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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
殺意と変異
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ヒースクリフとのデュエルから2日が経過した。第50層《アルゲート》にある馴染みの店。《エギル》の雑貨屋の2階だ。今この場所では、キリトが哀れな道に歩み掛けていた。

「な……なんじゃこりゃあ!?」

「何って、見た通りよ。さ、速く立って!」

アスナが強引に着せ掛けたのは、キリトの新しい一張羅(いっちょうら)だった。慣れ親しんだロングコートと形は一緒だが、色は眼が痛くなるような純白。両襟(りょうえり)に小さく2個と、背中に1つ巨大な真紅の十字模様が染め抜かれている。言うまでもなく血盟騎士団のユニフォームだ。

「……じ、地味な奴って頼まなかったっけ?」

「これでも充分地味なほうよ。うん、似合う似合う!」

「《黒の剣士》の名が泣くぞ」

と、揺り椅子に座り込んでいた俺の一言が、キリトを更に哀れへと追い込んだ。

「もお!そんなこと言わないの!」

アスナが頬をプクッと膨らませながら睨んだ。

一方、俺の一言を聞いたキリトは哀れむだけでなく全身脱力してもう1つの揺り椅子に倒れ込むように座った。

ヒースクリフに出された条件どおり、血盟騎士団に加入したキリト。2日間の準備期間が与えられ、明日からギルド本部の指示に従って75層迷宮区の攻略を始めることになった。

キリトが揺り椅子の上でうめいてると、すっかりそこが定席だとでも言うようにアスナが肘掛(ひじかけ)の上に腰を下ろした。キリトのおめでたい(なり)が愉快なのか、ニコニコ顔でギコギコ椅子を揺らしていたが、やがて何かを思いついたように軽く両手を合わせる。

「あ、ちゃんと挨拶してなかったね。ギルドメンバーとしてこれからよろしくお願いします」

突然ペコリと頭を下げるので、キリトも慌てて背筋を伸ばした。

「よ、よろしく。……と言っても俺はヒラで、アスナは副団長様だからなあ」

右手を伸ばし、人差し指で背筋をつーと撫でる。

「こんなこともできなくなっちゃったなぁー」

「ひゃあ!」

悲鳴と共に飛び上がったアスナは、ポカリとキリトの頭をどつくと向かいの椅子に腰を下ろし、プウと頬を膨らませた。

晩秋(ばんしゅう)の昼上がり。気だるい光の中で、しばしの静寂(せいじゃく)が訪れる。

ヒースクリフとの闘いに敗北した俺のほうが、キリト以上に哀れに見えていた。いや、哀れと言うより、物思いに(ふけ)ってると言ったほうが正しいだろう。今までモンスター撃滅、プレイヤーとのデュエルで一度も敗北したことのない俺にとって、ヒースクリフとのデュエルはSAO世界において初めての敗北だった。

だが俺はそれ以上に、ヒースクリフの動きが気掛かりだった。最後の一撃を撃ち込む時、奴はあまりにも速すぎた。プレイヤーならまだしも、普通の人間にあんなことがで
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