」
「「「綾波姉さん、進水日おめでとう!」」」

そう言ってみんなは私にプレゼントを渡してきました。司令官からももらって嬉しいんですけど……。
私、嬉しさと恥ずかしさがこみ上げてきてどうにかなってしまいそうです。
みんなは口々に私の言った事を取り上げては嬉しそうに笑みを零していまして、なんと言いますか穴に入りたい気持ちです。
でも、みんなの気持ちがとても嬉しかったので、

「はぁー……癒されます。感謝ですねー」

最後には無理やり私はそう締めくくりました。


 
 

 
後書き
綾波の進水日という事でこんな感じに書いてみました。
少し無理やり感がパナイですね。まぁ楽しければいいのです。




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