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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Eipic6-B古代遺失物管理部・機動六課~Our dream starts~

†††Sideはやて†††

新暦75年4月29日。本日いよいよもって予てからの夢やった私の部隊、機動六課が稼働する。選出が一番遅なった前線部隊の1つであるスターズのフォワード2人も、なのはちゃんとヴィータのお眼鏡に適って決定したしな。

(スターズ3、スバル・ナカジマ二等陸士。ナカジマ三佐とクイントさんの娘さんの1人やな。私の指揮官研修先の1つやった108部隊に行った先では、お姉さんのギンガと再会も出来た)

4年前の空港火災の際に巻き込まれてもうて、そん時になのはちゃんに救助されたことでスバルが局員を目指すようになった、ってナカジマ三佐から聞いた。けど六課に参加するってことになってちょう不安なこともある。

(ルシル君・・・)

ここ六課の部隊長室である私と、補佐をしてくれるリインの執務室の一画には、もう1セットのデスクがある。そこに座ってるんは私の片想い相手のルシル君。管理局組織でたった18人しか居らへん調査官って役職に就いてて、職務中限定の階級はなんと准将。今は出向先に長期間常駐するってゆう特務の任を負ってる。
そんなルシル君はクイントさんのお葬式ん時、クイントさんを護り切ることが出来ひんかったってことに苦しんで、スバルはそんなルシル君に、クイントさんの代わりにルシル君が死ねばよかった、みたいなことを言うて・・・。

(そのこともあってルシル君とスバル君が会うんは不安なんよね・・・)

ギンガはもうルシル君に対して苦手意識とか敵意みたいなもんはもう無いって言うてて・・・いんや、初めからそうゆう意識は無くて、あの時のことをずっとルシル君に謝りたいって思うてるって聞いた。そやけどルシル君とはあのお葬式以来会うことが出来てへんってことでちょう辛そうや。それにルシル君は、クイントさんの命日にはお墓参りを毎年欠かさずにしてるんやけど、意図的に時間をずらしてるんかナカジマ三佐たちとは会わへんようにしてるみたいや。

(この機会で仲良くなってもらえるとこっちとしても嬉しいんやけどな・・・)

そんでもう1人、スターズ4、ティアナ・ランスター二等陸士。スバルとは陸士訓練校からのコンビやって話や。カートリッジ式の銃型デバイスを自作できるほどの知識と、射撃魔魔導師としてまだまだ伸びるって、なのはちゃんに言わせるほどの原石。とても意志の強そうな目をしてて、きっと良い執務官になってくれると思う。

(フェイトちゃんとシグナムのライトニングのフォワードは、揃ってフェイトちゃんを保護観察官とする子ら)

ライトニング3、エリオ・モンディアル三等陸士。電気変換資質を持つ近代ベルカ式の騎士見習い。フェイトちゃんとアリシアちゃんとアルフによるチーム・テスタロッサの任務先である違法研究施設で発見、そんで保護した子や。これまでに何度か写真を見せてもらってる。
ライトニング4、キャロ・ル・ルシエ。ほんの少し前にフェイトちゃん預かりとなった、竜召喚・使役のスキルを有した女の子や。キャロがフェイトちゃんに引き取られた経緯はちょう特殊で、ルシル君とアイリ、それにルミナが特務隊の任務先で出会ったのが始まりや。

(いくら強大なスキルやからって、ちゃんとした訓練や教育も済んでへん、たった6歳のキャロをいきなり武装隊に放り込む地上部隊には、ルシル君やルミナはもちろん、私らも頭に来たわ)

そうゆう融通が効かへんところも地上部隊のアカンところや。キャロのそれまでの経緯をルシル君から聞いたフェイトちゃんは、即座にキャロを保護した。それから3年、キャロは自分の意思で陸士隊に分類されるこの機動六課へ参加してくれるようにまで強うなってくれた。まぁフェイトちゃんは、エリオとキャロの保護者ってことで不安そうやけど、アリシアちゃんは、どんと来ぉ~い!やけどな。

