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鉄槌と清風

作者:deburu
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73部分:71:披露宴(ミッドチルダ)


71:披露宴(ミッドチルダ)

 結婚式から数時間たち、辺りがすっかり暗くなった頃、場所をミッドチルダ首都クラナガンのホテルへと移し、披露宴が始まる。
 地球組みは色々な手続きがあるので、此方にはきていない、それゆえ地球でも披露宴を、と言う話しになったのだが。
 式の時は、自治区としてのベルカ、聖王教会の許可で滞在していいたのだ。

 ちなみに、披露宴は地球組み以外の結婚式参列者と本局や地上部隊からも、何人か追加で参加する。
 本局航空隊1321部隊の部隊長、小隊メンバー、陸士108部隊からはゲンヤとギンガ、それにレティ提督。
 驚くべきは、伝説の3提督までがいることだろうか…ヴィータと良彦で護衛した事があるのだが、孫の様に気に入られている。

 「ほな、八坂良彦と八神ヴィータの結婚披露宴を始めたいとおもいます」

 司会を務めるのははやてだ、しっかりとドレスアップ…白を基調としたシンプルな裾の長いドレス…したはやてが、一声かけ、扉が開かれると其処には。

 「それでは、新郎新婦入場です」

 黒のタキシードに、一寸着られてる感のある良彦と、赤のイブニングドレス、丈はロングで、胸元が少し開いてる…まぁ、此方も一寸着られてる感が感じられる。
 そんな二人が、ヴィータの手を良彦が取り、会場へ入ってくる。

 周りからの拍手に迎えられ主賓席へ。

 幾つものフラッシュに照らされ、嬉しそうな良彦とヴィータ、照れもあるのか少し頬が赤い気がする。

 「それでは、まず二人を祝福して、乾杯からや、乾杯の音頭は、ゲンヤ・ナカジマさん、お願いします」

 「って、俺かよ、聞いてねーぞ、豆狸」

 「主役二人の希望ですから、はよしてください」

 「わーったよ、それじゃ」

 皆が立ち上がり、ゲンヤ…こちらは普通に黒のスーツ…の声を待つ。

 「チビ二人だが、まぁ、立派な大人同士だ、思う存分祝ってやってくれ…乾杯!」

 「乾杯!」

 皆がそう叫ぶなか

 「チビっていうな、ってんだろ、おっさん!」

 「毎度毎度言わすな、おっさん!」

 良彦とヴィータだけは違う言葉を叫ぶが、ゲンヤはにやりと笑うと,そのまま席についてしまう。

 「ほな、続いて…本当は色んな人の挨拶なんやけど、何や頼んだ人皆して、堅苦しいのはいやみたいでなぁ、そういうわけで此処はとばすで」

 はやてが言い、それに頷いているのは、1321隊長や3提督、レティ提督、リンディ統括官などだ。

 「続いては、友人挨拶やね、最初はなのはちゃんや」

 「はい」

 呼ばれマイクの方へ移動するなの…薄桃色の横にスリットの入ったロングのドレス…は。

 「えー、高町なのはです、よしくん…良彦君とは、物心付いた頃からの友達で、ヴィータちゃんとも10年くらい友人として仲良くしてもらってます」

 静かに聴く、皆。

 「その二人が婚約した時も驚いたけど、もう結婚なんだね、おめでとう、良彦君、ヴィータちゃん」

 短いが心のこもった挨拶を終え、席に戻るなのは。

 「ほな、続いてフェイトちゃん」

 「はい」

 続いて出てくるフェイト…黒を基調に、黄色で縁取りした、これまたロングのドレス…もマイクの前に立ち。

 「私は、ふたりともほぼ同時期から友達で、これまで仲良くしてもらって、お世話にもなって来ました、その二人が結婚すると聞いて、驚きと嬉しさが溢れたのを覚えています」

 ゆっくり語るフェイト

 「二人とも末永く幸せにあることを願って挨拶に代えさせてもらいます」

 そういって、一礼し席へ戻って行く。

 「私からは、何度も同じ事になるんやけど、二人が幸せになってくれればそれで構いません、これからもよろしくな」

 はやてが、友人挨拶をそう締めくくる。

 「ほな、暫くは自由にどうぞ、少ししたらヴィータがお色直しするんで、それまでな」

 その言葉に、皆が動き出す、余興の準備か、数人が一旦会場を出て、そして主賓二人の下には祝いの酒を持った、人々。
 特に良彦が飲まされるわけだが、飲ます方も飲まされる方も嬉しそうだ。

