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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Myth1ベルカに立つ魔術師~Advent, Ancient MagE~


魔道世界アースガルド。それは、魔法の祖たる魔術が生まれた原初の世界。
“アースガルド”は、大陸・“聖域イザヴェル”以外がすべて海となっている世界だ。地上に一つしかない“聖域イザヴェル”に人間は誰一人として住んでいない。ならばアースガルドは無人世界か?
いや違う。“アースガルド”の人間が住んでいるのは、遥かなる空に浮遊している四つの大陸だ。“聖域イザヴェル”よりそびえ立つ“支柱塔ユグドラシル”。全高2万mという超が幾つも付く高層建築物“ユグドラシル”の半ば辺りを囲むように四大陸がして浮いている。

そして、四つの王族がそれぞれその四大陸を治めている。
“アースガルド”最初の王にして、“魔術”と呼ばれる能力を生み出した【原初王オーディン】の末裔である、“神聖なるものセインテスト王家”の治める“グラズヘイム”。
“清廉なるものレアーナ王家”の治める“ヴィーズブラーイン”。
“境界なるものフィルトゥティス王家”の治める“アンドラング”。
“絶対なるものクルセイド王家”の治める“ギムレー”。

その内のひとつ、“グラズヘイム”大陸の中央には途轍もなく巨大な宮殿がある。名を“ヴァルハラ宮殿”。一つの街がすっぽり入るくらいの大きさだ。いくつもの塔や離宮があり、噴水広場や花園、礼拝堂なども多く存在している。
それらを囲っている城壁は全てが黄金で作られている十二角形で、対魔力効果を有している。城壁の中央にドッシリと構えているのがセインテスト王家が住まう宮殿の本宮だ。一辺が8kmほどある正四角形状の本宮の外壁には、ルーン文字と呼ばれる“力”ある文字が描かれている。それだけで絶対的な防衛能力が設けられていることになる。

そんなヴァルハラ宮殿の離宮の内の一つ、スロール離宮。離宮と言えど内装は豪華絢爛の一言だ。天井には余すことなくシャンデリア。壁には美術品が多く並び、床は汚れ一つとして無いレッドカーペット。そのレッドカーペットの廊下をひとり歩く少年。
膝裏まである銀色の長髪。ルビーレッドとラピスラズリのオッドアイ。ルーン文字が縁にいくつも刺繍された足元まである白の長衣を着て、縁に複雑な装飾が施された白マントを羽織っている。王衣を身に纏っている少年の名はルシリオン・セインテスト・アースガルド。ここグラズヘイムの王だ。16歳にして一国を治める王となったルシリオン。それから1年経っての現在17歳。

「参ったな、言い出しておいての遅刻とは・・・」

ルシリオンが長い長い廊下を大股での早歩き。そしてようやくたどり着いた場所。スロール離宮の端にある広大な円形の大ホールだ。直径は600mくらいはあるだろう。天井はステンドグラスが敷き詰められ、壁際には燭台が何百と並んでいる。その大ホールの中央に、一人の少女が佇んでいた。

「すまない、シェフィ。会議で遅くなった」

「ううん、大丈夫だよ、ルシル。ここまでの作業なら私一人で十分だったから」

ルシリオンに、シェフィ、と呼ばれた少女が彼の愛称、そして報告を告げ振り返る。あどけなさの残る少女で、足首まで流れるシアンブルーの長髪はツーサイドアップ。桜色の瞳は大きく、吸い込まれそうなほどに綺麗だ。
紫色のハイネックロングワンピース・白のクローク。頭には毛皮(ファー)の無い露西亜帽(パパーハ)。少女の名はシェフィリス・クレスケンス・ニヴルヘイム。アースガルドと同盟を結んでいる世界の一つ、“氷零世界ニヴルヘイム”の第二王女だ。

「このヨツンヘイム連合の新兵器・・・私たちの知らない技術で造られてる。でも解析も終わったし、製造方法も判明。この程度なら改良して、全く新しい形での戦力を開発できるよ」

「さすがだな。まさか連合も、自軍の兵器を捕縛され、あまつさえ解析された挙句に利用されるなんて思ってもいないだろうな」

ルシリオンとシェフィリスの見詰める先、ホールの一番奥にソレは居た。
西洋甲冑のような深紅の鎧を全身に纏った、全長が50mはあるだろう巨人――その上半身。腹から下は無く、両腕も肩からごっそりと無い。原型を留めている上半身と頭部も無傷ではなく所々がひび割れ、または崩れていて、機械部品をさらけ出していた。ソレの背後の壁に大穴が空いていることから、無理やりホールへ運び込んだらしい。

「Automatic operation's Magic use Tactics attack, Intelligent battle System・・・ 頭文字をとってA.M.T.I.S.・・・アムティスって呼ぶみたい」

