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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:終着
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の上。そこに小さな人影が立っていた。風にはためく漆黒のロングマフラーの端っこ。《冥王》レン。

「お前。俺たちが一人で戦ってると思ってるだろ。違うぜ。全然違う」

ガスッ!

飛来したもう一本のワイヤーが、ソレの左足を貫いて完全に機動力を奪って地面に縫い付けた。

「お前は一人で人間を名乗っちゃあいるが、一つ重要なことを忘れてるよ」

「ギッ…………?」

「《人》って言う字はな、二画なんだよ。解かるか?二画なんだよ。一画じゃあないんだよ」

ザゴンッ!!

左足に刺さったワイヤーが、音高く振り払われた。その左足が音もなくズレ、ソレは悲鳴を上げながら地面に倒れ伏せた。

それを、心底つまらなそうに見ながらセモンは言葉を続ける。

「だからお前は俺たちには決して勝てない。たった一つで二画分をやってるお前には、五人で二画をやってる俺たちには───」

ドスゥッ!!!

今度は、飛来した片手剣が真っ直ぐに胸を貫いて、しっかりと地面に固定した。セモンが後ろを振り仰ぐ。散々破壊されても、辛うじて原形を保っていた家々の間の裏路地から、満足げな表情のホークがゆっくりと歩を進めてきた。

それにグーサインを突き出してやってから、セモンは周囲を見回した。

あちこちの裏路地から、人影が出てくる。ゲツガ、シキ、さっきまで遠い時計塔の上にいたレンまでもが集まってくる。

目配せをし合い、全員が揃ってクレーターの端に立つ。ホークが笑みに口元を緩ませつつ、言葉を紡ぎ出す。

「よぉ………、どうだったよ。俺のゲームメイクは」

「………………………」

バキリ、とソレの指が地面に食い込む。

ガガガガ、と腕達が次々と地面に手をついて、己の体を戒めから解こうとするが、離れない。完全にホークの片手剣は《ヒト》の体を貫いて、地面に打ち付けている。

「………グゾ…が。デメェごときに、俺が操られでたと言うの……がァ?」

ホークは、軽く肩をすくませつつ

「あぁ、その通りだよ。お前の脳内ではドラマチックに死闘の果てにって感じなフザケタ戦闘を思い浮かべてたっぽいが、残念だな。ご期待に添えなくて。俺たちのHPは有限なんだよ。映画みたいに、罠張って、頭脳戦みたいなことしてセコセコ削り合うみたいなことをやるわけねぇだろ」

「…………………グ………ゾ、が」

口汚い言葉をいくら吐こうとも、胸を貫くホークの楔は決して離れようとはしない。

全員が、誰からとも知れずにクレーターの淵から一歩踏み出し、滑り降りた。最初はあれほど圧倒的に見えたソレは、近くで見ると、無性にちっぽけな存在に見えた。ピンで留められて足掻く、昆虫のように。

「ゴロ、ズ……ゴロズ………!ゴロズ!ゴロズ!!ゴロズ!!!ゴロズゥ!!!!
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