| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ランス ~another story~

作者:じーくw
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第3章 リーザス陥落
  第101話 真なる王






 ランスとリアの盛大なお仕置きも時間はそれなりにかかったがどうやら終わった様子だ。今はあまり悠長にしていられる時間はない、と言っているのに かける時間が長すぎると不満顔のかなみ。でも 口に出しては言えないのは仕方ないだろう。主君の前であるから。

 因みにランス以外の元凶とも言えるサヤはと言うと、ランスとリアのフルコースを受けていて、高飛車だった感じは最早見る影も無かった。更には全裸にされたままで、ぴくぴくと全身を痙攣もさせて、口元には涎、白目をむいていた。

 性格は兎も角 容姿は端麗とも言える顔が完全に崩れ去っていたと言える。今の自分を見たらきっと発狂するだろうけど、これこそが自業自得と言えるのでこのままにしておこう。

「彼女はこのまま牢屋に繋いでおきましょう。……この処遇はまた後ほど」
「あ、いつの間にか裸じゃなくなってるじゃないか。マリス」
「こんな事もあろうかと、服を持ってきておいたの。……本当に無事で良かった」

 マリスがすっかりと服を纏ってる事にランスは不満顔だったんだが、今はそれどころじゃないから かなみは何も言わなかった。リア自身もすっかりいつもの調子に戻っている。お仕置きを喜々としてやってたから それが何よりの活力剤やら精力剤やらになったのだろう。

 服もすっかりと元通りに戻していた。

「わーい! 久しぶりのお外っ お外っ♪ るんるんるん♪」
「やれやれ、これでオレ様の任務も終わりだな。まったく長い任務だったぜ」

 もう終わり! と言わんばかりの様子なランスだが、それは違うとかなみが声を上げる。

「馬鹿! まだでしょ!! カオスを見つけて 魔人を……! ユーリさんの所に合流しないと!」
「ふん。馬鹿者が。オレ様の下僕ならその程度軽く熟すだろうが。いらん心配ばかりして、これだからへっぽこは。……だが、カオスとやらは可愛い子って可能性も大いにあるから必要だったな」

 随分と昔の話を覚えてるランス。それはカオスは実は女の子じゃ? と言う馬鹿な妄想。……ランスはエロに関しては記憶力が異常なまでにあるから。
 かなみは、ランスに食って掛かろうとしかかったのだが そのセリフの中のユーリを信頼しているかの様な部分が頭の中に残り、言葉をどうにか飲み込んだ。

「魔人に対抗する力を持つカオスは、今も封印の間にある筈です。あれはリーザス王家の血を継ぐリア様と聖武具なしには辿りつけない聖域にありますから。如何に魔人とは言え…… いや 魔人であるからこそ、手に入れる事は不可能なのです」
「んじゃ そこ行くぞ。さっさとな」
「はーい! ダーリンっ!」

 そう、全ては カオス。……そこから始まるのだ。……全てが。


「……ユーリさん。どうか 無事で……」


 全てが 此処から――始まる。








 ランス達は牢獄を抜け、リーザス城1Fへと足を踏み入れた。
 
「お……」

 小さな扉を押し開けると、煌びやかな城内である事を確認出来た。

「よーしよし、ようやくだ。黴臭い所から抜け出せて清々するぜ」
「あー、この空気 久しぶりー。ねぇねぇダーリン! 私のお部屋にいこ! それで昔のアルバムとか見ようとー」
「んな事やってられる場合か。……ふん。派手に暴れてるみたいだな。オレ様を差し置いて 目立ちやがって」

 城内が騒がしいのは一目瞭然。いや 地震でも起きているのかと思える程揺れている。
 最初こそ陽気な声を上げていたリアだったが、城内の様子をその身で感じ、表情を強張らせていた。