「アムティス、ねぇ。連合が連合統一言語(ヨツンヘイムご)ではなくてアースガルド語を使う、か。皮肉だな。どれどれ。2タイプがあるようだな。近接型のセイバータイプと遠距離型のアーティラリータイプ」

ルシリオンがシェフィリスの周囲に展開されている半透明の空間モニターを覗き込む。アムティスの詳細なデータが表示されている。ルシリオンはそれらのデータを眺める。現在、アースガルド同盟軍とヨツンヘイム連合軍の戦況は、連合に傾いている。要因としては、両組織が取り込んでいる味方の数だ。
アースガルドは、同じ原初世界である“氷零世界ニヴルヘイム”と“煉生世界、ムスペルヘイム”。そして“光煌世界アールヴヘイム”。“無圏世界ニダヴェリール”。“闇庭世界スヴァルトアールヴヘイム”。その他140強の世界と同盟を結んでいる。

「新しい仲間を戦場に投入すれば、きっと同盟軍も少しは楽になるかもしれないよね」

ヨツンヘイム連合。
“極凍世界ヨツンヘイム”と“戦導世界ヴァナへイム”、“夢幻世界ウトガルド”、“深森世界スリュムへイム”を筆頭とし、約400強の世界がその四大世界の下についている。しかもそのほとんどが強制的に連合に加入させられた世界だ。無理に他の世界を従わせ、アースガルド同盟との戦争に参戦させている。
それほどまでに影響力の強いヨツンヘイムと呼ばれる世界たちと千年も戦い続けたアースガルド同盟軍。しかし、徐々に押され始めていた。スヴァルトアールヴヘイムが滅ぼされたのだ。世界丸ごと一つの戦力を失い、アースガルド同盟軍は窮地に立たされた。

「ああ。戦力を整え次第、フノスの計画を実行。そして一気に戦況をひっくり返し・・・連合に勝つ」

その窮地を脱するために、ルシリオンとシェフィリスは敵戦力の一角であるアムティスを基とした、新たな同盟軍の戦力を生み出そうと考えた。そして、フノスの計画。二つの計画が、今後の戦況を左右することになる。

「それじゃあルシル。あなたが今後の計画主任になるんだから、プロジェクト名を決めて」

シェフィリスはこれから始動されるプロジェクトの名を決めるよう、ルシリオンに微笑みを向けた。ルシリオンは「そうだな・・・」と顎に左手を添えて考え込む。そして「よしっ」と頷いたルシリオンは、シェフィリスの肩越しからモニターを覗き込み、コンソールを叩き始めた。

「かつて。大戦が始まるずっと前。ここアースガルドには優れた魔術研究・実践・防衛部隊があった」

「??・・・・あ、なるほど。じゃあプロジェクト名はそれで決まりだね」

「ああ」

ルシリオンとシェフィリスは頷きあって、彼がモニターに打ち込んだ文字を二人一緒に口に出した。

「「プロジェクト・ヴァルキリー」」

こうしてアースガルド同盟軍の未来を担う二大計画の一角、プロジェクト・ヴァルキリーが始動した。

†††Side????†††

懐かしい夢を見た。私とシェフィがまだ幼馴染だった頃、そしてフノスの計画・“アンスール設立”以前、“戦天使ヴァルキリー”の開発プロジェクトを立ち上げたあの日・・・。
最初の一ヶ月は試作機を開発し続け、そして性能や人格が安定してきたところで“ヴァルキリー”の第一号を完成させた。第一世代ブリュンヒルデ・シリーズのシリアル1、戦計の剣ガーデンベルグを。“ヴァルキリー”は大切な子供たちだ。兵器などではなく、愛すべき私とシェフィの子供たち。

「(それが今では敵同士・・・)どうしてこんなことに・・・・って!」

間抜けなくらいに覚めていなかった夢心地からようやく覚める。

(どうして私はベッドの上に寝ているんだっ・・・?)

上半身を起こそうとしたが同時に全身に激痛が走り、頭だけが勢いよく上がっただけだ。無様にまた枕に頭を落とす。上半身すら起き上がらせることも出来ないか。

「ぅぐ・・・!」

ダメだ。ダメージが大き過ぎる。ここは無理はせずに動かない方が賢明だな。あと何か白い物体が目の前から足元へと過ぎってどこかへ飛んでいったが、この体勢では見えないな。しかし体が動かないため何が飛んでいったのかを確認するのを諦め、深呼吸を何度かゆっくりと繰り返すうちに、ようやく痛みが和らいだ。
とりあえずは状況確認だ。私が居るのは寝室らしい部屋で、さほど大きくない。内装も質素。ベッド脇のナイトテーブルには木製の円いトレイがあり、上には水の入ったガラス製の水差しと伏せられたコップ。ナイトテーブルの反対側のベッド脇には本棚。頭だけを動かして、蔵書のタイトルを見る。

