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星河の覇皇
第六部第四章 ゲリラその三
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「動くな!」
 何者かがオフィスに入って来た。それも一人ではない。
 彼等はすぐにオフィスを占領した。そして一斉にネゴロツキーに銃を突きつける。
「ネゴロツキーだな」
 その中央にいるやや小柄な男が彼に対して問うた。
「そ、そうだが」
 彼はいささか怖気づきながらも返答した。
「貴様等は何者だ!?マフィアか!?」
「私達がそう見えるか」
 だがその小柄な男は彼に不敵に返した。
「クッ、じゃあ」
「そうだ。予想通りだ」
 男はそれに答えた。そして名乗った。
「連合国防省テロ対策部部長アラガルだ。この名は知っているだろう」
「国防省が何故俺のところに」
「連合警察と共同作戦を採っていると答えようか。これだけ言えばわかるな」
「クソッ・・・・・・」
 ネゴロツキーはそれを聞いて歯噛みせずにはいられなかった。だがそうしたところで今更どうにでもなるものではない。
「既に貴様も山口もその一派のところにも全て手は回っている。観念するんだな」
 ネゴロツキーはそれには答えられなかった。後ろでは秘書達が連行されている。
「よし、これより捜査を開始する。すぐに取り掛かれ」
「ハッ」
 アラガルの指示が下る。周りの者達はそれを受けて動きを開始した。
 これは山口のところも一緒であった。ニアー=オリエント社及びその関連企業は一斉に連合警察の一斉捜査を受けた。罪状は詐欺、密売、密造、偽造、違法取引と様々であった。特に解放軍のとの繫がりを重点的に捜査された。
 これを受けてニアー=オリエント社の株は暴落した。そして捜査開始から三日後には関連企業、傘下の企業も含めて上場廃止となった。
 山口はこれまでの罪状を徹底的に捜査された。そして議員としての資格を全て剥奪され留置所に入ることになった。そしてネゴロツキーや小林共々裁判にかけられることとなった。死刑は確実と言われていた。
 また解放軍の秘密の道も発見された。連合軍は早速その道を押さえた。これにより彼等は完全に袋の鼠となった。
「これでよし、といったところかしら」
 伊藤は電話で八条に対して言った。
「いえ、まだです」
 だが彼はそれに慎重な様子で答えた。
「まだこれからですよ」
「あら、慎重ね」
 伊藤はそれを聞いて笑って返した。
「まだ彼等は健在ですから。一千万もいると流石に対処に困ります」
「サハラだとちょっとした国の軍程の規模だからね」
「はい。今のところマウリア軍と共同して兵糧攻めにしていますが」
「それでいいと思うわ」
「そう思われますか」
 彼は電話の向こうで彼女の言葉を受けて微笑んだ。
「ならばいいのですが」
「攻め込むつもりはないのね」
「はい。当初は少しずつ攻め込むつもりでしたが」
「地形を考えて止めたのね」
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