「あれは……、リア様!!」
「リア様! よくぞ、よくぞご無事で!」

 駆け出してくるのは レイラとメナドの2人だった。

「あ、レイラにメナド。ご苦労様」
「今まで、お助けに上がるのが遅れ……、本当に申し訳ございませんでした」
「本当に、本当に……」
「2人とも。今はまだすべき事があるでしょう? 全て終えてからです」

 リアに跪く2人を 起こす様に告げるのはマリスだった。そして リアもそれに従う様に。

「そう、マリスの言う通り。この騒がしいの全部終わらせてからよ。………」 

 すっと頭上を見た。
 一際衝撃音が聞こえてくるのは、その震源地は間違いなく 謁見の間である事。そして そこにいるのは間違いなく、魔人であると言う事……。それらが容易に予想がついた。





 つまり、一刻も早く カオスを手に入れないといけない。

「先ずは 手短に詳しい状況をお願いします。外の状況は?」
「はい。城下町は モンスター達を中心に非常に危険な状態が続いておりましたが、それはほぼ制圧しました。ヘルマン軍も理由があり、現在投降している状況です。ヘルマン側の武将 トーマが我々の側についたと言うのが 一番の理由でしょう」
「………人類最強と名高いあのトーマがこちら側に……?」

 流石のマリスも、それに関しては驚きを隠せられない様子だったが、今はそれどころじゃないので、直ぐに気を取り直す。

「申し訳ございません。敵将ではありますが、彼は捕縛する事なく 最前線で戦わせております。……相手が魔人である為」
「そうですか。……リア様」
「うん。大丈夫。……トーマって男は、無害だって言うのは耳に入ってたし。今だけは眼を瞑るわ。処遇云々は全部終わってからね」

 牢獄に閉じ込められてたリアだが、その獄中のヘルマンの兵士達の愚痴は訊いていた。

 曰く この場にいれば マリスを、そしてリアも犯す事が出来る。
 曰く 上(恐らく城下町も含めて)では 女を犯す事が出来ない。
 曰く トーマの指示には流石に逆らえない。

 それらの話を訊いていたから。

 そして 何より トーマと言う男の戦力は知っている。

「魔人側とヘルマン側に亀裂が入った、という事で間違いないでしょうか」
「はい。恐らくは……としかいえません。魔人がただの1人でさえ 戦線に来ていない事から、想像が出来ます。……或いは何かを、狙っていると言う可能性も……」

 魔人サイドがカオスを狙っている事は判っていた。

 だが、そうならば ここまで入ってきた解放軍を全滅させ、聖武具を回収し、カオスの元へと向かうのが早いだろう。なのに 魔人が参戦してくる気配はなかったんだ。そこに強い違和感を感じていたが、今は進むしかない。

「とりあえず早くリアの部屋へ行こ。あ、多分だけど 上で戦ってるのはユーリさんよね? ダーリン」
「あん? まぁそうだな。オレ様の下僕だ。言いつけをちゃんと守ってるのであれば、この城に来てる筈だ。リアを助ける間にてきとうに時間稼いでおけと言っておいた」
「さーすがダーリンっ! ユーリさんだったら魔人相手だって十分時間くらい稼げるわよねー? なんたってダーリンの下僕なんだもんね!」
「り、リア様……」

 かなみは心配そうにリアの方を見た。
 それを感じたマリスはそっと耳打ちをした。


「判ってますよ。……かなみ。ですから貴女はユーリさんの元へ。現状の確認と 私達が救出された事をどうにか伝えてください。その間に我々でカオスを手中に入れます。良いですか。決して無理はしない様に。……現状で魔人に抗う術は カオスのみなのですから」

