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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第三話
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ざけている場合じゃないですよ。本当に大丈夫なんですか?」

「だ、大丈夫だよ、緊張しているだけだから」

「緊張したら、そんな顔になるんですか?はははははははhh」

 彼女はなぜか腹を抱えて笑った。お辞儀をするように腹を抱えているので、シャツの隙間から谷間がいい感じに見えた。
 も、もう少し屈むだけでで全体像が…… いつもは何とも思わないんだが、この時ばかりは色気のおかげで嫌な緊張はほぐれてきた。

「タスク兄さん、これ」

 彼女の後ろにまわしていた手から簡略式水筒が飛び出してきた。

「お、サンキュー」

「お守りとして持っていってください。勝って必ず私に返すこと! いいですか?」

 彼女は、あざとく俺の顔を覗き込むように見ると、可愛らしい笑顔が溢れ出た。

「まあ、一勝はできると思う。見といてくれ」

「はい! 応援していますね」

 話を終えると闘技館に入った。もう少しで開会式が始まる。

 第1試合を終え、開始まで待合室で待機していた。
 ユウから貰った水筒を一飲し、瞑想をして集中力を高める。

「佐部佑、準備を」

 係の矢吹が俺にそう告げた。

「うっす」

 そう言い太ももを叩いた。良い感じに体も出来上がっており集中力も随分とある。

「佐部佑、入場をお願いします」

 アナウンスがそういった。カーテンを抜ける。
 直径50メートルの円内の中央にして、二本の白線がある。そこまで真っ直ぐと進み、相手の選手が出るまで待機していた。場内には観客席がある。歓声は無いが、俺とその対戦者を取り囲むように、学園の生徒が満遍なく並んでいた。

 前から卍城王也が入場してきた。彼の人気が高いのか歓声が一斉に上がる。
 卍城王也の外見は、中途半端に長い髪が、顔のセンターで分かれている。顔は色白のイケメン、背は俺と同じくらいだろうか。いや少しあちらの方が大きいようだ。
 白線に止まると、手を顔に当てた。

「俺の名前は(ここから先は声が低すぎて聞き取れない)」

 そう彼が言った。
 うわっ…… なんだこの嫌悪感は。
 こんな残念イケメンがBランクときたもんだから、とても不条理な世界だなとそんな物思いにふけってしまった。
 いかんいかん、戦いに集中だ。

「両者、武器の確認を」

 アナウンスが確認をとる。
 武器の確認をする。
 ランク祭では、各々が好きな武器を使える。銃は2丁に刃武器は三本までとのこと(代わりにオリジナルの武器を使うこともできる)。開始と同時に能力を使うことが許可される。周りを囲む白線から出ると即失格となる。勝つためには先に相手を倒す(文字通り)ことと、白線に相手を追い上げること。一応ここは傭兵学校、殺し合いになることもある。一歩
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