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無欠の刃
下忍編
中忍試験
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「一ヶ月に一回は木の葉にきて。私は医療忍者じゃないから、治療に失敗してたらやだし」
「わかった」
「お代は、ナルトと私と修行してくれることでいいし」
「それくらいなら、いつでも」

 安心したようにほほを緩ませる君麻呂の頭を撫でていたカトナは、そろそろ別れの挨拶が終わるであろう、サクラ達の方を見る。
 サクラは思ったよりも、ここでの人気者になったらしく、皆に惜しまれながら、特にイナリが止めるように手を掴まれている。
 対してサスケと言えば、カトナが見たこともない女子にまぁ、くっつかれて囲まれて。モテモテである。
 そんな二人を必死に引きずってくるカカシの様子にクスクスと笑いながらも、カトナは君麻呂を見つめる。
 霧の抜け忍である彼らは、追っ手がこないうちに、土の国のほうに行くらしい。白は早速その足と忍術をいかして偵察をし、再不斬は追っ手が来ていないのかを警戒している。
 本来ならばその役目をする筈だったが、まだ完全な調子とは言えない君麻呂は、その役目を取り上げられている。

「またね」
「…あっ」
「?」
「ありがとう」

 ぽかんと、カトナは呆気にとられて固まった。赤い瞳には驚愕の色が浮かび、まばたきを繰り返す目は、予想外のことだというのを、口よりも雄弁に語っている。

「おれい?」
「…再不斬さんたちを救ってくれた、お礼だ」
「なにいって」

 慌ててカトナが言葉を紡ごうとしたが、それを遮る様に、君麻呂が言う。

「…僕は役立たずで、きっと、君が居なかったら二人を助けたくても助けれなかった。だからお礼だ」
「役立たずなんかじゃ」
「…役立たずだよ、僕は」

 そういうと、君麻呂は目を伏せ、涙を隠すように俯いた。

 「夢を見るんだ。僕があったことが無い男の人が、僕を必要としてくれる。けれど、僕はそれにこたえられなくて、死んでしまうんだ」

 長髪の、女のような人だった。その人は君麻呂に目をかけていてくれて、君麻呂に優しくしてくれて、君麻呂に生きる理由を与えてくれたけれど、夢の中の君麻呂は、その期待に応えれなくて死んでしまうのだ。そして、君麻呂の死体を見て、その人が言葉を吐き捨てるのだ。
 『やくたたず』。
 夢の中の君麻呂は、その言葉に心を痛ませて泣くのだ。現実の君麻呂の心は、そいつになんといわれようと全くいたまないというのに、その人の姿が、徐々に再不斬に変わっていってしまって、どんどん夢と現実の境界があいまいになって、そこで夢は終わる。 
 ぐるぐると繰り返すうちに、君麻呂の体を少しずつその言葉は蝕んでいき、やがて『役立たず』と言う言葉は、君麻呂にとって、最も自分を表すのにふさわしい言葉になった。

 「僕は、二人にとって。いらない存在なんだよ」

 そういった君麻呂を、い
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