 ユーリの実力は判っていても、魔人相手にはいくら何でも無理だと言うのがマリスの判断だった。
 基本的に人間界に伝わっている範囲ではあるが、魔人のレベルは最低でも90は超えている。しかもそれは下級魔人と分類されるレベルでそれだ。……基本的に魔人は100を軽く超えていると言われており。現人類で匹敵すると思われるのが不明レベル値と言うよく判らないレベルを持つユーリだけだ。だが、用途は不明であると訊いている為 そこを期待は出来ないだろう。
 そして 何よりも厄介なのが魔人固有の能力の1つ。絶対とも言って良い能力の1つが無敵結界の存在だ。
 その結界の前には 如何なる力も無力になってしまうのだ。歴代の英雄と称される人類の戦士も 最後にはその無敵結界の前に敗れ去ったと言う事実も残っているから。

「……よろしく頼みましたよ、かなみ」
「……はいっ!」

 かなみは 力強く頷くと 素早くその場を後にした。

「む? かなみは何処へ行ったんだ?」

 ランスもそれに気づいたが、マリスが制する様にランスの前にたった。

「かなみには伝令を頼みました。……まだこの城内には 親衛隊たちもおりますが、散らばっている状態です。分散した戦力を集中させましょう。……その間に私達はカオスの元に」
「ほうほう。盛大に暴れてる隙にサクっとカオスとやらを手に入れ、格好良く魔人をオレ様が成敗して、大勝利、と言う訳だな?」
「はい」

 マリスはニコリと笑った。ランスも気を良くした様だ。

「がはははは! おお、そうだったそうだった。魔人の中には サテラと言う女のコもいたな。散々してくれたお仕置きをしないといけないなぁー」
「ぶーっ ダーリンっ! お仕置きなら私にしてよー!」


 ランスとリアは移動を開始した。
 それをニコリと笑顔で見届けた後、マリスは表情を戻し、かなみとレイラの方を見た。
 肝心な事を指令する為に。


「レイラ、メナド。……頼みましたよ」
「「了解しました」」


 それは、重大な任務。カオスを手にするまでの時間稼ぎと この上で今も懸命に戦ってくれている戦士達を助ける為の。マリスの視線を見た2人は 痛いほど伝わってきた。正直、直接言いはしないが マリスは常にリアを第一に考えているのは 周囲にもよく判っている。リアに接するその姿勢を見れば一線をも容易く、笑いながら超えそうな勢いなのだから。
 そんなマリスなのだが、今の視線は全く違った。

 まるで―――そう、もう1つ(・・・・) 大切なものが出来た。

 と言わんばかりのものだったから。
 そして、リアの為ならば何だって賭けられる。命であったとしても歯牙にもかけない。その強い信念が視線に宿り、震天動地を起こしているかの様な衝撃の根源へと向けられていた。

「(……マリス様も、ユーリさんの事……)」

 かなみが直観出来たのも、こういう事は今まで何度もあったからと言う理由が一番大きいだろう。だが、今回は少しだけ違った。いつもは 嫌な気持ちになる事が多かったのだが、マリスに至っては違った。今までの皆の感情のそれとは違って見えたから。

 
 そんなマリスの視線に見送られ、かなみとレイラは先を急ぐのだった。


「……私はリックと清十郎さんたち 解放軍の所へ。合流次第、上へと向かいます」
「はい。私は ユーリさんの元へ。……忍者ですから 気付かれない事、隠密には慣れています。そして どうにか現状をお伝えします」
「頼みます」
「こちらこそ」

 レイラとかなみの2人は、進む道を分かれた。

 心強い援軍を求める。
 最愛の人の元へ。

 其々の目的地へと向かって駆け出していったのだった。

























 そして、震天動地を起こし 城全体を震えさせるほどの衝撃を生み出していた場所。

 それは 言うまでもないが 魔人と人間の衝突で起こった現象である。

「二刀煉獄・斬光閃」

 ユーリは 額から血を流しつつも 決して怯まず 退かず 己の信頼する武器 2刀の剣を振るう。
 その二つの刃は空間を斬り割きながら 魔人ノスの顔面へと向かっていく。竜族の魔人は 身体に人間とはくらべものにならない程の強靭な皮膚を纏っていて、無敵結界など無くとも鉄壁と言っていい防御を誇っている。そう今まで戦ってきた魔人とは比べものにはならない。
 人間から魔人になったであろうサテラやアイゼルの2人とは。