「Schwärzen Sie Prinzessin(あの文字は・・・レーベンヴェルト語・・・?)」

大戦末期にヨツンヘイム連合に組み込まれた“複数世界ミッドガルド”を構成する世界の一つ、騎士世界レーベンヴェルトの言語のように見える。以前の契約で訪れた地球という世界で言えばドイツ語だ。
そうであるならここはレーベンヴェルトで、時代は堕天使戦争、私たちアンスールが全滅してからさほど時間が経っていない頃ということになる。しかし、そんな都合良くアンスール終焉の時代に近い世界に“エグリゴリ”が現れてくれるのか? いや、そんなに深く考える必要はない。“エグリゴリ”がこの世界のこの時代に居る。

「それだけで十分だ」

「・・・あっ、起きてる! よかったぁ・・・!」

ガチャっと木製の扉を開けて入ってきた少女。歳は10代半ばくらいだろう。茶色い長髪はポニーテール。活発そうな青い双眸。ゆったりとした水色のロングワンピースを着ている。そして両手にはタオルの掛かった洗面器。

「もう起きないのかと思っちゃったけど、本当に良かったですよ。それで、その、大怪我をして山の中に倒れていたんですけど・・・憶えて・・・いますか?」

私が山の中で倒れていた? どういうことだ。それ以前に私はなぜ無事なんだ。大切な思い出を失って、それがあまりにも辛すぎて、今までこの身に刻んできた苦痛や絶望以上で、狂いそうだった。だから“エグリゴリ”の攻撃に対処は出来なかったはずなんだ。

「えっと、聞こえてますかぁ?」

(あの時なにが・・・?)

うっすらと思い出す。絶叫の中、私は“エグリゴリ”の攻撃を一斉に受けてボロボロになったあと、トドメとしてガーデンベルグが迫ってきていた時・・・・

――危ないルシリオン様!――

「そうか!」

「ひゃうっ?」

思い出した。涙で滲む視界の中で見えた、桃花色の外套を羽織ったマリアの姿を。そうだよな。私がこの世界に居られるのは、マリアが召喚してくれたからだ。まったく。自分は契約を抱えていて大変だろうに。わざわざ助けに来るとは。
だが、ありがとう、だ。マリア、君のおかげで私は消滅させられることなく命を繋ぎ止めることが出来ている。おそらくこのチャンスを逃せば私は消滅するだろう。もちろん”神意の玉座”に在る本体の方が、だ。

「ビックリしたぁ・・・どうしたんですか急に・・・?」

「あ、ああ・・・驚かせてすまない」

つまりはこれがラストチャンス。たった一度の死も許されず、再召喚など無論不可能。それほどまでに本体と分身体の私は壊れかけている。高出力の魔術を使えば、魔力で構成されているこの肉体に歪みが起きる。
その歪みのペナルティーは固体と化している肉体だけではなく、純粋な魔力である私の核にも及ぶ。核には今まで訪れた契約先世界で複製してきた武器や魔術・能力・技術・知識・記憶などが多く貯蔵されている“創世結界”が存在している。
歪みによるダメージを負う“創世結界”。結果、貯蔵されている記憶などが失われてしまう。というのが私の今のところの推測だが・・・おそらくこれで当たりだろう。

(覚悟が必要だな。エグリゴリを救うために、今まで培ってきた全てを犠牲にしなければならないと)

失ってしまいたい記憶もあれば、失いたくない記憶も多くある。天秤に掛ける・・・までもない。何としても“エグリゴリ”を救わなければならない。たとえそれが私という存在が壊れてしまうことになってもだ。

「それはいいんですけど・・・。タオル、取り替えますね・・・って、なんでタオルが床に?」

少女がベッド脇に歩み寄り、私の足元の床を見てそう言った。どうやら先ほど視界を飛んでいった白い物体というのは、私の額に乗せられていた濡れタオルだったようだ。勢いよく頭を上げた際にポーンと飛んでしまったんだな。

「あー、それはついさっき目を覚ました際に体を起こそうとし――」

「起こそうとしたっ? そんなひどい怪我で何をやってるんですかっ!」

怒鳴られてしまった。洗面器をナイトテーブルにドンと置き、「傷が開いちゃったらどうすんですっ?」と私の被っていた布団を剥ぎ取った。ここで自分の体の状況を知った。半裸だ。しかし服代わりと言っていいほどに上半身に包帯が巻かれていた。そこまで酷かったのか、私の身体に負わされたダメージは・・・?

「あなたは一週間も昏睡状態だったんですよっ! それなのにもう!」

「いや、そこまで怒らなくても・・・(一週間。それで済んだのは幸いだな)」

「怒りますよ普通!」

あまりの剣幕にたじたじだ。少女は私の体を看て、傷が開いていないかを確認している。この娘は医療に従事しているのだろうか? 少しすると「ほら、やっぱり血が出てるじゃないですかっ」とまた怒鳴られた。
彼女はワンピースの袖を拭って、私の脇腹に両手をかざした。すると彼女の足元から浅葱色の光が溢れ出した。それと同時に魔力を感知。魔術師? いや違う。魔術特有の神秘を感じられない。まさか・・・これは・・・!