「いよいよですね、はやてちゃん」

私の補佐を担当してくれるリインがそう言うてくれたから、「うん!」力強く頷き返した。機動六課設立の名目は、4年前に発見されたロストロギア・“レリック”に関する問題すべてに対処する、とゆうことになってる。

「これまでずっと片手間でしか捜査できひんかったレリック事件。そやけど、その煩わしさからもようやく解放された。この機動六課のおかげで。期間は1年しかあらへんけど、必ずその間に全てに決着をつけて見せる!」

「はいですっ! リインも頑張るですよ!」

自分のデスクに触れて決意を改める。“レリック”は4年前から何度か発見されてるんやけど、その大半が大爆発を起こして回収不可になってるし、爆発によって死傷者も出てるし、数多くの地区が廃棄されたりもしてる。そのニュースを見るたびに心が痛んでた。知らずデスクに置いてる右手をギュッと握りしめて拳を作ったら・・・

「はやて達なら大丈夫さ」

なんかのデスクワークをしてたルシル君が優しい声色でそう言うてくれた。とっても嬉しんやけど「ルシル君。調査官としての立場はどないしたん・・・?」そう訊き返してしまう。調査官は任務先で親しい人が居っても私情を出してらアカンって厳格な規律がある。そやから今は、はやて、やなくて、八神部隊長、と呼ばなアカンはずなんやけど・・・。先月ルシル君本人が言うてたことやし。

「今はまだセーフってことで頼むよ。これから1年、毎日欠かさず八神部隊長呼びだ。最後くらい気軽に呼んでみたいものさ。大丈夫。この部屋を出た瞬間から調査官モードに入るよ。だからリインも、今ばかりは許してくれな」

「はいですっ、ルシル君。あ、これから1年ずっとセインテスト調査官って呼ばないといけないですから、今の内にルシル君ってたくさん呼んじゃいますよ♪」

「あはは。そうか、じゃあ俺も今の内にリインと呼んでおこうか」

そうゆうわけで、リインは「ルシル君」と、ルシル君は「リイン」と何度も見つめ合いながら呼び合う。2人と親しい人なら微笑ましいって眺めていられるんやろうけど、もし2人の関係を知らんかったらまるで恋人同士に見えるな。とにかく、なんや羨ましくなってきたから、「ルシル君♪」私も参加する。そんなところに、ビィー、とインターフォンが鳴った。

「はい、どうぞ~!」

「「失礼します!」」

入室の許可を出すとドアがスライドして、「お! なのはちゃん、フェイトちゃん♪」六課の実働部隊である2分隊の隊長、なのはちゃんとフェイトちゃんが姿を見せてくれた。2人は教導隊の白制服と執務官の黒制服から陸士部隊の茶制服へとお着替え完了や。

「わぁ! お2人とも、そちらの制服もとってもお似合いで素敵です♪」

「にゃはは。ありがとう、リイン」

「ありがとう」

自分のデスクから私の肩にまで飛んで来たリインにお礼を言うたなのはちゃんとフェイトちゃんの視線が、リインのデスク側に立ってるルシル君に移った。私とリインもルシル君へと振り向く。

「君たちが同じ制服を着ていると、本当にようやくって感じがして気が引き締まるな。なのは、フェイト。1年間、はやての夢を支えてあげてほしい」

ルシル君はそう言うてお辞儀したことで、「え?」なのはちゃんとフェイトちゃんが目を丸くした。2人も調査官の立場云々の話は行ってるから、いつも通りのルシル君の態度に驚いたみたいやな。

「あ、えっと・・・」

「うんっ。もちろんだよ!」

困惑するフェイトちゃんと自然と応じるなのはちゃん。フェイトちゃんは「あれ? あれ? 調査官としての、っていうのは・・・?」小首を傾げるから、ついさっきまで恋人よろしくな名前の呼び合いをしてた私らは苦笑する。

