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元虐められっ子の学園生活
本気の手助け。失いたくない物の為に
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う」

「頼む。これ以上の無理をしないでしくれ」

俺は土下座で頭を下げた。

”ピリリリリッピリリリリッ”

「ご免なさい。電話だわ」

気まずそうに雪ノ下は受話器を取る。

「はい。…はい…大丈夫です……ファックス?……ええ…失礼します…」

雪ノ下は受話器を戻した。
しかしファックスとなると必要な書類が送られてくるのだろうか。
雪ノ下はファックスもとへ行き、送られてきた紙を見て固まった。

「おい、どうした?」

「ひゃっ!な、何でもないわ///」

「なっ!?顔赤いぞ!熱があるんじゃないのか!」

雪ノ下はみるみる顔が赤くなり、ふらふらと机に戻る。
そして書類にサインを書き、昨日渡された相模の判子を押した。

「これでいいかしら…」

「あ、ああ。
だが、何で急に…誰からの電話だったんだ?」

180度意見が変わった雪ノ下にビックリする。
雪ノ下は未だに顔を紅潮させ、俺と顔を合わせないようにしている。

「私の知人よ…」

あらぬ方を向いてそう言った雪ノ下。
おかしい…普段の雪ノ下ならば確りと目を見て話す筈なのに…。

「ちょっとその紙見せろよ」

「だ、ダメよ!これは…!」

俺の言葉にパッと後ろに隠す雪ノ下。

「良いから見せろ!」

俺は雪ノ下の後ろに手を伸ばす。
抵抗する雪ノ下は中々隙がなく、それでいて必死に隠そうとする。
そして―――

「あ……」「ん?………」

俺が雪ノ下を押し倒すような体制で固まってしまった。
二人して顔が赤くなり、俺は慌てて飛び退いた。

「わ、悪い!」

「いえ、別に…」

沈黙。
お互いになにも話さず、静かに時間が過ぎていく。
因みに取ろうとした紙は雪ノ下が折りたたみ、胸ポケットへとしまってしまったため、取り出しが不可能になってしまった。

”ピンポーン”

「客…か?」

「そ、そうね」

た、助かった…気まずいなんてものじゃなかった!
と、兎に角、これに乗じて帰るしかない!

俺は例の用紙を鞄に入れて玄関へと向かった。

「あ…」

「お、お邪魔だったかな?」

玄関には比企谷と由比ヶ浜がいた。

「いや、俺はこれから帰るところだったから」

俺は靴を履いて外へでる。

「雪ノ下。取り合えずサインありがとう。
体調治してまた学校でな」

「え、ええ。また…」

あの二人にいらない誤解を与えた気がするが、取り合えず帰って仕事を終わらせよう。
俺は早足に家路を辿るのだった。

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