「ひょっとして驚いてます?」

「いや・・・何をやって・・・」

「はい? え、判りませんか? 魔法ですよ、治癒系の・・・」

「ああ、治癒の魔法か」

「そうですよ。なんだと思ったんですか?」

やはり魔法か。レーベンヴェルト語のような言語を使い、なおかつ魔法ときて、しかも戦争を行なっているとなれば、自ずと見えてくる私が居る世界の名前。信じられないが、まず間違いだろうな。まったく、何の因果だろう。

「これで・・・よしっ。もうあんまり動かないでくださいね。死んじゃっても知りませんよ?」

ビシッと人差し指を立てて、横になっている私の顔を覗き込んできた。とりあえず「了解した。ありがとう、世話をかけた」と礼を言う。すると少女は顔を真っ赤にして「あ、うん・・・。なんかズルいなぁ、男の人なのに」とボソボソとよく聞き取れない声量で何かを呟き、洗面器のタオルを絞って私の額に乗せた。

「何か言ったか?」

「べ、別になんでもないですっ・・・」

少女は椅子に座ってしばらく室内を見回した後、「あ、そうだ」と私を見た。

「お名前、聞いてもいいですか? わたし、エリーゼ。エリーゼ・フォン・シュテルンベルクっていいます。カッコいいでしょ?」

エリーゼと名乗った彼女は、ニコッと笑みを浮かべた。私も名乗り返すために口を開き、「r――」と途中で言い淀んでしまう。
ルシリオン・セインテスト・アースガルド。別に隠す必要はないんだが、私の推測が正しければ、私が人間だった頃の時代の情報がこの世界に生き残っている可能性がある。それで何かしらの支障が出るとは思えないが、それでも何かあった時のために・・・。

「私の名は、オーディン。オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード」

魔術を生み出した原初の王。そしてセインテスト王家の祖の名、オーディン・セインテスト。それにフォン・シュゼルヴァロード。長年、王族にのみ許される王性アースガルドの代わりに名乗っていたファミリーネームだ。

「オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード、さん。長い上にカッコいい。じゃなかった。その、オーディンさんはどうして森で倒れていたんですか? すごく傷ついていたし。かなり危ない状態だったんですよ。もしかしたら二度と目覚めないかもって、カール先生が言っていたし」

知らない名が出てきたな。早く周囲の状況を整理するために「カール先生とは?」と尋ねる。するとエリーゼは椅子から立ち上がり、窓際まで歩いて外を眺めながら答えてくれた。

「はい、この街アムルのお医者さんです。カール・アーレンス、知りませんか?」

「すまないが」

「え? うそですよね。だってカール先生の医療魔法はかなり有名なんですよ? このシュトゥラ国内で知らない人はいないってほどのお医者さんなんですよ?」

信じられないといった風に何度も確認してくるが、知らないものは知らない。それより新たに情報を手に入れることができた。しかもかなり重要な。シュトゥラ。うっすら記憶に残っている名だ。やはりこの世界は、

(後に滅ぶことになる世界・・・第二世界ベルカ、だな)

ヴィヴィオのオリジナルである聖王女オリヴィエや、シグナムら守護騎士たちが生み出され戦った世界。シュトゥラというのも、無限書庫で働いていた頃に読んだベルカ先史書に出ていたのを憶えている。ああ、憶えている。フェイト達と共に過ごした記憶はまだハッキリと残っている。この記憶は出来るだけ失いたくない。失うというのならもっとあとに願いたいものだ。

「本当に知らないんですか? もしかしてオーディンさんって、シュトゥラの人じゃない・・・?」

この戦乱の時代に、他国の人間が自国の領域に居るのは不審だからな。しかも重体で。さぁてどうしたものか。エリーゼが不審者を見るような目を向けてきた。ならば「ぅぐ、頭が・・・くっ、思い出せない!」と頭を抱えようとした。が、腕が上がるわけもなく。ただ苦痛に顔をしかめる演技。エリーゼが信じ込んで「まさか記憶喪失っ?」と切羽詰った顔で覗き込んでくる。

(し、しししししまったぁぁぁーーーーーーーーっ!!)

