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014「妖精さん、プラチナの理想を知る」
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あ。シルバー様には、すでにお分かりだと思いますが、この領地は、亜人の難民たちで構成されているんです。
各地から、豚人間や、人間の迫害から逃げてきた亜人ばっかりだから、まったく纏まりがありません。
価値観の相違って難しいですよね」

『プラチナたん、正直だお』
『マイナス情報ばっかりwwww』

「あ……うん………」

『妖精さん元気だせ!』
『妖精さんwwwwいつも適当な返事だなwww』
『イケメンだから、許される返答なのぜ』

「シルバー様は、亜人の定義を知っていますか?」

「いや、知らないよ」

「シルバー様の生きた時代には、亜人という概念がなかったんですかね?」

これはさすがに、シルバーには説明しようがない。
地球出身だし、自分が暗黒王子というのは、嘘なのだから。
でも、今更、否定するのも辛いから――新たな嘘を重ねる道を、迂闊にも選んでしまった。

「……今の俺は、千年前の記憶がないんだ。
シルバーという名前だけは憶えている。
正直、自分が暗黒王子なのかもハッキリ分からない」

『記憶喪失設定』
『嘘を嘘で誤魔化すと、いつか破たんしますよ!妖精さん!』
『妖精さん、考えたお。これは応用が効く嘘だお』

「なるほど千年も封印されて、耄碌したんですね!
大丈夫ですよ!シルバー様!
まだまだ見た目は若いです!智謀も冴えてます!安心してください!」

『プラチナたん毒舌だけど、可愛いから許すお』
『俺も銀髪ロリに罵られたい』

話が脱線しかかっていた。だから、プラチナは強引に話の道筋を元に戻した。

「亜人を知らないシルバー様に、亜人の概念を教えますね……亜人とは、すなわち、人間とは違う劣った生き物。
略して亜人です……って、人間達は言ってますけど、もちろん違います。
皆、決して人間に劣った種族ではありません。
それぞれ得意分野が違うだけなんです」

『どこをどう省略すれば、亜人になるんだ。意味が分からん』
『きっと、異世界語なんだよ、お前ら理解しろよ』
『劣った人間を略したら劣人だお?
あれ?プラチナたんの口を見たけど、日本語を喋ってないお』
『なるほど、翻訳されているのか……すげぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
『リアルタイム翻訳wwwww』
『ちょwwwおまwwwwwさりげなく凄い技術が使われている件www』

「シルバー様も、ここが亜人最後の地上の楽園だと知って、ここに来たんですよね?
あ、記憶喪失でしたっけ?」

「……うん」 『地上最後の楽園wwwwどこの北朝鮮の宣伝文句www』

「僕は、元々は人口1万人ほどの小国のお姫様だったんです。
でも、豚人間達のせいで、次々と領土が奪われて、姉たちは行方不明……残ったのは、この森林に覆われた辺境
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