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無欠の刃
下忍編
恋敵?
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トナは笑い、そのまま、足を床に向けて叩きつける。とっさに体を丸めてリーは衝撃を殺したが、カトナはそのまま追撃の手を緩めず、短刀を振り下ろす。
 衝撃で、一瞬息が詰まったが、しかし、リーの体は自分の意思とは無関係に咄嗟に反応し、カトナの短刀を蹴り飛ばす。
 流石に反撃が来るとは思っていなかったカトナが僅かに動揺し、短刀が力の方向に沿って飛んでいき、歩いていた三人の中の一人の首筋に向かう。
 ふと振り返った金髪の二つくくりの女が目を見開き、少年に向かって叫ぶ。

 「我愛羅!!」

 その言葉に、少年が後ろを振り向き、眼前に短刀が迫る。

 あ。
 カトナのその声が漏れた瞬間。
 どくりと、心臓が高鳴り、何かが共鳴したような感触が全身に走る。
 なんだこれは。
 …共鳴?
 どこか感じたことがないような、しかしあったことがあるようなその感覚に、カトナが思わず静止した時、少年が背負っていたヒョウタンから砂が漏れだし、カトナの短刀が砂の盾で止まる。
 化粧をした少年が血相を変えて、少年に向かって言う。

「我愛羅、大丈夫か!?」
「うるさい。この程度平気だ」

 そう返事をした少年が、短刀を持ち、跳ね飛んできた方向を睨み付け、カトナと、目が、あった。



 表向きに九尾の人柱力たる少女と、一尾の人柱力たる少年がその瞬間、邂逅した。
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