「この部屋を出てから調査官モードになるよ。だから今は、友として普通に名前を呼ばせてくれ、なのは、フェイト」

「あ、あー、そういうことなんだ。うん、じゃあルシル」

「うん、了解、ルシル君。でも1年かぁ。セインテスト調査官って呼ばないといけないんだよね。結構長いよね」

「リイン達みんなは普段通りにファーストネームで呼び合うですけど、ルシル君だけセインテスト調査官って呼ばないといけないって思うと、少し悲しいです」

「ま、その辺りは慣れていってくれ」

他の部隊やと名前の後に役職とか階級を付けて呼ぶのが当たり前やけど、私らはこれまでの関係から名前だけで呼び合うことでもOKってことにした。その方が私ららしい部隊って感じがするからな。

「あ、そうだ、ルシル。キャロにはちゃんと調査官の立場とかの話をした? キャロ、ルシルにも会えることが楽しみみたいだから。再会していきなり、ルシエ三士とか呼ばれでもしたら絶対にショック受けちゃう」

「それについてはこの間、メールで伝えておいたよ。残念がってはいたけど、なんとか納得してもらった。隙を見ては普段の俺として、キャロと話してみるよ」

「うん、ありがとう。それだけでも十分だと思う」

ルシル君とフェイトちゃんがキャロのことを思って微笑み合ってると、「それじゃあ今度は・・・」なのはちゃんがそろそろと挙手。ルシル君が「俺か? どうした、なのは」なのはちゃんの方に体を向けた。

「もう知ってると思うんだけど、私のスターズ分隊にはスバルが居るの」

「・・・ああ、知っているよ」

「それでその・・・。今日までルシル君が六課に居ることを伝えないのもどうかな~って思って、スバルに伝えてみたんだけど・・・。やっぱり少し戸惑ってるみたいなんだ。クイントさんのお葬式の時にルシル君に言ったことも憶えてるみたいで・・・。だから・・・」

「スバルについては気に掛けるよ。とりあえず挨拶から始めて行こうと思う。あとは彼女が心を開いてくれるのを待つよ。こちらから声を掛けていくと余計に避けられそうだしな」

寂しげに微笑むルシル君に「ごめんね」なのはちゃんは手を合わせて謝った。ルシル君の心労がトンデモないことになりそうやな。あとでシャマルとアイリに、ルシル君の健康診断には気を掛けてもらうように伝えとこう。そう考えてると、PiPiPiってゆう通信が入ったことを知らせるコール音が鳴った。

「はいはい~っと」

私はすぐにデスクの席に座ってコールを受けて通信を繋ぐ。すると『やっほー!』陽気なな声色で挨拶してくれた「シャルちゃん!」がモニターに映った。私の声に、リインとなのはちゃんとフェイトちゃんも側に来た。

「シャルちゃん!」

「久しぶり!」

「ですぅ~!」

『なのは、フェイト、リイン! 久しぶり~! 2人とも、陸士隊服が似合ってるね♪』

「にゃはは。ありがとう、シャルちゃん!」

「ありがとう、シャル。シャルの修道服も似合ってるよ♪」

『ありがと~!』

シャルちゃんは将来、聖王教会の大幹部になることが決められてる。そうゆうわけもあって1年ほど前から聖王教会の教会職に時間を割くようになった。特別技能捜査課のオフィスに顔を出すことが一気に減ったし、ホンマに寂しなったわ。

『はやて。今日から機動六課が本格的に稼働するんだよね。おめでとう。はやての念願の夢だった部隊、離れたところからだけど応援させてもらうよ』

「おおきにな、シャルちゃん。そんで、六課設立に協力してくれてホンマにありがとう。カリムにも協力を取り付けてくれたし」

『はやての願いとカリムの望みが一緒・・・利害の一致ってやつかな。それと、はやてもはやてでカリムと親交を深めていったからだよ。私がカリムに、はやての目指す部隊設立の後見人になってね~、なんて頼まなくたって、カリムからはやてに依頼してたと思う』

モニターに映るシャルちゃんに頭を下げてお礼を言うと、シャルちゃんはそう返してくれた。4年前の“レリック”回収の任務も元は、カリムがクロノ君に依頼したものやった。その一件から私はシャルちゃんやクロノ君にお願いして、2人抜きでカリムとの交友を始めた。それでもやっぱりスタートはシャルちゃんやからな。

