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星河の覇皇
第六部第四章 ゲリラその四
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りにするべきだと」
「はい、私はそう考えます」
 彼はそれを受けて頷いた。
「時間こそかかりますがこれが最も確実な方法ではないでしょうか」
「ふむ」
 八条はそれを受けて考える顔をした。
「わかりました。ではまずはこの意見を第一案と致します」
 彼は元帥達を見回してそう伝えた。
「他に意見はありますか」
「はい」
 ここでクラウスが手を挙げた。
「私はモハマド司令とは別の考えです」
「といいますと」
「はい。発言して宜しいでしょうか」
「どうぞ」
 他の者の発言を禁じるような八条ではない。当然それを認めた。
「では」
 クラウスはそれを受けて席を立った。そして口を開いた。
「まずは兵を増やして頂きたい」
「現在の百個艦隊よりもですか」
「はい。倍は欲しいです。それをまずお願いしたいのですが」
「ふむ」
 八条はそれを聞いて口に手を当てた。
「まずはその理由をお聞かせ下さい。それ次第です」
「はい」
 クラウスはそれを受けて話をはじめた。
「攻め込む為です。まずは今回発見された道に主力を向けます」
「はい」
「そして他の道からも軍を向けます。道を確保しながら少しずつ兵を進めていきます」
「当初の侵攻計画と同じですね」
「はい。ですが主力をマウリア側からの道に向けていると事情がかなり違ってくると思います」
「といいますと」
「解放軍の目がそちらに向かわざるを得ないからです。そして彼等はその道に多くの伏兵を配するでしょう」
「そうでしょうね」
 これは当然予想される事態であった。ここにいる全ての者が容易にそれを予想できた。
「そこで他の道からも兵を向けるのです。ですがそれは今までの百個艦隊では不十分であると考えます」
「それは何故でしょうか」
 八条はそこでまた問うた。
「地の利は彼等にあります。おそらく後方の撹乱に出て来るでしょうから。その為に兵はより多く欲しいのです」
「成程」
 これは奇しくも今南方でアッディーンが採っている戦略と同じであった。だが彼等はそれは知らない。
「そしてジワリジワリと進んで行きます。そして彼等を包囲の中に包み込むのです」
「心理的にも圧迫を加えていくのですね」
「はい、それも考えています。そうすれば内部分裂も誘うことができましょう」
「そうなれば討伐はより容易になりますね」
「そうですね。そしてこちらに向けられる兵も減ります」
「ふむ」
 八条はその整った眉を微かに動かした。
「長官はどう思われるでしょうか」
 クラウスはその眉の動きを見て彼に問うた。八条はそれに答えた。
「悪くはないと思います。ですが中には狭い道も多い。ティアマト級戦艦が通過出来ないような道もありますね」
「はい、そこは他の艦艇で押さえていかなければなりません。ま
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