暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第十六話。魔女の代償……
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
くらいかな?」

普通の人の献血が一回で400o?だから……キリカの場合、一回で800o?くらいか?
年間だと1200o?までしか献血できないから一回蟲達に献血しただけでかなりの血液を失う事になるんだな。
『魔女』が支払う代償って大きいんだな。

「魔女とはいえ、辛くないか?」

「あは、ありがと、モンジ君。辛くないと、魔女じゃないんだよ」

『魔女』だからこそ、辛くても『代償』を支払う、か……。
魔女の大変さを知ってしまったな。
一見なんでも出来るように見えて、その実、支払うのが大変。
だけど『強い魔女』として君臨する為には、それらを余裕で支払っているフリをしないといけないわけで。
……ロアっていのは、自分も他人も騙しながら生きていかないといけない存在なのかもな。
そんなキリカの代償を聞いた俺は、キリカの魔術が万能だからといって、あんまりキリカを頼る事はしないようにしよう、と心に誓った。

「他のロアもそういう辛い代償とかあるのかな?」

「ない場合がほとんどかな。完全に『物語』や『伝説』をなぞっているからこそ、特殊な力を使えるのがロア達なの」

「なるほどなぁ。それじゃあ、キリカから見たら他のロアは結構チートに見えるのかな?」

『魔女』はどこの国に行っても大抵通じる存在だが、その実、結構弱点が多くあって、苦労するようで。『魔女』以外の他のロアは、大抵、代償もなく能力が使えるようなので『魔女』であるキリカからしたら結構不憫なのかもしれないな。『魔女』というロアは。

「う〜ん……他の子は他の子で、ちゃんと手順を踏んで、きちんと名前を残さないと消えちゃうからその辺りが大変そうだけど。私はその点、いつ力を使うのも自由だし、何を食べるのも自由だし。消える確率もほとんどないからね」

「なるほどね……キリカなら普通にしてるだけでも、可愛い『小悪魔』っ子とか噂されてるからね」

「あはっ、ありがと」

キリカの嬉しそうな笑顔を見ると心が和むな。
やはり、今後も俺や一之江が現地調査で、キリカが情報担当の癒しキャラ役の方がいいのかもしれないな?

「って、話大分逸れたね」

「そうだね。まあ、記憶の操作そのものはそこまで難しくないんだけど」

「そうなのか?」

「うん。『そういう逸話』があればいいだけだから。例えば『魔女』の場合、『いつの間にか貴方の隣にいて、当たり前のように生活しているかも?』みたいなお話あるじゃない」

「ああ、聞くといかにもそれっぽいな」

「私の記憶操作はそれを利用したものだから、ある意味ロアにしてみるとベタな力かな」

記憶を操る、なんて万能な力っぽいが、キリカみたいなロアからすると別に凄い事ではないみたいだ。

「今回の場合、厄介だな、とは思う
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