本気の手助け。失いたくない物の為に
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「ふふっ。そうかね。
では、私は帰るとするよ。下校時刻はあと40分か」
「いえ、もう帰ります。残りは家でやりますから」
「そうかね?なら帰るとしよう」
俺は荷物を纏め、鞄に詰め込む。
「なぁ、鳴滝」
「何ですか?」
不意に平塚先生は俺の名前を呼ぶ。
「いや、何でもない。さぁ帰ろう」
「?」
何かをいいかけた平塚先生だったが、俺はあまり気にせずに帰宅するのだった。
「城廻先輩、この書類にサインが欲しいんですけど」
翌日、放課の合間に三年のクラスへと赴き、城廻先輩にそう言った。
ここへ来る間に「何でここに!?」みたいな目で見られまくったが気にせず、やっとのことで到着した。
「おはよう鳴滝君。サインだね…………うん。
これはしょうがない事だよね…残念なことだけど、解ったよ」
「ありがとうございます」
サインを記入した城廻先輩は用紙を俺に渡す。
これで後は雪ノ下の所へ行けばクリアされる。
”キーンコーンカーンコーン”
「チャイムか…」
「これから大変だけど、頑張ろうね?」
「はい。失礼します」
俺は教室へと戻る。
しかしながら今更教室へと戻っても途中入室に変わりないので、そのまま会議室へと向かって残りの仕事を片付けることにした。
”キーンコーンカーンコーン”
「ん、チャイムか。J組に向かうか」
俺は用紙を纏め、立ち上がった。
「―――休み?」
「え、ええ……体調不良って…言ってました」
j組に到着したのだが、雪ノ下の姿が見当たらず、たまたま近くにいた女子生徒に聞いてみたところ朝のホームルームで教師がそう言ったらしい。
「そうか。分かったありがとう」
「い、いえ!」
やっぱりJ組にまで俺の噂は回っているようだ。
話している最中にも周りから「かわいそー」とか「大丈夫かな…」とか聞こえてきた。
しかし雪ノ下が休み……無理が祟ったのか。気づいてやれば良かったのに…くそ!
「……平塚先生なら知ってるか?」
先ずは教室へと向かって授業を受けることにする。
昼放課の時間にでも職員室に向かうようにしよう。
「何?雪ノ下の住所?」
「はい。平塚先生なら知ってると思いまして」
昼放課、早速職員室に向かった。
平塚先生は俺の言葉に訝しげな目を向けた。
「何ですかその目は…」
「いやね?弱っている雪ノ下に対して狼にでもなったりしないだろうかと?」
「狼?……すみませんが、いってる意味が良く分からないんですけど」
「襲ったりしないかなって言う意味さ」
「なっ!馬鹿言ってんじゃないよ
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