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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
神聖剣VS神速
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「もちろんだとも。アスナ君は我が《血盟騎士団》のサブリーダー。当然、報告する義務もある」

「義務か……」

俺には似合わない単語だった。

ライダーだった時の自分のことを報告されて、ヒースクリフが俺の正体に感づいているかもしれないと思うと、少しばかり不安になる。だが俺と初めて会った時からのヒースクリフは、すでに何かに気づいているようだった。最初から俺の正体を知っていたとはさすがに考えられないが、何か勘付かれているのは確かだ。

だがそれは俺も同じだった。ユニークスキル持ち、最強プレイヤーだったという単純な理由ではなく、俺も最初から何かを感じてた。直感が彼を《危険》だと言っていた。だからこそ彼に会うのを避けてきたが、それでは逃げてるも同然。もう逃げるつもりはない。これからは正面からヒースクリフを観察していくつもりだ。

俺は勘付かれないよう態度を今まで通りに振る舞い、訊く。

「俺を呼んだのは、74層についての事情聴取か?」

「いや、そのために呼んだわけではない」

「なら用件はなんだ?」

ぶっきらぼうな俺の台詞に、ヒースクリフはすぐさま答える。

「実は、キミの他にもう1人呼んでいるのだよ」

「もう1人……」

「いや、正確には2人だな」

ヒースクリフが呼ぶ人物なら、大抵はギルドリーダーや能力の高いプレイヤーだが、74層の一件以来に呼ばれる者が俺以外にいるとしたら、それは間違いなく彼と彼女の2人に違いない。

「キリトとアスナか」

「お見事。そのとおりだ」

天晴(あっぱれ)という感じで褒められても、俺は素直に喜ぶことなどできなかった。

「キリトがいないと進められない話なのか?」

「そう解釈してくれて構わんよ」

話の意図がまったく掴めなかった。いったい俺とあの2人を揃えて何をしたいのか。俺の中ではすでに、ヒースクリフという男に対する疑惑がますます上がった。

その途端。

俺が入ってきた扉が再び開かれた。振り向くと、服装から装備の全てを黒で整えた剣士と、血盟騎士団のユニフォームを身に(まと)った細剣使いが扉を潜って部屋に入ってきた。

「ネザー!?」

「ネザー君!?」

扉から部屋の中に入った途端に出てきた言葉は挨拶ではなく、俺がこの場所にいる驚きの台詞だった。俺は面倒になる前に、「俺も呼ばれたんだ」と短い言葉を放ち、2人を納得させた。

「キリト君、アスナ君。キミらも到着か」

2人が来ることをあらかじめ知っていたヒースクリフは、驚きの表情を見せることなく声を掛けた。

「それでは、全員揃ったところで本題に入ろう」

ようやく自分が呼ばれた本当の理由について聞くことができると思う俺は、ヒースクリフの顔を真っ直ぐに眺め
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