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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第19話 二人の初春
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ソとサソリが説明すると初春の顔が傍目からでも驚愕しているような表情に塗り替えられていく。
「ええええー!!そ、そんな事無理ですよ!」
「これぐらいしか手が見つからん。オレだってやりたくてやる訳じゃねーよ」
「ふえええ......自信ないです」
「自信無くてもやるぞ。腹を決めろ」
サソリは、呼吸を整えるようにニ、三度深呼吸をする。

打ち合わせが終わったサソリと初春を木山は、やや傍観者のように見ていた。

作戦を立てたか
さて、どう来る?
どんな組み合わせでも彼女を集中的に狙うことには変わりない。

「いくぞ!」
「はい!」
腹を決めたように初春が声を出して、腕を前に構えた。
サソリは印を結び、辺りの砂をサソリと初春をすっぽり包み込んだ。
「?」
木山は頭から流れ出ている血を拭う。
来たるべき戦闘を予想して、足先に緊張感を高めた。

そして砂が止み、ドーム型に集まっていた砂が風に飛ばれて中から全く同じシルエットが浮かびあがった。

手錠をはめたまま、瓜二つの姿形をした初春が二人となって木山の前に出現する。
「!!?」
木山は瓜二つの二人の初春を左右交互に見ている。
「私が初春ですよ」
「いや、私が初春です」
木山に向けて勝ち誇るような笑顔で二人の初春が主張をすると、クルッと向きを互いに右と左を入れ替えて向くとそれぞれ別々に走り出した。

木山は固まったままポケットに入れていた手を出して、処理が追いつかない頭を描き上げた。
「こ、これは.......?」

サソリの作戦は、変化の術を使い自分を初春そっくり変えて木山を撹乱するという策だ。
忍の隠密行動には絶対に必要とされる変化の術。
サソリのズバ抜けた観察力が威力を発揮する。
声も仕草も同じようにしているため、木山にはどちらが本物か判別できないようだ。

「どうしました?私が本物ですよ」
「違いますよ。そっちは偽物さんです。こちらが本物です」
木山を挟み込むように一定の距離を取って二人の初春が声を出した。
同じ声の二重奏に木山は混乱する。
「くっ!」
木山は前にいる初春に向けて、炎を浴びせようとするが。
もう一人の初春が指をメガホンのようにして包み、声を拡声させる。
「そっちで良いんですね。サソリさんだったら強烈なカウンター攻撃を用意してますから」
「な!?」
木山の動きが初春の一声で止めた。

目の前の初春は歳相応に笑顔を見せている。
「ほらほら、向こうが本物かもしれませんよ。それとも私に攻撃します?」

分からない
どちらが本物が分からない......

攻撃の手がたじろいだ瞬間にほぼ同時に初春達は指を動かし、引っ張る動作をする。
すると、チャクラ糸で繋がれた足が後ろに引きずられ木山は前から地面に
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