「それでもおおきにって言わせてぇな、シャルちゃん」

『ん。ありがたく受けてとっておくよ♪ んで、ルシル! 居るんでしょ? 顔を見せて!』

綺麗な笑顔から一転、ルシル君に向けて怒声を上げた。ルシル君は人差し指を唇に当てて、首を横に振って居留守を使おうとした。シャルちゃんは『リイン。ルシルは今どこ?』ニッコリと目の笑ってない笑顔を浮かべた。

「えっと、ルシル君は・・・ここには居ないですよ?」

すごく目が泳いでるリインがそう答えた。シャルちゃんは『ん。ありがとう。ルシル~、顔出しなさ~い』確信を持って告げた。リインが不思議そうな顔をして、「え、あの、居ないですよ?」再度シャルちゃんにルシル君が居ないことを伝えるんやけど・・・

『ごめんね~、リイン。あなた、ルシルの名前を聞いた瞬間、目線をモニターから外したでしょ。それに、はやて達も即座にルシルが居ないって答えなかったし、しかも3人揃ってリインと同じ方を見てたし』

「「「Oh」」」

シャルちゃんには全て見抜かれてた。こうなったらルシル君も観念して「久しぶりだな、シャル」私らの側にやって来て、モニターに映るシャルちゃんに挨拶。

『うん、久しぶり。ようやく顔を出したね、ルシル。特務調査官として監査役も務めるってカリムから聞いたけど、本当だったんだね』

「ああ。今、はやての部隊長室に集まっているんだが、この部屋を出た瞬間から俺は調査官として、まぁ堅苦しい態度ではやて達や他の隊員たちと接しないといけない。しかも1年。気が滅入るよ、まったく」

『あなたも運が無いよ。調査官としての初任務でいきなりはやて達の部隊の担当、しかも常駐する特務。誰が辞令を出したか知らないけどご愁傷様~♪』

シャルちゃんは調査官の立場ってゆうもんを昔から知ってるから、私らと接する態度が冷めたものになるってことも判ってる。そやから、私とルシル君の仲が進展せぇへんって思うてるみたい。そやけど、シャルちゃんやなのはちゃん達にも黙ってる秘密がある。

(六課の後見人の中に、リアンシェルトが居るってゆう秘密が・・・!)

ルシル君を特務調査官に選んだんはリアンシェルトや。後見人であるリンディさん達からその話を聞いた時はもう気が気やなかった。ルシル君からは、リアンシェルトの真の目的が判らない以上は、なのはちゃん達みんなには黙っていようって言われたしな。

「ほっとけ。で、今回の通信は六課稼働の祝いと俺へのからかいが全てか?」

『ブー! ルシルへのからかいはただのついで。はやて。教会騎士団でのレリック捜査、その全権を私が隊長に就いてる朱朝顔騎士隊(ロート・ヴィンテ)が獲得したって報告が本題。そういうわけだからさ、はやての六課と私の騎士隊で情報共有とか捜査協力し合えたら嬉しいな~って話なの』

シャルちゃんからの提案の返答には「喜んで!」しか出ぇへんからそう答えると、「よしっ!」シャルちゃんはガッツポーズ。シャルちゃんも六課に参加したがってたからなぁ。

「シャル。私とアリシアがレリック捜査を担当するから、その時はよろしくね」

『OK。それじゃ、ロート・ヴィンテ(わたしたち)も今日から捜査開始だから、また後日にちゃんと話し合おうね。バァ~イ❤』

シャルちゃんと笑顔で手を振り合って別れを惜しみつつ通信を切った。聖王教会にもちゃんと味方が居てくれる。それがホンマに心強いわ。みんなで「頑張ろうな!」って頷き合ってると、ビィーっとまた来客を知らせるインターフォンが鳴った。

「はい、どうぞー!」

「失礼いたします、八神部隊長」

ドアがスライドして私らの前に姿を見せたんは「おお、グリフィス君」やった。私がそう名前を言うと、「ええ!?」なのはちゃんとフェイトちゃんはビックリして、そんでグリフィス君の側に駆け寄った。

