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無欠の刃
下忍編
恋敵?
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 「僕の名前は、ロック・リーです。失礼ですが、貴方の名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 幻術を見破り、試験の会場に向かおうといている七班の面々は、そう、声をかけられた。自らのチャクラコントロールが前よりも成長し、普通の幻術使いにも勝るとも劣らなくなってきたことに喜んでいたサクラは、その言葉に、一瞬立ち止まり振り返る。
 緑の全身タイツを見事に着こなしている、太い眉の少年は、サクラが振り返った瞬間に顔を真っ赤に染める。サクラはその少年を訝しそうに見つめながら、名前を告げた。

「春野、サクラですけど…」
「春野サクラさん!! ああ、何て名前通りの美しいお方なんだ」

 そう言って、更に頬を赤く染め、サクラに熱い視線を注ぐロック・リー。
 なんか変な奴が来たなと、思わず目を細め、班の仲間である人間を探そうとサスケは辺りを見回すが、しかし、仲間らしき人影は見つからない。どうやら独断行動の様だと判断し、どうしたものかとリーを見る。
 ロック・リー。カトナが嬉しそうにサスケを抱きしめながら、嬉しそうに話してきた人物だという事でよく覚えている。抱きしめられたことに喜ぶべきか、他の男のことを話されているのに嫉妬すべきかと悩んだことはよく覚えている。
 なんでも、ナルトが入学できる体術クラスを作ってくれた恩人のような存在であるらしく、体術の腕は並外れているらしい。その代り、忍術の才能は点でないらしいが。
 敵にしたら厄介そうな男だ。警戒は、しとくにこしたことないかと思いつつ、現在目の前で繰り広げられている、サクラに向けて贈られる熱烈な愛のプロポーズを聞いていた。

「絶対に、貴方を幸せにしてみせます!! だから僕と結婚してください!!」
「いやです! 私、好きな人がいるんで」
「?! それはだれですか!? 僕より強い人なんですか!?」
「え、えっと」

 ちらりとサスケを見やり、もじもじとサクラは指を擦り合わせる。そこはやはり女の子というべきか、好きな人が目の前にいるのに告白は出来ないらしく、恥ずかしそうに、しかし、分かりやすくサスケの方を伺っている。
 普通の人ならば、すぐさま、サクラの好きな人がサスケと気づくだろうが、しかし、彼女に惚れたのは熱血の象徴ともいえる、ロック・リーだ。
 好きな人とやらが誰か気が付かないらしく、なぜですかぁぁ!! と嘆き悲しむ様子を見て、サクラが引きつった顔になる。どうしてこうなったのだという嘆きの念を浮かべつつ、カトナの手を掴んで問いかけるサクラとリーの顔と見比べて、カトナは、ぽんと手を打った。
 かと思うと、真剣な顔でサクラを睨み付けるようにして、声を低くして言う。

「…サクラ、恋人、作る、止めない。けど、敵は、敵」
「違うからね!? 私はこの人と初対面だからね!?」
「…も
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