第四話「面倒なことが起こりそうです」
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スちゃんは紅い髪を棚引かせて背を向けた。
「じゃあ二人とも、また明日学校でね」
「はい、お休みなさい先輩」
「あのエロ魔神のイッセーが紳士的だ……!?」
なんという衝撃の事実。僕はあり得ないものを見るような目つきで隣に佇む友達を凝視した。
「ばっ、なに言い出すんだ、お前は!」
「だっていつもおっぱいおっぱい言ってるのに、なんか理性的なんだもの」
「ちょっ、レイ! なにも先輩がいるところで言わなくても――」
そんな掛け合いをする僕らにリアスちゃんが苦笑する。
「ええ、お休みなさい二人とも。良い夢を」
結局、リアスちゃんの姿が見えなくなるまで、僕らの漫才は続いたのだった。
† † †
あの訳の分からん夜が明け、翌日。
俺とレイは放課後の教室で昨日、先輩の言っていた迎えの人を待っていた。松田と元浜には用事があると伝え、先に帰ってもらっている。
それにしても昨夜は全然寝つけなかった。いや、あんな出来事があった後に爆睡とか無理でしょ、普通に考えて。
あの男は何者なのか。脳裏に過るのは男の背中にあった黒い翼。夢の中の夕麻ちゃんと同じ翼。これが意味するものは…………ダメだ考えても全く分からん。そもそも俺に頭を使った考え事は無理だ。
気になることといったらレイのことも気になる。寧ろそっちの方が強いな。
男が急に動かなくなったのも何やらレイの仕業のようだし、なによりあのパンチの威力。
……。
いやいやいや、普通に考えてありえないでしょ! なに、あのメガトンパンチ並――いや、それ以上の威力は!? 人が星になるとかどんだけって話だよ!
世界どころか宇宙だって軽く狙える右だぜ? WBCなんて目じゃないって!
あー、もう、ホント訳わからん。ここ最近変な事件起こりすぎだよ。なんか最近、夜になると身体が異様に軽くて力が漲る感じがするし、逆に朝は怠くなる。どこのヴァンパイア?
レイは自分の机に座って足をぶらぶらさせて漫画を読んでいた。あいつの席は窓際の丁度真ん中の列だ。人の気も知らないでくつろぎやがって……。
「なあ、レイ」
「んー?」
「……いや、やっぱなんでもない」
レイって本当、何者なんだろうか。昨日ははぐらかしてたけど、今日はちゃんと聞けるといいな。こいつも、俺の大事なダチなんだからさ。
「や、どうも」
待つこと十分。爽やかな笑顔とともに木場がやって来た。
同学年であり学園一のイケ
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