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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
運命の夜 ─舞い降りる奇跡─
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不満そうな顔つきだったのが、見る間に気まずそうな表情に変わる。

「あの、なんで知ってるの?」
「ラインから精神感応でダダ漏れでしたが、何か?」

 追跡のためにラインから少女側に感知やら干渉やら仕掛けてたんだが、想像以上に面白いことになっていた。
 
 登場シーンからの雰囲気とは違い、意外と中身にギャップがあるこの少女。
 黒装束の女のやり取りと、少女の心の内から漏れていた情報を繋ぎ合わせて何とか現状理解に務める。

 サーヴァント。

 人間以上の存在で、自分の魔術師としてのキャパシティを越えた存在。
 この少女も俺を襲った黒装束の女も、そのサーヴァントというモノらしい。

 サーヴァントにはマスターとなる魔術師が居る。

 となるとあの黒装束の女はどこかの魔術師からの刺客だったのだろうか?
 セイバーという言葉に関しても、あれは幾人か居るサーヴァントに与えられる名のようなものか?

 あの黒いサーヴァントにも銀の少女にも、そうした呼び名があるのだろう。



 などと人が全力疾走しながら、一生懸命に状況把握に努めていたというのに!



「個人的には肩ではなく、そこから下の豊かな膨らみを鷲掴みにしてやっても良かったんだがね。
 そこはそれ、仏のような懐の広さで許してやろうともさ」
「は、はい」
「ただし三度目までだからな!」

 ここまで走らされた怨念を込めて言い放つ。

 正直まだまだ謎は多い。
 こんなことを言いつつも少女がその気になれば俺を数秒かからず殺せるだろうし、何故格下の存在である自分に従う意思を見せるのか?

 サーヴァントとは何なのか、何のために呼び出されているのか。
 襲ってきたサーヴァント、マスターとなる魔術師の存在、ここ最近街を包んでいた不穏な空気、学園に仕掛けられた結界。

 全ての答えを得られるかは分からないが、この少女から情報を引き出せるだけ引き出しておかないと、また今夜のような無様を晒す気がしてならない。

「なあ、あんた……」
「ん、マスター。ここから少し離れた場所にサーヴァントがいるわ」
「あ、え? はぁ!? まだあんな化けモンがいるってのか!?」
「気配は二つ……三つ? 何だか揺らいでる。マスターもそこに二人居るね」
「気配三つって……嘘だろ…………」

 これで合計五人か?
 まだ増えそうな気はするが、今はとりあえずどうするかを決めなくては。

 俺に報告したということは、そこに行けということだろう。
 最低でもその場所に赴いて様子を見るくらいはしないとならないか。

 逃げるのは簡単だ。けれどそれでは何も解決しない。

 少女は今は敵ではなく、俺と離れるつもりもないらしい。
 ならこの子から情報を聞
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