 ノスは余裕を持って正面から真空の刃を見据えた。

「ぬん!」

 そして 剛拳が1つの鎌風を屠り去ったのだが、巧みに隠したもう1つの斬撃には反応出来なかった様だ。全く同じ軌道上にある刃。2撃目の攻撃を的中させる為の布石として放つのが1撃目の刃なのだ。

「ぬ!」

 振り抜いた拳を縫って現前に迫る。……が 刃は何か見えない壁の様なものに阻まれ、消失した。

「ちっ……!」

 阻まれた原因は竜族の持つ強靭な皮膚……ではなく無敵結界。魔人が持ちうる絶対的防御だ。

「ぬああ!!」

 そして、共闘をしているトーマも全力で攻勢に打って出た。ヘルマンの黒鎧をも容易く砕くノスの攻撃を何度も被弾しながらも、決して衰える事の無い勢いで。ユーリの様に所々に出血も視られるが一切構う事がなかった。ノスのその頭上に戦槌を振り下ろす。
 だが、それも盛大な轟音と衝撃波を引き起こしても、その身体そのものにまでは届かなかった。

「トーマ! 後方へ跳べ!!」

 咄嗟にユーリが声を上げたのは、ノスの手に光の輝きが発生したのを見た為だ。
 肉弾戦を好むとされている魔人の中でも好戦的な部類に入るノスだが、その実、魔力の方に関しても非常に強い。グレート・ファイヤーボールを初めとする、人間では凡そ使う事が不可能な魔法を容易く使用しているのだから。

 トーマもユーリの声に反応し、素早く跳躍。そのトーマがいた場所には 轟音と共に天井にまで達する程の極大の火柱が立ち上った。如何にトーマと言えども喰らえばただでは済まないだろう。

「すまぬ、ユーリ」
「礼は終わった後にしろ。幾らでも受けてやる」

 挟み込む形を取っていたのだが、トーマは素早く隣り合わせになる様に移動。いまの攻撃魔法を見て、挟撃は意味を成さないと判断した為だ。そして 更に厄介な事態に見舞われる。

「猪口才な……。死複製戦士どもよ来い。……奴らを喰らえ。四肢を砕いてしまえ」

 無数の骸の戦士達がノスを中心に沸き出したのだ。その数はこの部屋を埋め尽くす勢いだった。

「はっ……。魔人ともあろう男が 結界に頼り、更にはこんな小細工にも頼ると言うのか。……『闘神落とし』の異名を轟かせた男にしては 大した手だな……? 底が見えると言うものだ」

 薄ら笑みを浮かべ、ノスを挑発するユーリ。……が、決して余裕があるとは言えない。ノスの攻撃の直撃を受けていないとは言え、トーマと言う頼りになる男と共に戦っているとは言え、強大な圧力を常に受け続けているのだから。そして 此処までの戦いでの傷も決して癒えていないのもあった。

「……ふん。先刻は安い挑発に乗ってしまった身で言うのは説得力に欠けると言うものだが、最早儂は主らと遊んでいる暇はないのでな。……時期に、目覚めるのだから。我が絶対の主が」
「なに?」

 トーマの言葉に 違和感を覚えた。

 先程までの戦いでは、頭に血の登ったノスであった為、凶悪な攻撃も多少なりとも読み易く、戦いやすい状況だった。それでも一撃でも受ければ致命傷になりかねない攻撃にさらされているのだから、そこまでのアドバンテージと言う訳ではないが それでも、まだ暴走してくれる方が戦いやすいと思ったユーリの打算的な挑発だったのだが、ノスはそれに乗る事はしなかった。
 ただただ、己の魔力で生み出した骸の戦士達を呼び寄せていたのだ。

