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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十九話:再び修道院へ
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「よーし、鉄の鎧ゲット!ピエール、装備してみて!」
「はっ」
「……着られるのか?人間用じゃないのか、それ」
「心配ご無用。これでなかなか、調整が利くものです。ほれ、この通り」
「わー、ピエールかっこいい!やっぱり鎧とか、似合うね!」
「恐れ入ります」
「なーなー。おいらはー?おいらには、なんかないのー?」
「ちょっと待ってね。鉄の胸当てと、鋼のキバがあったはず。スラリン、コドランにあげてもいいかな?」
「ピキー!」
「やったー!ありがとな、スラリン!ドーラちゃん、付けて付けてー!」
「はいはい」
「なーなー!かっこいい?おいら、かっこいい?」
「うん、コドランもかっこいいよ」
「わーい!おいら、かっこいいんだってー!」
「ピキー!」

 ラインハット城の宝物庫にて。

 ゲームでは認識できなかったあからさまに貴重な財宝的なものには手を付けてませんが、使える装備や消耗品や、少しのお金ならいいだろうということで。
 デールくんの許可も、ちゃんと貰ったことだしね!

 色々と回収するついでに、手持ちのアイテムでコドランの装備も整えます。
 武器防具を身に着けたコドランは嬉しげに飛び回り、スラリンが誉めたてるように近くを跳ね回ってます。

 うーん、可愛い。
 和むわー。

 と、可愛い担当の二匹を眺めてニヤつく私に、微妙な顔のヘンリーが声をかけてきます。

「……もう、いいだろ?行こうぜ」
「うん、そうだね。取るものも取ったし!行こうか!」

 さりげなくその辺のツボを覗いて小さなメダルをゲットしたりなんかもしつつ、旅の扉を通って祠に移動します。


 祠を出ると。

「……あれ?……馬車が。……ある」

 ラインハットの城下町に停めておいたはずの馬車が、そこにありました。

「そりゃ、あるだろ」
「ええ?」

 え、常識?
 もしかして常識なの?
 同じ転生者(なかま)であるヘンリーが当たり前に流すほどの、常識的事項なの??

「取説読んで無いのか?」
「取説!?」

 なにそれおいしそう!

「馬車の中にあったが」
「気付かなかった!」
「そうか。悪かったな、言わなくて」
「それはいいけど。説明をお願いします!」


 いつの間にか取説を熟読していたらしいヘンリーの言うことには、モンスター使い仕様であるこの馬車には、特殊な魔法が施してあり。
 登録した持ち主が魔法的な力で移動する場合には馬車も同時に移動して、適当な場所に配置されるらしい。
 本人の意識が無い場合とか、敢えて移動させないように意識した場合とか、馬車の側で機能を無効にした場合とか、色々と例外はあるようだが。

 登録とか全くした覚えが無いが、きっとオラクル屋のオヤジさんが
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