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艦隊これくしょん! タウイタウイ泊地の双子提督!

作者:ルイス
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第二話 第一艦隊結成!(電視点)

 
前書き
既に一人称にしてしまっているので、他キャラの心情を表すのが無理になってしまわれていたのでここから話の流れ的に面白そうなキャラを視点にしてみたいと思います。そして、ここからどうでもいい話ですがようやくユウキ・アリス提督はレベル4になりました。(プレイして一週間でこのレベル。なんて遅さだ、HAHAHA)

※暁型の皆様は提督じゃなくて司令官っと言ってるのね…… 吃驚。 

 
「えっと、ユウキ司令官からの報告によると、五人の艦娘ちゃんが完成したみたいなのです」

 電は座って書類と睨めっこしているアリス司令官に報告をすると、司令官はパッと顔を上げて、サンサンっと光っている太陽のように顔を輝かせます。
 その笑顔を見ると、こちらも嬉しく思い、電も思わず笑みがこぼれてきました。
 アリス司令官は立ち上がると、瞳をキラキラさせたまま電に近づきそして……
 
 突然私の手を握りました!

 はわわわ!!

「よ、ようやく! ようやく私達の艦隊が出来るのね、電ちゃん!」

「は、はいぃぃぃ! ううう嬉しそうでなななによりなのですぅぅ!」

「フフフ、この日の為にずっと艦隊の名前を考えてきていたの…… もう、楽しみで楽しみで仕方なかったわ!」

 彼女はパッと電から手を離し、お胸の前にガッツポーズを取ります。
 本当に嬉しそうなその姿に、電はまた、くすりっと笑いました。
 前任の司令官は、アリス司令官とは違い、冷静でとても指揮が上手い優秀な司令官様でした。
 だけど、喜んでいる姿なんてものを一切見る事が無かったので、電はアリス司令官に出会うまでは司令官は皆あんな感じだと思っていました。
 しかし、それが間違っていると分かり、電は前任の司令官より、今の…… 雷と性格の似ている明るいアリス司令官が好きです。

「電ちゃんは私の秘書艦だからね、それにその艦隊のリーダーをやってもらうのだから先にその艦隊の名前を教えてしんぜよう!」

「えっ!? でで、電がリーダーなのです!?」

「大丈夫! あまり無茶はさせないから!」

 い、今までリーダーなんてやった事がないのに! で、でも。アリス司令官が大丈夫っていうなら……

「それじゃあ、アリス提督様が命名した艦隊の名前、特と聞くがいい!」

 司令官は机さんの代わりにしているみかん箱さんに足を乗せて、高らかに宣言…… したあと、やっぱりというか、みかん箱さんがアリス司令官の足の重さに耐え切れずにぐしゃっという悲しい音を立てて潰れちゃい、アリス司令官がこけてしまいました!

「だ、大丈夫ですか!? アリス司令官!?」

「へ、平気平気…… えーっと、こほん。そ、それじゃあ言うわね」

 アリス司令官は咳払いして少し頬を染めると、改めて艦隊の名称を言いました。

「その名も、ディアウスよ!」

 ディア……ウス?
 新しい臼なのです?

 数分後。

 アリス司令官と一緒に電は編成ルームへと向かいました。
 歩きながら、アリス司令官は興奮した様子で、電に話しかけます。

「一体どんな子達なんだろうね、出来れば軽巡艦や潜水艦っとか、戦艦とかだったらいいよね! ね!」

 電はアリス司令官の言葉にうんうんっと頷いていると、編成ルームの扉が視界に飛び込んできたので、ドアノブに手をかけて回します。
 そして、扉を開けて司令官を中へ促し、電も一緒に入って扉を閉めました。

「……」

 アリス司令官が中に入るや、ユウキ司令官がすぐに彼女へ駆けていき、裾を握りました。
 口パクで声が聞き辛く、何を言っているか最近は分かりませんでしたけど、今日はハッキリと分かります。

 そう、彼女はアリス司令官が居ない事に寂しかったのです!

