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妖精の義兄妹の絆
咎の炎と竜水
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時間を少し遡りここは1番魔水晶
ナツとゼロが戦っている所に不敵な笑みを浮かべたジェラールが乱入していた。

オオオオオ

「ジェラー…ル…。」
ナツは今にもジェラールを襲いかかるかのような目でジェラールを睨み続けた。
かつて自分の仲間であるエルザの心と体を傷つけエルザの友をその手にかけた憎き相手。
「貴様、記憶が戻ったのか。」
ジェラールは短く答えた。
「あぁ。」
ジェラールが答えたのと同時にナツが抑えていた怒りを爆発した。
「ジェラァアアアアゥル!!!!!」
ジェラールはナツが飛びかかるのをただ冷静に対処する。

スゥ…



ボゴォ

「くっ。」
先程と同様にナツに炎を浴びせた。
だが、
「オレに炎は効かねぇぞ。」
ナツは炎の滅竜魔導士。いかなる炎でもたちまちに吸収し自身の魔力に変える事ができる。
「知ってるさ。思い出したんだ。












ナツという希望をな。」
「何!?」
「ア?」
ジェラールが放った言葉の真意にゼロとナツは分からないでいた。
「炎の滅竜魔導士。その魔力は炎の力で増幅する。」
(「炎の…力で…。」)
ナツは体にまとわりついている炎を見る。その炎からは悪意を全く感じなかった。
「貴様…記憶が完全に戻ってないな。」
「言った通り“ナツ"を思い出しただけだ。ニルヴァーナは止める!立ち位置は変わらんぞ、ゼロ。」
「何だよ…記憶って…。」
ナツには二人が何のやりとりをしているか理解できなかった。
それをジェラールが説明する。
「オレにはこの地で目覚める以前の記憶がない。最低のクズだった事はわかったが自覚がないんだ。
どうやら、君やエルザをひどくキズつけたらしい…。
だが、今はタクヤたちのギルドを守りたい。ニルヴァーナを止めたい。君たちの力になりたいんだ。」
ジェラールは自身の罪と向き合い、その償いになるかはわからないが
今は全力でニルヴァーナを止めたいと思っている。
だが、それはジェラール自身が思っている事だ。ほかからはその思いは伝わる事はない。
「ふざけんなァッ!!!!!」

ドカッ

ナツは豪快にジェラールを殴る。
「あの事を忘れたって言うのか!!!?何味方のフリしてんだテメェ!!!!」
「頼む…ナツ…。今は炎を受け取ってくれ。」
ジェラールはナツに懇願した。自分は責められて当然の人間だ。忘れてしまっても罪が消えるわけじゃない。
だが、そうしてずっと後悔したままじゃ目の前で起きている悪事も、
助けを求めている声も聞こえなくなってしまう。だからジェラールは動いた。
だが、
「オレは忘れねぇ!!!!エルザの涙を!!!!












お前が泣かしたんだ!!!
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