暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
人形-マリオネット-part5/揺れ動く心
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だったわけ!?馬鹿にしていたの!?」
「あなたたちに芝居を持ちかけたのも、調べと私の野望を果たす準備を整えるまでの時間稼ぎのようなものよ。どんな手を使えば、あのウルトラマンを貶められるのか、私の復讐を果たせるのか…ね」
「復讐…?それがあなたの目的なのか」
ジュリオが目を鋭く細めながらウェザリーに言う。
「ええ、そうよ。ハルナを人形として操っているのも、そのためよ」
「なんてことをしたのよ!人をなんだと思ってるわけ!?」
ルイズは、確かに恋敵に当たるものの、ハルナとは確かな仲間同士であると見ている。その仲間を、自分の道具のように好き放題利用して嘲笑うこの女に対して激しい怒りを覚えた。何より、こいつのせいでサイトが苦しんでいると考えると、さらに怒りが込み上げてきた。
しかし一方で、ウェザリーはルイズの発言に対して眉を顰め、次の瞬間大声で怒鳴り散らした。
「人をなんだと思ってる…ですって?それは私の台詞だ!汚らわしいトリステイン貴族が!!」
「「「!?」」」
突然さっきまでの余裕ある佇まいから、声を荒げてきたウェザリーに、三人は驚く。
「私の故郷は……私の家族は……お前たちトリステイン貴族のせいで取り潰され、何の咎もなく滅ぼされたのだぞ!」
「え…!?」
「私のこの耳を見るがいい」
ウェザリーは自分の頭の上に生えている、獣の耳を見せながら話を続けた。
「私の母は獣人だった。トリステイン貴族だった父はそれを知ったうえで母を娶り、私を生んで育ててくれた。大好きな家族に愛され、大好きな芝居を共に見て物語を楽しむ…幸せだった。
獣人だからなんだというの…別に悪事を働いたわけでもなく、寧ろ種族に関係なく数多の人たちを幸福に導こうとした父と母がこの国に何をしたというの…それを、それを!!」
その時のウェザリーの表情は、憎しみに囚われるあまり憤怒を全く隠せないほどの形相に変貌していた。
「あの男が……リッシュモンが私の家族を罠にはめた!!そのせいで両親や二人を慕う領民たちは殺され、家を取り潰され、私は闇の世界に落とされたのだ!」
「リッシュモン…だと…!?」
特に、アニエスがこの事実に衝撃を受けた。ここでまた、自ら興した暴動の後で死体となって発見されたリッシュモン高等法院長の名を聞くことになるとは思わなかった。アニエスやミシェルもまたリッシュモンのせいで人生に暗い影を落とされ、幼き日の幸せを奪われたというが…まさか、ここにももう一人いるとは。
「人を道具のように扱う…それは否定しないわ。でもね…少なくとも私にそうさせるようにしたのは、あの男をはじめとした腐れ切った貴族共だ!だから同じ苦しみを味あわせてやったんだ。リッシュモンが事件を起こしたあの夜に…ファウストを使ってね」
「じゃあ、リッシュモンを殺したのは…あなたなのね!?」

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