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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第107話
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12月23日―――



〜カレイジャス・ブリッジ〜



「紅き翼”カレイジャス”――――ジャジャ馬かと思ったが意外と素直な良い子じゃないか。フフ、この雲を切る感じ……思わず惚れてしまいそうだよ。」

カレイジャスの一員となり、操縦席に座ったアンゼリカは口元に笑みを浮かべた。

「す、凄いアンちゃん……もうモノしちゃうなんて。」

「フウ、御見逸れしました。やっぱりここは先輩に任せた方がよさそうですね。」

カレイジャスの操縦を完璧にマスターしたアンゼリカにトワは驚き、今まで操縦を務めていた士官学院生は溜息を吐いた後アンゼリカに操縦士を譲る事に決めた。



「フッ、ありがとう。艦の副長及び主操縦士の任―――改めて引き受けさせてもらうよ。」

「ふう、さすがというかなんというか。」

「はは、やっぱり乗り物に関してはアンの右に出る者はいないかな。」

「ん、これなら安心して任せられそう。」

「窮地に陥った時になったら、絶対逃げ切ってくれそう……」

「ゲ、ゲルドさん……それ以前に窮地に陥らない事が一番ですよ……」

フィーと共に頷いたゲルドの言葉を聞いたセレーネは冷や汗をかいて指摘した。



「―――さて、とにかく無事にルーレを解放できたわけだけど。今回の一件で、この内戦の戦況は大きく動いたといえるわね。」

「四大名門の一角、ログナー侯爵とノルティア領邦軍の離脱……貴族連合にとってはかなりの痛手のはずだ。」

「ええ。ただでさえ我々メンフィルの作戦によって多くの”裏の協力者”達を失ったばかりか、総参謀や旗艦まで失ったのですから、その被害は今の貴族連合にとって甚大なものと思われますわ。」

「……それにノルティア領邦軍が貴族連合から離脱してくれると言う事はノルティア州に隣接しているユミルが三度目の襲撃をされる可能性が減ったという意味になりますね……」

「そうだな……」

ユーシスの意見にシグルーンは頷いて説明を更に続け、安堵の表情をしているエリスの言葉にリィンは静かな表情で頷いた。



「ノルド方面の第三機甲師団―――ゼクス中将たちもある程度動きやすくなるかもしれないな。」

「貴族連合の圧倒的有利は大きく揺らぎつつある……か。」

「まー、”帝国東部では”がついちゃうみたいだけどねー。西部のほうは相変わらず圧倒的に優勢みたいだし。」

「うん……オリヴァルト皇子からも連絡が届いていたけど。オーレリア将軍にウォレス准将っていう人達が物凄い戦果を上げてるみたいなの。しかもその二人がメンフィルに処刑されたユーシス君のお兄さんの代わりを務めて、貴族連合軍全体の采配をしているらしいの。」

ミリアムの話にトワは辛そうな表情で頷いて説明を続けた
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