「本当にあのグリフィス君!? 久しぶり~! てゆうかすごい! 私より大きい!」

「うん! ちょっと見ない間にすごく成長してる! 私も身長で追い越されちゃった!」

「ご無沙汰しています。高町教導官、テスタロッサ・ハラオウン執務官。その節はお世話になりました」

私もグリフィス君と久しぶりに会うた時は、その成長の速さっぷりには驚いた。ルシル君やクロノ君もそうやったけど、男の子ってホンマに少し見ぃひん間に身長が高くなるんよ。男の子だけかと思えば、アリシアちゃんも急激に身長伸びてきたしなぁ。私はもう完璧に抜き去られてもうたし。それに・・・

(胸のサイズも元学校組の中で置いてけぼり食らってるしな・・・)

身長も胸の大きさも元学校組で一番下になってしもうた私。改めて考えると女の子としての魅力が一番低いのって私かもしれへん。しかも恋敵のシャルちゃんは、すずかちゃんと同率で一番のバストサイズ、身長もシグナムと同じくらいの高さを誇ってる。う~ん、時間が経つにつれて私が不利になってくかもしれへんなぁ。

「グリフィスは部隊長となる私の補佐官でな、それに交替部隊の責任者でもあるんよ。で、シグナムはフォワードの交替部隊の隊長やな」

「グリフィス准尉は部隊の運営などにも協力してくれるですよ」

「いえ、自分はまだまだ若輩ですから微力なものです・・・。ですがセインテスト調査官にもお恥ずかしい姿を見せないよう、誠心誠意頑張ります!」

「ああ、頑張って俺に楽をさせてくれグリフィス。とは言え、気張りすぎて空回りしないようにな。まぁ君は優秀だからその心配はないだろうが。期待しているよ、俺も、はやて達も」

「きょ、恐縮です!」

ルシル君からの期待してるってゆう激励を受けたグリフィス君はすごく嬉しそうや。けどすぐにハッとして「あの、ご報告よろしいでしょうか」ピシっと佇まいを直したから、「うん、お願いや」報告を促した。

「はい。整備班・交替部隊員を除く、フォワード4名を始め隊員・スタッフの集合が完了し、今はロビーにて待機中です」

「ん、おおきにな。お、予定の時間まで5分か。時間に正確なんは良いことや。じゃあ部隊のみんなにご挨拶しに行こうか」

「「うんっ!」」「はいですっ!」

ロビーに行くためにみんなを連れだって部隊長室から出て行こうとして、「あの、ルシル君・・・?」が私らに付いて来ぉへんかった。リイン達もそんなルシル君に気付いて振り返った。

「いや、俺も一緒で良いのか少し迷ってな」

「何も迷うことないと思うですよ、ルシル君」

「そうやよ。ルシル君も六課の一員や」

なのはちゃんとフェイトちゃんも「うん」て、私とリインの意見に頷いてくれた。グリフィス君も「僕も同じ意見です。1年と一緒なのですから」そう言うてくれたから、「そうか」ルシル君も私らに付いて来てくれた。そんで6人揃ってロビーへ向かう。

(っ! 私の部隊の・・・メンバー・・・!)

ロビーに整列して待機してる何十人ってゆう隊員たちの姿に、私の全身が歓喜に震えた。お立ち台の左隣には各分隊の副隊長のシグナムとヴィータ、それに主任医務官を務めるシャマルが立ってる。私らの姿を視認した隊員たちが佇まいをビシッと立て直す。
私となのはちゃんとフェイトちゃんとグリフィス君は壇上へ、リインはヴィータの隣に浮遊、ルシル君はスバルの視線に気づいてほんの少し横目で見て小さく頭を伏せた後、アリシアちゃんとアイリとエリオの側に居るキャロにウィンク。キャロは頬を染めて嬉しそうに笑顔を浮かべて、ルシル君はシャマルの隣に並んだ。

「機動六課の課長、そして本部隊の総部隊長を務めます八神はやて二等陸佐です。平和と法の守護者・時空管理局に連なる部隊として事件に立ち向かい、人々を護っていくことが使命であり、成すべきことです」

