地球最後の日には・・・
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孤独な彼は・・・。
前書き
窓から校舎の中へと進んでいく。
そして彼は静かに自分の過去について話した。
「あれは、今の時季とは真逆の真冬だったんだ・・・」
そう彼は話す・・・
私は黙って彼の話に耳をかたむけた。
私は彼の過去を知った。
あまりにも辛い過去の話し。
最後に彼は・・・「なんで僕だけが生きてるのかな・・・ 僕も死にたかった・・・」
私は彼が本当に死にたいとおもってはいないだろうと思った。
『死にたかった・・・』ではなく彼は『一人にしないで』ほしかったんだろうと・・・そう私には聞こえたような気がした。
彼は本当の孤独を知っている・・・。
家族が自分ひとり残して死んでしまった。
それは、暗闇に一人で彷徨うような
何故彼は初めて会話する私なんかにこんな話しをするのか・・・こんな日だから話すのだろう。もう今日で世界は終わる。
そんな自問自答をしていると
「ごめんね、いきなりこんな話しして・・・」
「あ、いえ、大丈夫です」
「そっかよかった」
彼は柔らかく微笑む
つられて私も微笑んだ。
いつ振りに笑ったんだろう・・・
「笑ったほうがいいじゃん」
「え?」
「前髪も短くして!」
「え、で、でも・・・」
「絶対かわいいって!」
かわいい・・・か、そんなこと絶対ないな・・・私は苦笑いをして
「かわいくなんてなれないよ・・・」
後書き
「そんなことないよ!どうせ地球も終わるんだ、いっそ変わろうよ!」
そう言って彼は私の手をひいた。
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