「最早、時は来た…… と言う事だ。人間共よ。貴様らの戦いぶり…… 称賛に値する。長く生きてきてここまでもった人間はそうはおらん。……滓を見続けてきたせい、もあるだろうが貴様ら程の人間は稀も稀だ。人間の世界の特異点とも言えるだろうな。……儂の様に、魔人であれば儂にとっての脅威にもなっていたであろう。どうだ? 儂の使途として使えるのであれば 命だけは助けてやるぞ」

 それはありふれた勧誘の言葉だ。絶対悪との戦いの前に言うもので 色々な物語ででも出てきている言葉。

 ユーリはあまりにも安易なものだと嘲笑した。

「願い下げだ。人として生を受けた。……オレは、最後まで人として 戦い続ける。終わりにまで 目指している先へと行くために」

 ユーリは剣を振るい、骸の戦士達の首を飛ばした。首を失っても前進を続ける戦士の身体をトーマが粉砕した。

「儂も同感だ。……人間をあまり舐めるなよ。ノス」

 若かりし頃の記憶が蘇ってきたのだろうか、或いは兵を束ねる将軍ではなく一兵士として、一男として最大の相手を前にしているからだろうか、その姿勢はまるで後先考えない無鉄砲な若者とも言えるものだった。

「くくく………。貴様らを放っておけば、我が望みを阻む最大の障害になりかねぬ。死複製戦士共よ。己が身体砕けても、彼奴らを抑えよ。……儂は出迎えに行く。我が主を。……真なる王(・・・・)を」
「っ……!! 王……だと!?」

 まるで察しろ、と言わんばかりにノスは続ける。それは もう わざと言っている様にしか見えなかった。

 ノスが欲しているのはカオス。その封印を解く為に 聖武具を求めた。だが 今は違う。まるで来てくれ、と言わんばかりだった。カオスを手にした途端に、攻勢に出て奪うつもりだろう、と考えていたのだが、それらが全て覆される。

 そう――カオスを手に入れるのが目的、ではなく カオスの封印を解く事そものもが目的なのであれば?

 カオスが封印されている、のではなく、……何か(・・)を封印しているのではないか?

 そして、ノスの言葉。『我が主。……真なる王』

 魔人ノスが主と認めている相手。現在の魔物界を考えれば、ホーネットであると読むのが妥当なのだが、明らかに違う。真なる王と言う所を察すると、現在の魔王リトル・プリンセスも候補に挙がるだろうが、逃げ回っている事実を見れば、そうとも言えない。

 この2人でなく、そして――ここまで崇拝する相手は、もうあの魔王(・・・・)しか考えられない。




「では ここで失礼させて貰おう。……だが直ぐにまた貴様らとは相見えるだろうが、な」
「っ! 待て! ノス!!」

 ユーリは行く手を阻もうと剣を振るい真空の刃を飛ばすが……、無数に存在する骸の戦士達が立ちはだかり、遮った。それを合図に一斉に飛びかかってくる。

「秘剣・骸斬衝!」

 トーマがユーリに飛び掛かる無数攻撃を防ぐ様に彼の必殺剣を放った。剛腕から繰り出される衝撃波は 一瞬で骸戦士達を粉微塵に砕いた。如何に死を恐れぬ骸戦士とは言え 粉々になってしまえば当然動く事は出来ない。魔力供給をするノスはもういないのだから。

「ユーリ! 如何に敵の大将が後退したとはいえ、目の前の敵を疎かにするのは感心せんぞ」
「っ、悪いトーマ。……だが、悪いのは 最も悪いのは此処からかもしれん。……ノスの、アイツの狙い……が、考えてる通りだとすれば、……最悪だ」

 ユーリは剣の柄を握りしめた。
 トーマは骸戦士と戦っていた為か、ノスの言葉を訊いてなかったのだ。





「ノス。……アイツは、人類史上最悪にして最凶なものを、この世に戻そうとしている」
 
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