暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
二刀流
[1/10]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
運悪くリザードマンの集団に遭遇してしまい、俺達9人が最上部の回廊に到達した時には安全エリアを出てから30分が経過していた。途中で軍のパーティーに追いつくことはなかった。
「ひょっとしてもうアイテムで帰っちまったんじゃねぇか?」
おどけたようにクラインが言ったが、俺達は皆そうではないと感じていた。わざわざマッピングデータまで手に入れたのだから。長い回廊を進む足取りが自然と速くなる。
半ばほどまで進んだ時、不安が的中したことを知らせる音が回廊内を
反響
(
はんきょう
)
しながら俺達の耳に届いてきた。
咄嗟
(
とっさ
)
に立ち止まり耳を
澄
(
す
)
ませる。
「あぁぁぁぁ……」
かすかに聞こえた声は、間違いなく悲鳴だった
モンスターのものではない。俺達は顔を見合わせると、一斉に駆け出した。
敏捷力
(
びんしょうりょく
)
パラメータに勝る俺、キリト、アスナの3人がクライン達を引き離してしまう恰好になったが、この際構っていられない。青く光る濡れた
石畳
(
いしだたみ
)
の上を、先ほどとは逆の方向に風の如く
疾駆
(
しっく
)
する。
やがて、彼方にあの大扉が出現した。すでに左右に大きく開き、内部の闇で燃え盛る青い炎の揺らめきが見て取れる。そしてその奥で
蠢
(
うごめ
)
く巨大な影。断続的に響いてくる金属音。そして悲鳴。
「バカッ……!」
アスナが悲鳴な叫びを上げると、更にスピードを上げた。俺とキリトも
追随
(
ついずい
)
する。システムアシストの限界ギリギリの速度だ。ほとんど地に足を付けず、飛んでいるに等しい。回廊の両脇に立つ柱が猛烈なスピードで後ろに流れていく。
扉の手前で俺達3人が急激な減速をかけ、ブーツの
鋲
(
びょう
)
から火花を撒き散らしながら入り口ギリギリで停止した。
「おい!大丈夫か!」
キリトが叫びつつ半身を乗り入れる。
扉の内部は、地獄絵図だった。
床一面、
格子
(
こうし
)
状
(
じょう
)
に青白い炎が噴き上げている。その中央でこちらに背を向けて
屹立
(
きつりつ
)
する、金属質に輝く巨体。青い悪魔《ザ・グリームアイズ》だ。
禍々
(
まがまが
)
しい山羊の頭部から燃えるような呼気を噴き出しながら、悪魔は右手の
斬馬刀
(
ざんばとう
)
とでも言うべき巨剣を縦横に振り回している。まだHPバーは3割も減っていない。その向こうで必死に逃げ惑う、悪魔と比べて余りにも小さな軍の部隊。
もう統制も何もあったものでもない。
咄嗟
(
とっさ
)
に人数を確認するが、2人足りない。殺られたか、結晶で転移したか__。
そう思う間にも、1人が
斬馬刀
(
ざんばとう
)
の横腹で薙ぎ払われ、床に激しく転がった。HPが赤い危険域に突入している。どうしてそんなことになったのか、軍と、俺達のいる入り口との間に悪魔が
陣
(
じん
)
取っており、これでは離脱もままならない。キリトは倒れ
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