馬鹿か私っ! 咄嗟とはいえ何が記憶喪失だっ。いくらなんでも無いぞ、この誤魔化し方は。エリーゼが「記憶喪失の患者なんて初めてだよっ」とオロオロしだしているじゃないか。

「おそらく一時的なものだよ。名前は憶えているんだから、すぐに戻るさ」

落ち着くよう告げる。

「確かに大きな怪我を負った人は時々記憶が飛んでいることがあるけど・・・!」

エリーゼは顎に右手を添えて唸り出し、室内をウロウロ彷徨き始めた。馬鹿なことをやってしまった。とにかく嘘をついてすまない。唸るのをやめたエリーゼが「カール先生に連絡を取った方がいいよね・・・?」と扉に目をやった。有名かどうかは知らないが、シュトゥラ国内で有名ということは、私の嘘くらい即見破るだろうな。その前にもっと上手い誤魔化しを考えて――いや、そうか。この街を出て行けばいいだけだ。

「オーディンさん、少し待っていてください。カール先生を連れて来ま――」

エリーゼがドアノブに手を掛けたと同時にコンコンとノックされたあと、「エリーゼお嬢様、旦那様がお呼びです」と少女の声。エリーゼお嬢様? この娘は上流階級の人間か? それにしては服も部屋の作りも質素だ。

「また? しつこいなぁ父様は。わたしの言うことを聞いてくれない限り本邸には戻らないって言ってるのに。ごめんなさいオーディンさん。少し待っていてください」

本邸には戻らない、か。どうやらここは別宅であるようだ。エリーゼは父親とケンカ中で家出中のようだな。エリーゼはぶつくさ文句を言いながら出て行った。完全に気配が遠ざかったのを確認して、「居るんだろ、マリア」と窓を見る。
スッと窓際に現れるマリア。“界律の守護神テスタメント”の衣装である神父服(キャソック)外套(マント)ではなく、白のブラウスに赤いリボン、黒のベスト、黒と赤のチェック柄のプリーツスカート、白のハイニーソックス、黒のローファー。契約執行待機中の服装だな、マリアの。

「調子はいかがですか、ルシリオン様」

「悪くはないな。これなら治癒術式(ラファエル)を10分程度使えば完治できる」

「・・・申し訳ありません。お救いした時にはもう干渉能力に制限を受けていましたので治せませんでした」

――傷つきし者に(コード)汝の癒しを(ラファエル)――

魔力上限をSSSランクに設定。治癒系中級術式ラファエルを発動。両手を膝の上に添えて頭を上げるマリアに、「助けてもらっただけで十分だから、気にしないでくれ」と動くようになった右腕をマリアに伸ばす。私の右手を取ってくれたマリアは、私が今一番知りたいことを話し始めた。

「エグリゴリについてですが、ルシリオン様をお守りする際、ある程度の攻撃を与えましたが、ほぼ無傷。ですが私の存在に警戒したのか、それ以上の戦闘を継続しようとはせずに退却しました」

「そうか。助かったよ、手加減してくれて。あの子たちとの決着は私がつけなければならない」

干渉能力が使えないとはいえ、それなりの戦力を有するマリア。“エグリゴリ”を相手にしても勝てるだけの力はある。それなのに一機も撃破しなかった。私の思いを解っていてくれたからだ。

「・・・ルシリオン様。私はしばらく契約待機状態となるようなんです。ですが、だからと言って今回のように、いつもお助けすることは出来ません。契約した“界律”との条件で、その世界から出ることに制限を受けるんです」

「それで構わないよ。私は私の戦いを。マリアはマリアの契約に専念してくれ」

「・・・はい、ルシリオン様。ではこれにて失礼させていただきます」

現れた時と同じようにスッと姿を消したマリア。掴むものが無くなった右手をベッドの中に戻し、もう一眠りするために目を閉じた。次に起きた時には完治しているだろう。それからエリーゼとカールという医者に礼を言って、早々に立ち去ろう。

†††Sideルシリオン⇒????†††

オーディンさんの事を見習い仲間のモニカとルファに任せて、別宅を出た。オーディンさんが目を覚まして、わたしは話をしたよ、って言ったら二人はびっくりしてた。それほどまでにひどい怪我だったんだから。それにしても・・・

(オーディンさんのお世話を任せておいてなんだけど、ルファはともかくモニカって騒がしいから、迷惑をかけないか心配)

でももうわたしは別宅から本宅への道を、愛馬レミントンで駆けてるし、すでに手遅れ。心配するんなら迷惑をかけないようにちゃんと言っておくんだった。

(オーディンさん、かぁ。歳はいくつだろ? わたしよりかは歳上だよねやっぱり・・・)

オーディンさんの微笑を思い出す。すごく綺麗で、けどどこか寂しそうな・・・。それにまさか記憶喪失だなんて。どうにかして取り戻させたいなぁ。見習いとはいえカール先生の助手を名乗っている以上(自称だけど)は、患者さんの問題は解決してあげたい。

「エリーゼお嬢様。もう本宅の方へ戻られては? 旦那様も望んでいらっしゃいます」

後ろをついてくる侍従のアンナ。歳はわたしより2つ上の17歳。主従の関係じゃなくて、わたしは姉妹のような関係だって思ってる。普段なら敬語とか無しで話すんだけど、父様と同じようにちょっと喧嘩中だから、こんなにギクシャクしてる。そもそもわたしの事を考えてくれるなら、わたしの味方をしてくれてもいいのに。

