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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第106話
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マスターしていましたから。」

「……一体どういう経緯があって、平民のレン姫を養子にしたんだ?」

プリネの答えを聞いてある事が気になったマキアスは不思議そうな表情で尋ねた。



「詳しい事は色々と事情があって説明できないのですが……―――あの娘は過去、とある犯罪組織に誘拐され、長期間人体実験をされたんです。」

「なっ!?」

「人体実験ですって!?」

プリネの答えを聞いたラウラとアリサは血相を変え、他の者達も驚きの表情をしていた。



「プリネさん、いいんですか?その事を話してしまって……」

「ええ。セドリック皇子の件でレンの事が誤解されたままにする訳にはいかないしね。」

ツーヤに尋ねられたプリネは静かに頷き

「あの、プリネさん……先程ある犯罪組織が人体実験をレン姫にしたと説明しましたが……」

「一体どんな犯罪組織なんだ!?そんな犯罪組織、国際犯罪組織と言ってもおかしくないぞ!?」

エマは真剣な表情でプリネを見つめ、マキアスは厳しい表情で声を上げた。



「……――――”D∴G教団”。数ヵ月前、クロスベルで大事件を起こした組織です。」

「”D∴G教団”……!」

「”空の女神”の存在を否定し、悪魔を崇拝したと言われている宗教組織か。」

「……空の女神を……」

「……あの組織か。」

プリネの話を聞いたリィンは驚き、ユーシスは目を細め、ガイウスは信じられない表情をし、フィーは静かに呟いた。



「かつてレンはその組織に誘拐されて、数々の人体実験を施され……その組織の壊滅の為に各国と連携して動いたお父様達が救出した際、”地獄”すら生温い光景だったと聞いています。」

「じ、”地獄すら生温い光景”ですか……?」

プリネの話を聞いたセレーネは不安そうな表情をし

「――リウイ陛下達が人体実験をされた子供達が集められていると思われる場所に踏み込んだ際、そこには”人としての原形すら残していない”死体の山で、その中にレンさんだけが生きていたんです。」

「ひ、”人としての原形すら残していない”って……」

「外道が……!」

「………なんで………なんでそんな連中が存在を許されてるんだ………ッ!!」

「……吐き気がしてきたわ………」

ツーヤの説明を聞いたマキアスは表情を青褪めさせ、ラウラとリィンは怒りの表情で声を上げ、アリサは厳しい表情で呟いた。



「―――幸か不幸か、”教団”の人体実験を受けても生き残っていたレンはお父様達に救出された後、お父様達の事を”自分の本当の親だと思いこんだ”事がきっかけで、お父様とお母様がレンを養子として引き取ったと聞いています。」


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