 電が見る限り、いつもずっと二人は一緒ですしユウキ司令官はアリス司令官の裾を長い間握ってますから、余程離れているのは寂しかったのでしょう……
 その気持ち、少し分かります。だって、電も別れたお姉ちゃん達が心配ですから…… それに、アリス司令官が居ない間はずっと心細いで寂しかったですし……
 それを思うと、何だかおねえちゃ…… は、ユウキ司令官でした! 頼れる妹の居るユウキ司令官がちょっとだけうらやましく思いました。

「電、久しぶり」

「ふえっ!?」
 
 突然、背中から話しかけられた電は、驚きのあまり変な声を出して飛び上がってしまいました!
 それにしても、さっきの声…… どこか大人びていてそれでいて、透明な水のように澄んだどこか懐かしい声……
 
「も、もしかして…… (ひびき)ちゃん? ……なのです?」

「うん、そうだよ」

「はわわわ! ほ、本当に久しぶりです! も、もしかして、響ちゃんも着任したのです!?」

「そうだよ、今日からここの司令官の指揮に入るんだ。また一緒だね」

「はい、また一緒なのです!」
 
 電はつい、響ちゃんとの久しぶりの再会に目頭が熱くなり、胸がポカポカっと暖かくなって涙ぐみます。
 お別れた時から変わらない、滑らかな透明感のある銀髪、アリス司令官よりも薄い水色の瞳、そして、電と同じお揃いの暁型の駆逐艦が着ているセーラー服。

 あれからどれだけの月日が経ったのか…… それを思うと、電は本当にこの出会いを嬉しく思いました。
 響ちゃんはそんな感動に浸っている電に、いつもと変わらないあまり抑揚の無い声でぽつりっと質問しました。

「ところで一ついい、電」

「は、はい、どうしましたか?」

「司令官…… もしかしてこのタウイタウイ泊地には二人居るの?」

 響ちゃんはどうやらユウキ司令官しか知らなかったらしく、チラッとアリス司令官を見ました。

「はい、そうなのです。お二人は双子さんで、ここへ同時に着任したのです」

「そうなんだ、司令官が二人…… 何だか不思議だね」

 響は無表情で呟くと、向こうで他の艦娘お姉様と話しているアリス提督の下へと歩いて行きました。
 アリス司令官は響ちゃんを見ると、ガーン! っと言ったような表情になり、肩を落とします。あれ?
 心なしか、ユウキ司令官が肩をポンポンっと叩いて、「どんまい」っと言ってるような感じに見えました。
 一体何故なのでしょう?
 電は響の隣に行き、アリス提督の周りに居るお姉様達を見回しました。

 そして…… 電は気づきました。

「と、取り敢えず。ユウキには教えてもらったけど皆自己紹介してもらってもいい?」

 アリス司令官は精一杯の笑顔で、ニコッと笑い、自己紹介をするようお願いしました。

「睦月型駆逐艦10番艦、三日月です! 本日タウイタウイ泊地へ着任となりました! よろしくお願いします!」

「初春型駆逐艦四番艦、初霜です。皆さん、よろしくお願いします!」

「はぁ…… 私、何でこんな頭がほのぼのしている提督の部隊に配属されたのかしら? 朝潮型駆逐艦3番艦満潮よ、よろしく」

「私が睦月型駆逐艦9番艦菊月だ、どうかよろしく頼む」

「え、えっと。暁型駆逐艦4番艦、電……なのです。よろしくお願いします……」

「同じく暁型駆逐艦2番艦、響だよ。よろしく」

 何と全員が同じ駆逐艦でした!
 それを聞いて電は同じ駆逐艦仲間が響ちゃん以外にも四人も増えて、嬉しく思うも、司令官の気持ちを考えるとちょっと複雑に思えました。

「やはり、これはデスティニーなのね…… ディアウスの名は伊達じゃないわ……!」
 
 アリス司令官はそう言い、先程までの落ち込み具合は何処へやら、うふふふふふっと不気味に笑い始めます。
 し、しっかりしてください! 司令官! 気をしっかり持って下さいなのです!
 電は心の中でそう念じます。

 ところででぃあ臼って何なのでしょう?