「嫌。帰ったら望んでもない結婚をさせられるに決まってる。それが判ってるのに帰るなんて愚行。わたしはカール先生の医療魔法を学んで、すっごい医者になるって決めてるの。嫁ぐなんて、鳥籠に飼われた鳥のようなものじゃない。そんな自由のない生き方は絶対に嫌」

という風に父様と衝突して、わたしはこのアムルの長をしている父様の居る本邸から出た。アムルの郊外にある空家となっていた別宅へ、カール先生の医療魔法を学ぶ同じ見習い仲間と一緒に住むことにした。暮らしはぐっと貧しくなったけど、結婚させられるよりは遥かにマシ。そんな感じで家出中なわたしは、アムルで一際大きい屋敷に到着。一年前まで過ごしていた我が家。塀に囲まれた屋敷を見上げる。

「お帰りなさいませ、エリーゼお嬢様」

正門も潜ると、門から屋敷の玄関までの道の両側にズラッと並ぶ(と言っても10人位)侍従たちのリーダー、侍従長がわたしに向かって一礼。遅れて他の侍従が「お帰りなさいませ、エリーゼお嬢様」って続く。わたしは「ただいま」って返しながら歩いて、玄関のドアノブに手を掛けようとして、

「私の役目です。お帰りなさいませ」

アンナと別の侍従が両扉を開けて、わたしの道を作る。気が重い。屋敷の中の空気がわたしの心に重く圧し掛かる。貴族に生まれたくなかった。お金があるから幸せ? 違う。お金があっても自由が無いなら幸せじゃない。

(根性を見せて、今度こそ分からず屋の父様に医者になることを許してもらおう)

頬をパチンと叩く。わたしは道具じゃなくて一人の人間だ。それを判らせてやる。エントランスに入って廊下を歩き、当主の部屋の前までノンストップで向かう。ノックする事もなくバンッと扉を勢いよく開け放つ。執務机で仕事をしている父様がギラリと睨んできた。

「エリーゼ。なんだ、その礼儀の欠片もない行いは」

「別にいいでしょ。それより、いい加減にして父様。アンナを寄越すなんて。前にも言ったでしょ。わたしは、医者になるって。だから嫁ぐなんて絶対に嫌。それを認めてくれるまで絶対に帰らない。わたしは、父様の道具じゃない」

サクッと本題に入る。それ以外の話なんてしてやるもんか。父様は大きく溜息を吐いた後、「お前、身元も判らない人間をこの街に入れたそうだな」って、関係ないことを言ってきた。なにそれ? わたしの未来のことよりそっちの方が大事だっていうの? ムカついたから「だからなに?」って不機嫌さ丸だしで言ってやる。

「今すぐにこの街から追放しろ。何処の人間かも判らん奴を、この街に留めておくわけにはいかん」

「は?・・・・はぁ!? ちょっ、怪我人なんだよっ? しかもさっき目を覚ましたばっかで、起き上がる事も出来ない人なのに、それを追放!?」

いくら何でも酷過ぎるよっ。オーディンさん、動けないどころか記憶喪失かもしれないのに。それを街の外に放り出すなんて。襲って下さい、殺して下さい、って言ってるようなものだ。人間のすることじゃない。だから執務机の前に行って、「人でなしっ!」ってガンッと拳を机に叩きつける。でも父様は「シュテルンベルクの娘がなんて乱暴さだ」って嘆息。

「もういい! 親子の縁を切らせてもらいますっ! 父様がこんな冷徹な人間なんて思いもしなかった! 馬鹿ぁぁーーーーーーッ!!」

踵を返して、大股でわざとズンズン足音を鳴らして部屋を出ようとした。でも、「娘を捕まえろ」なんて命令が背後から聞こえた。振り向くよりも早く、侍従の連中がわたしを取り押さえた。

「ちょっと! 痛い痛い痛いってば!」

「少しは頭を冷やせ馬鹿者! エリーゼを、この子の部屋に幽閉しておけ!」

「はあ!? 幽閉って何を言って――ちょっ、本当に娘を閉じ込めようっていうの!?」

もうそれで話しは終わりだとでも言うように、父様は背を向けた。それからすぐにわたしは元私室にまで連れていかれて、幽閉された。窓が外から木組みで封されているし、扉も外から何か引っ掛けているのか開かない。たぶんどっちも魔法で強化されているかもしれないから、医療魔法や思念通話以外なにも習得してないわたしに破れるかどうか・・・。