この部隊には実績と実力に溢れて、実戦の経験が豊富な指揮・隊長陣が居るし、まだまだひよっ子な新人やけど、若いからこそ(私らもまだまだ若いけどな!)の無限大の可能性を秘めてるフォワード4名。さらに、それぞれ優れた専門技術の持ち主のメカニックやバックヤードスタッフ。

「全員が一丸となって事件に立ち向かっていけると、そしてどんな困難にも必ず打ち勝って、最後には笑える日が迎えられると思います。っと、あんまし長いのも煙たがられるんで、挨拶は以上ここまで。機動六課課長および総部隊長、八神はやてでした」

拍手を送ってくれる部隊員のみんなに微笑み返す。部隊長の私の挨拶の後は・・・

「機動六課の課長・八神部隊長の補佐官を務めることになりますグリフィス・ロウラン准陸尉です。八神部隊長が隊を空けている時は、僕が指揮を執らせて頂きます。まだまだ若輩者で、何かとご迷惑を掛けることになるかもしれませんが誠心誠意頑張る次第ですので、どうぞよろしくお願いします」

「えっと、八神リインフォース・ツヴァイ空曹長です! はやてちゃ――じゃなくて八神部隊長、シグナム副隊長、ヴィータ副隊長の支援・補佐を務めます! 小っちゃいですけど、やる気は大っきいですので、よろしくお願いします♪」

「当部隊のフォワード・スターズ分隊の隊長、そしてフォワードの戦技教導を担当する、高町なのは一等空尉です。よろしくお願いします!」

「当部隊のフォワード・ライトニング分隊の隊長、それと法務担当、広域捜査の主任を務める、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です。広域捜査の補佐をしてくれる姉、アリシア共々よろしくお願いします」

「スターズ分隊の副隊長、八神ヴィータ三等空尉です。高町隊長と一緒にフォワードの教官職を務めることになります。よろしくお願いします」

「ライトニング分隊の副隊長を務める八神シグナム二等空尉です。よろしくお願いします」

「当部隊の主任医務官を務める八神シャマルです! みんな、小さい傷でも化膿したら大変だから、ちゃ~んと医務室に来て診てもらってくださいね~♪ 」

私の補佐をしてくれるグリフィス君とリイン、分隊長のなのはちゃんとフェイトちゃん、分隊副隊長のシグナムとヴィータ、それに六課の医療の全てを統括するシャマルが挨拶。隊員たちからの拍手が起こる中、「それでは最後に」私はルシル君を見る。

「当部隊、機動六課に常時駐在して運営の監査を行っていただく特務調査官からのご挨拶です」

「ルシリオン・セインテスト一等空尉です。八神部隊長の紹介の通り、調査官として機動六課の運営の監査役を務めさせていただきます。調査官としての立場上、部隊員・スタッフの方々とは少々距離を置く態度を取らざるをえないため、少なからず不快な思いをさせてしまうかもしれませんが、寛大な心でご容赦ください」

ルシル君はそこまで言うて一度お辞儀。

「機動六課は若手や新人が多い部隊と聞いています。だからと言って監査役として一切手を抜くつもりはないですが、おそらく問題は無いでしょう。皆さんが才能溢れる若手や新人の選りすぐりだとも聞いているからです。私は無念ながら六課に協力することが出来ませんが、皆さんが一丸となれば八神部隊長の仰ったとおりどんな困難をも乗り越えられると思います。長くなりましたが、最後の1つだけ。1年間、よろしくお願いします。以上です」

再び起きる拍手。アイリとキャロは笑顔で、そやけどスバルだけはやっぱり複雑そうな表情やった。

 
 

 
後書き
ヒューヴェーフォメンタ。ヒューヴェーパィヴェ。ヒューヴェーイルテ。
hahaha ! 挨拶だけで丸々1話を使っちまったぜい! 迷走です、迷走しているんです! プライソン勢が本格的に動き出すまでは基本的にアニメの流れと変わらないと思うので、騎士団側やプライソン側の描写を増やすかもしれません。 
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