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星河の覇皇
第六部第四章 ゲリラその四
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た後方の航路確保にはパトロール艦も有効であると考えます」
「元々そうした任務の為の艦ですからね」
「後は個々のアステロイドに配備されている砲座やミサイルに注意して進めていけばよろしいかと。そして彼等の本拠地を目指すのです。それでどうでしょうか」
「私としてはそれで反論はありませんね」
 八条は落ち着いた声で答えた。
「他の方はどうでしょうか」
 ここで彼は列席者見回した。見たところ反論する者はいない。
「モハマド元帥もそれでよろしいでしょうか」
「はい」
 ここで一同は反論が出るものと思っていたがその予想は外れた。意外にも彼はそれに同意したのだ。
「私もクラウス元帥の考えに賛成致します」
「そうですか」
 八条はそれを聞いて頷いた。
「では裁決をとります」
 彼は立ち上がって一同に言った。
「今回の解放軍討伐はクラウス元帥の案に基づいて進めていくことにします。それで宜しいでしょうか」
「ハッ!」
 皆一斉に席を発った。そして八条に向けて敬礼をする。これは反論んし、ということであった。
「わかりました」
 彼はそれを受けて頷いた。
「ではそれで進めていくことにします。作戦の総司令官はクラウス元帥」
「ハッ」
 彼はそれを受けて敬礼した。
「スタッフは南西地区の者よりクラウス元帥が選ぶものとします。参加兵力は二百個艦隊、四億」
 これだけでマウリアの全兵力に匹敵する。連合軍の巨大さがわかるものであった。
「攻撃目標は解放軍及びその本拠地、目的は海賊掃討」
 あくまで正規戦ではないと規定した。これには政治的意味合いもあった。
 海賊を正規軍と認めるわけにはいかないのだ。そこにまたゲリラ等とみなしてもいない。あくまで犯罪者として取り扱う必要があるのである。これはそこに付け込もうとする怪しげな団体の介入を排除する為でもあった。現に彼等は山口率いるニアー=オリエント社と結託していたのであるから当然であった。
「では作戦発動は三ヵ月後とします」
「はい」
 時刻も決定された。いよいよ全てが整ってきた。
「ではこれで会議を終わります。勝利を我等が手に」
「ハッ!」
 元帥達が最後に再び一斉に敬礼した。こうして会議は終わった。
 会議が終わった後モハマドとクラウスは二人で食事を採っていた。場所は国防省の食堂である。
 連合軍においては食堂は一つになっている。将校も下士官も兵士も関係ない。皆一つの場所で同じような食事を採っている。時には八条もここで食事を採る。
 これも連合軍の特徴の一つであった。連合軍には階級は確かに存在するがその居住や食事には区別はなされてはいないのだ。
 ここには一つの事情がある。やはり待遇であった。
「連合軍では一兵士も昔の将校と同じ待遇が得られる」
 そう宣伝しているからには
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