「本当に娘を閉じ込めるなんて・・・。母様が居てくれたら、きっと味方してくれるはずなのに」

天蓋付きの寝台の上に寝転がって、亡き母と何か良い脱出方法がないか考える。一番いいのは、アンナに助けてもらうことだ。アンナは攻撃の魔導を扱える。でもお願いしてもやってくれるかどうか・・・。ううん、ここは信じよう。いざ思念通話でアンナに助けを呼ぼうとしたその時、

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「なにっ?――きゃっ?」

屋敷の外から悲鳴が。それだけじゃなくて爆発音が連続で轟いて、振動で屋敷が揺れた。窓にへばり付くようにして外の様子を見る。街中の至る所から炎や黒煙が噴き上がってる。中庭がガヤガヤと騒がしくなる。見れば父様が騎士甲冑を武装していた。男の侍従たちも騎士甲冑姿。どうしてそんな戦場に向かうような格好で――そんなまさか・・・。

「アムルが襲撃を受けてる・・・!?」

そうとしか考えられない。鳴り止まない悲鳴と爆発。急いで扉に向かって、ドアノブをガチャガチャ動かすけどビクともしない。「開けて!」ってドンドン叩く。その間にも続く悲鳴と爆発音。それから間もなくガチャって扉が開いた。そこには息を切らしたアンナが顔を青くして居た。

「エリー! 急いで逃げて! イリュリアが攻めてきた!」

イリュリアが攻めてきた? それってつまりシュトゥラに戦争を仕掛けて来たってことだよね。だけどいつかこういう日が来るかもしれないって心のどこかで思ってた。アムルは、シュトゥラの交易都市ラキシュ領の一画だ。イリュリアはアムルを落として、ラキシュ領占領の足がかりにするつもりなんだ。わたしはアンナに引き連れられて、避難するために廊下をひた走る。でもここでふと気付く。オーディンさんを放置したままだ。

「アンナ! 別宅に行かなくちゃ!」

「ダメっ! もしあの男の人の心配をしているのなら諦めて!」

オーディンさんを見殺しにする? そんなの出来ないよ。どうしてか判らないけど、オーディンさんは死なせちゃダメな気がする。それに、わたしの初めての患者さんだ。見捨てるわけにはいかない。カール先生にですら意識を取り戻すのは難しいかもって言われたけど、オーディンさんは起きた。
だったら完治するまで面倒を見るのが医者の務めだ。

「お願い、行かせてアンナ! 放っておけない!」

「あーもう! 一度言い出したら聞かないんだからっ!」

アンナの手を振り解いて、わたしは馬小屋へ向かうために走る。中庭を走っている最中、正門から騎士甲冑を着こんだ数人の騎士が侵入してきた。それぞれ剣や槍や斧を携えた血色の甲冑の騎士たちが、わたしとアンナを見る。
甲冑の右肩の装甲に、骸骨に二つの鎌っていう騎士団章があるのが判った。隣国イリュリアの敵国強襲騎士団のひとつ・・・「血染めの死神騎士団(マサーカー・オルデン)・・・!」で間違いない。

「虐殺者の集まりが攻め込んでくるなんて・・・」

終わったかもしれない、わたしの短過ぎる人生。死神騎士団が相手じゃ・・・。絶望していると、アンナが「エリーだけでも逃げて!」ってわたしを庇うように前に出た。そして手には銀の鍵。「アインホルン、起動」と告げると、銀の鍵はレイピアになった。アンナの武装・“アインホルン”だ。アンナは戦う気だ。殺しの玄人を相手に。ダメ。止めないと。アンナじゃ勝てない。殺されちゃう。

「げほっげほっ。逃げるんだエリーゼ! アンナっ、エリーゼを逃がすんだっ!」

「っ!――父様・・・!」

死神騎士団の背後に、血塗れの父様が居た。他にもアムル防衛騎士団の人たちが8人。その全員の騎士甲冑はボロボロで、無傷のところなんてどこもない。それでも父様は大剣を構えた。アムル防衛騎士たちもそれぞれ武器を構えた。自分たちより強くて数の多い死神騎士団と戦うために。街を守るために、大切な人を守るために。

「行けぇぇぇーーーーーッ!」

父様が叫んで、アムル防衛騎士団と一緒に死神騎士団に突っ込んだ。わたしは「父様!」って叫ぶしか出来なくて、「旦那様、御武運を!」って言ったアンナに手を引かれて馬小屋へ。こんなのってないよ。いろいろ衝突したけど、でもそれはいつか仲直りできるって思っていたから。それなのに、もう父様とは会えない。喧嘩したままで、こんな形でお別れなんて。

「父様ぁぁーーーーーーーっ!」

中庭から悲鳴が聞こえてきた。防衛騎士団の人たちの声。たった8人しか残ってなかった。100人は居るはずの防衛騎士団なのに。遅れて「生きろエリーゼぇぇーーーーーーーっ!」という父様の叫び。視界が涙で滲んでなにも見えなくなる。父様も・・・・・・死んだ・・・。アンナが「エリーは生きて、絶対に!」って言ってわたしの手を離し、中庭に戻ろうとした。