 電がそんな疑問に思っていると、おずおずっと言った感じに生真面目な雰囲気のある、美しく、長い黒髪をした初霜さんが手を上げて司令官に意見をしました。

「提督…… 艦隊に流石に天空神の名前を付けるのはどうなのでしょう?」

 すると、アリス司令官は初霜さんの言葉を聞いた瞬間、「貴女も分かるのね!?」っと言ったように瞳を輝かせ、周りがじっと見ているのに気づき、すぐに咳払いをして冷静さを取り戻して笑顔で答えます。

「大丈夫、きっと貴女達のその速さなら空だって飛ぶ事が出来るわ」

「そ、空? いえいえ、無理です! せ、せめて、ヴァルナ、ヴァルナーニの方が良いのでは? その、水神ですし……」

「ほら…… だって、折角の一番艦隊なのだからそこは皆の父神である最高神の名前が良いなーって思って!」

「な、なるほど…… そんな考えがあったとは思いませんでした!」

 何と、否定をしていた初霜さんが何だか良く分かりませんけど、納得してしまいました! 

「ちなみに第二艦隊はアグニです」

「提督、それは火神です」

 な、なんて高度な会話なのでしょう。電にはさっぱり分かりません。
 あれ、ところで今回は電が主役だったのに、オチを司令官と初霜さんに持って行かれ…… あれれ?

 数分後。

 何だかんだで色々あってそれから艦隊が決定になりました。
 次の日から早速、初任務で出撃になるのです。
 電は今日、不安で眠れるのか不安で不安で仕方ありません…… あぁ、失敗しないようにしないと……!

 ところで、秘書艦なのに全く話についていけなかった電は、こっそりと~臼やらあぐにやら、多分響ちゃんなら知っていると思い、聞きに行くのでした。

「私も良く分からない」

 しかし、残念。響ちゃんは首を横に振りました…… 

「そうですか……」

「調べてみたけど…… インド神話っていう、仏教の元になった神話らしいね」

「な、なるほど……」

「あまり私達に関係は無いから割とどうでもいいよ」

「で、でも。電は司令官の秘書艦ですから、が、頑張って調べます!」

 電が熱気を込めてそう答えますと、響ちゃんが少し困ったように苦笑いしながら、ロシア語で多分、応援みたいな事を言ってくれました。

「Же、Желаю удачи」(ジェ、ジェラーユ・ウダーチ ※が、頑張って)
 
 響ちゃん応援を後押しに、電は燃え上がり、気合をいれます!

 こうして、電はインド神話という新しい標的に狙いを定め、秘書艦として分からない事が無いように必死にお勉強をする事になりました。

 オマケ

「ちなみに第三艦隊はヴァーユ(風神)で、第四艦隊はインドラ(雷神)です」

「何故そう頑なに水神の名前を入れないのですか!」

「どうでもいいけど、それだったら第一艦隊とかでも別にいいんじゃない? 面倒臭いわ」

「……(私は割と気に入っているが…… この空気だと言い辛いな)」
 
 

 
後書き
インド神話の神様の名前を頂きました。ちなみに、ディアウスは息子であるインドラに下克上されて、地面に叩きつけられて死んでしまいます。天空神ぇ……

さて、話を元に戻してようやく他の艦娘ちゃん達が登場して和気藹々?としてきましたね。自分のプレイをネタにしている二次創作なので未だに雷と暁が出てきてない☆ 一体いつになったら彼女達は再会するのやら……  
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