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『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
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TURN3







――海軍省食堂――

「ん?」

 何か騒がしいな。

「おい、どうしたんや?」

「あ、狹霧司令官」

 俺は近くにいた少尉に訊ねた。

「実はこの間の北京会戦で捕虜にした中帝国の提督が共有主義の話をして共有主義者を集めているんです」

「説明あんがと」

 あそこにいるのは赤いチャイナ服……確かリンファやったな。

「お前らはメシでも食べとけ。後は俺がするから」

「分かりました」

 少尉はそう言って定食を頼みに行った。

「おいこら馬鹿チャイナ服」

スパァーンッ!!

 俺はリンファの頭を叩いた。

「~~~ッ!?」

 何か頭を押さえているが知らん知らん。

「な、何を……」

「そうとやかく人に共有主義を教えるな。嘘だらけなのに……」

「う、嘘ではありません……」

 リンファが目に涙を溜めながら反論してくる。

「なら何で四十以上の人間は収容所に送られて帰って来ないんや?」

「そ、それは……」

 俺の言葉にリンファは何も言えない。

「ま、それを信じるのか信じないのかあんた次第や」

 俺はそう言って餃子定食の引換券を持って受付に行った。




 東郷長官は新たに捕虜にしたリンファを日本海軍の提督にして日本海軍は南京モン星域の攻略に入った。

『……予想通りの原作通りだね』

「まぁな、女好きの東郷長官なら必ずする事やからな」

 秋山参謀は相変わらず胃薬の世話になっているしな。

「ところで茂。バリア艦の試作は出来たんか?」

『あぁ、今のところは四隻が試作艦として竣工している。大量生産が出来るようにブロック工法と電気溶接を十分に取り入れている』

「……ガメリカ戦にまでには間に合うか?」

『恐らくガメリカ戦までに試作艦を含めて十八隻が竣工予定にさせるよ』

 茂が画面でニヤリと笑う。

「それなら何とか不利になる事は無いかもしれんな。初戦はな」

『そうだね。それと防空艦の試作も始まっている。防空艦はガメリカ戦までには六隻を竣工させるよ』

「あぁ、ガメリカは必ず航空主義もやると思うからな」

『それともう一つ、高雄型も対空火器を増やす予定だ。高雄型が日本に帰還したら直ぐに取り掛かれるようにしてある』

「やっぱ対空火器は少なかったな」

『それは仕方ないよ。対中帝国戦での数が欲しいと東郷長官に言われてたから急いで仕上げた物だからね』

 茂がやれやれとした表情をする。

「取りあえず今から南京モン星域の攻略やけど、帰れるのはア・バオワ重慶を攻略してからやろうな」

『そのようだね。死ぬなよ親友?』

「当たり前や親友。俺を誰やと思っているんや?」

 俺と茂はニヤリと笑い、通信を切った。

「さてと、南京モン星域まで後ちょいやな。艦橋に行くか」

 俺は艦長室を出た。




「敵中帝国艦隊は旧式のコロニーを改造したコロニー砲を使用しているようです」

 副官が俺に報告をする。

「恐らく小澤提督の航空部隊で叩くやろ。第四戦隊の出番は残党処理やろな」

 コロニー砲隊は肉眼で見えてない。

 東郷長官から指示を受けたのか、小澤提督の航空部隊から攻撃隊が発艦している。

「敵の陣容は?」

「コロニー砲隊と巡洋艦部隊、駆逐艦部隊の三個艦隊です」

「……第四戦隊の出番は無いな」

 恐らく航空攻撃で壊滅するやろな。





 そして南京モン星域の中帝国艦隊は小澤提督の航空攻撃を受けた。

 中帝国艦隊はガメリカやソビエトの旧式艦で編成された艦隊やったけど、対空火器を搭載していなかったので一方的に叩かれて次々と宇宙に散らしていったのであった。

 艦隊が無くなった星域はもはや抵抗する事は不可能やった。

 控えていた山下利古里陸軍長官率いる陸軍艦隊が一斉に南京モン星域に突入を開始した。

「終わったな……」

 俺は突入する陸軍艦隊を見ながらそう呟いた。

 ま、百パーやけどシュウ皇帝はア・バオワ重慶に逃げておらんやろな。

「第四戦隊は周辺宙域を警戒や。中帝国艦隊の残党がおったら困るのは俺達やしな」

「それもそうですね」

 俺の言葉に副官が苦笑した。

 そして南京モン星域が占領されたのは会戦から五日後やった。

 少し守備隊の数が予想より多かったらしい。

「艦長、旗艦長門より通信です」

「おぅ、通信開け」

『やぁ狹霧』

「どうもです東郷長官」

 一体何やろか?

『ア・バオワ重慶に逃げた中帝国艦隊は僅からしい。なので第四戦隊は日本に帰還して対空火器の増設してほしい』

 東郷長官も知ってたみたいやな。

「分かりました。第四戦隊は日本に帰還しましょう」

『あぁ。それと一人乗せてほしい人がいる』

「乗せてほしい人ですか? それは構いませんが……」

 誰やろ?

『それは当日まで待っておけ。それではな』

 東郷長官はそう言って通信を切った。

「……何か嫌な予感がすんのは気のせいやろか?」

 気のせいであってほしい。




 そして当日。

「陸軍長官の山下だ。日本までだが宜しく頼む」

 俺の目の前には日本刀を持つ山下長官がいた。

 ……マジすか?







 
 

 
後書き
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