「アンナ!」

「追手の足止めを誰かがしないとダメだから」

アンナはここで死ぬ気だ。いや、そんなの。一人ぼっちになっちゃうよ。わたしは「わたしを独りにしないでアンナお姉ちゃん!!」って思わず昔の呼び方でアンナにしがみ付く。アンナを見殺しにしたくない。だったらわたしも一緒に死ぬ。

「見つけたぞっ!」

「「っ!」」

死神騎士団の連中が追いついてきた。返り血で真っ赤になってる甲冑。あの血の中に、父様の血が混じっているんだ。死の恐怖から憎悪へと変わる。わたしにも戦う術があれば、一矢報いるくらいは出来るのに。わたしは、無力だ。

「民には出来るだけ犠牲は出さないようにしてある。労働力は必要だからな。だからアムルを統べるシュテルンベルク最後の人間よ、安心して生を終えるがいい」

「・・・・ふざけるな・・・、ふざけるなっ!」

アムルの民が奴隷にされると判って、何を安心しろって言うんだ。アンナが「エリーには指一本触れさせない。私が相手になってやる」って前に出た。

「下手に希望を抱くなお嬢さん。お嬢さん達の人生は、ここで終点だ」

死神騎士団の将らしき男が右手を上げた。すると騎士の連中が一斉に突きの構えを取った。将の右手が振り下ろされた時、それがわたしとアンナが死ぬ時なんだ・・・。悔しさと怒りで胸がいっぱいだ。わたしの過ごしたこの街が、母様が好きなこの街が、父様が守ってきたこの街が、あんな野蛮な奴らに蹂躙されるなんて。

「突撃!!」

将の右手が振り下ろされた。アンナが自分の胸にわたしを埋めるように抱きしめてきた。わたしの耳元に「来世は本当の姉妹になろうね」ってアンナの囁きが。「うん、絶対になろう」って頷く。人生最後がアンナの胸に顔を埋めるなんて、ちょっとおかしいよね。でも、安心できるんだから嫌じゃないよ。近くまで来ている気配に、わたしは目をギュッと瞑った。痛く感じる前に死ねたらいいんだけどなぁ。

――護り給え(コード)汝の万盾(ケムエル)――

ガキィーンていう甲高い音が耳に届いた。辺りから息を呑む気配。わたしを抱きしめているアンナからも緊張を感じる。続いて、「何だコレは!?」「魔力障壁だぞ!」「誰の魔導だ!?」って、死神騎士団の混乱に満ちた叫び。
アンナの胸に埋まってた顔を出して、ようやくわたしも現状を知ることが出来た。わたしとアンナを死神騎士団の攻撃から守るように、小さな円い盾が無数に折り重なって大きくなってる盾があった。その盾は死神騎士団の武器を完全に防いでいて、見惚れてしまうほどに綺麗な蒼い光で出来ていた。


「その娘と先約があってな。それを済ます前に居なくなられては困るんだよ」


空から男の人の声。聞き覚えのある声。でもこの場に聞こえるはずがない声。だってその声の持ち主は、体を動かす事も出来ない重傷人なんだから。空を見上げる。うなじ付近で束ねられた銀の長髪が尻尾のように揺れて、紅と蒼の虹彩異色の瞳は、死神騎士団を見下ろしてる。
上から下まで全部が漆黒の長衣。外套も黒。だけど縁どりに金の刺繍があって、高貴さが見える。何より目を引くのが、背中から出ている蒼い光で創られた12枚の剣。それが左右に広がって、まるで翼のようだ。

「命を救ってくれた恩を返す前に死ぬのはやめてくれ、エリーゼ」

「オー・・・ディン・・さん・・・!」

どうして動けるの?だとか、そんな疑問は今はどうだっていい。本能が告げてくる。わたしとアンナは、もう死ぬことはないんだって。オーディンさんの神々しい姿を見たら、絶望どころか希望が湧いてきた。オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロードさん。不思議なあなたに、わたしはここにお願いをします。

「助けてくださいっ、オーディンさん!」

「ああ、任せろ。これより一方的な殲滅戦を見せてあげよう」

そう言ったオーディンさんは左腕を大きく空に向かって突き出した。



 
 

 
後書き
前半は、ANSUR本編で使ったものですが、何せ10年も前に書いた事で、一字一句あってるはずもなく・・・。
そして後半。ルシルはオーディンと名を変え、現地人と接触です。
にしても、やはり古代ベルカ時代のストーリーと言う事で、完全オリジナルです。
次のエピソードまで少々退屈させてしまうかもしれませんが、古代ベルカ時代だからこそ出来る事もあります。
それが次回、ということで。では、またお越しいただけることを願ってこの辺で。
 
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