 ヴィータの方は、数人の女性陣…なのは、フェイト、ティアナ、スバル、キャロ、ギンガ、他…に囲まれお祝いの言葉を貰っている。

 落ち着いてそれらを見ているのは、3提督と、レティ、リンディ、ゲンヤ、1321隊長位か。
 はやてはヴィータのお色直しの準備にか、一旦場を離れている。

 そして、皆に少しずつ酒が入り始めた頃に、再びはやての声。

 「そしたら、ヴィータはお色直しや、良彦君はそのままやから、適等にかまったってな」

 その言葉に苦笑をもらしながらも頷く、面々。
 ヴィータははやて、アイン、ツヴァイ、セプトにつれられ一度退場。

 「しかし…あれっすよね、良彦さん、年齢どおりの外見だと、あれ扱いっすよね?」

 「あれって、何だヴァイス?」

 「ロリっすよ、だってヴィータさんの外見」

 「ヴィータが居ない所で言った判断は、良い判断だな…でもまぁ、俺の外見がどうでも、多分結果は同じだし、其れでなんと言われても関係ねーな、俺は俺だ」

 そういい切る良彦に、ヴァイスはぐっとサムズアップし

 「ま、そういうと思ってましたよ」

 にかっと笑う。
 そして、しばし、再び会場の入口が開かれはやての先導で入ってくるヴィータ、その服装は。
 赤色の薄い生地に、濃い赤で薔薇を染め抜いたワンピースドレス、先ほどは纏めていた髪を解いて、付いた癖も伸ばし、ストレートロングになっている。

 「………」

 無言で見つめる良彦に、はやてが気付き。

 「なんや、良彦君、みとれてるんか?」

 「なっ…ち、あ、いや…うん、似合ってるぞ、ヴィータ」

 「おう、あんがとな…へへ」

 そのまま、良彦の隣へ座るヴィータ。
 お互いに頬を染め、にこにこしている。

 「さて、それじゃ新郎新婦の馴れ初めとか聞いていこか、セプトよろしくな」

 「うむ、任されよう」

 そういって、はやての後ろから出てくるセプト…こちらは、何時ものワンピースではなく、ヴィータと同じようなドレスを着ている…が、良彦とヴィータの背後に現れたウィンドウに何か映しているらしい。
 何処かの公園で、今とほとんど変わらない良彦が何かおかしな道具で、遊んでいるようにも見えるその映像。

 「って、どッから持ってきやがったこんなもん!」

 「なに、ロード良彦がゼピュロスから記憶を預かったように、ゼピュロスにも記憶されてるんじゃよ…まぁこれが始めての時ではないが、状況はほぼ同じらしいし、のうザフィーラ」

 「あぁ、これと余り変わりは無いな」

 そして、犬…狼モードザフィーラが答える。

 「裏切ったな、ザフィーラ!」

 「主の望みだ、叶えるのが守護獣の役目、すまぬな良彦」

 まぁ、お互い笑いながらなので迫力はないが。
 ちなみに、此処らへんは良彦、ヴィータ、ザフィーラしか知らなかったのだが、これを見た皆の感想は、おかしな事してるな、だったらしい。

 「そして、次は熱々の1321部隊編や」

 此処らへんは、ゼピュロスやグラーフアイゼン、他同僚からデバイスに記憶されていた物を集めたらしい。
 主賓ふたりは、赤い顔で、照れている、改めて見て自覚したのだろう。

 「さらに、機動六課編!」

 このはやて、ノリノリである。
 こちらは、六課フォワード陣のデバイスや、個室以外のカメラなどから抜き出したものだろう…個室のまであったら二人とも再起不能だった可能性は高い。

 「まぁ、ざっとこんな感じやったわけです、この二人気付いて無いのかそこかしこで甘い甘い」

 「ギブアップだ、はやて、其処までにしてくれ」

 「頼むよ、あたしらのMP(恥ずかしさ的な)はもうゼロだ」

 「しゃあないな、そしたら又着替えやな、今度は良彦君もやで」

 そういうはやてが、二人を会場から連れ出していく。



 暫くして、会場の扉が再び開くと、そこに居たのは…青いブレザーに白いスラックス、インナーは白いYシャツの良彦。
 赤いブレザーに紺色のスカート、インナーはやはり白いYシャツのヴィータ、スカートは騎士甲冑と同じ程度か。

 「もし、高校生になったら、がコンセプトです」

 とは、はやての紹介の台詞だ。
 その様子に、再びフラッシュが幾つも輝く。

 「うーん、やっぱりあれは正解よね」

 「かあさん、まさか?」

 リンディのそんな言葉に、クロノが反応する、そして

 「えぇ、なんというかぱっとみだと背伸びしてるみたいで良い感じね」

 「母さん??」

 レティが続き、グリフィスが驚く。
 どうやら、この二人のリクエストだったらしい。

 「そしたら、この時間は余興の時間やね、一発もりあげてや」

 そして始まるのは、ある種のカオス…皆魔法が当たり前だからか、魔法を使った仕掛けも多い。
 ティアナのフェイクシルエットや、オプティックハイドを利用した、人体切断やら。

 フェイトとエリオで行う、超電磁砲実験(結界担当はユーノ&キャロ)。
 幾つかの魔法つき余興で盛り上がった後に、なのはが行った魔力収束…綺麗なのだが、集めた魔力を消すのに良彦の『凪』、しかもユニゾン付きが必要だった。

 等々、一寸やばいだろうという余興、結界担当者一同が疲れていたりする。

 そして、宴も盛り上がったなか、最後の着替えへと二人は向かう。
 直ぐに戻ってくる、その姿は…何時もの騎士甲冑、ある意味でこの二人に一番似合う格好なのではないだろうか。

 その姿のまま、主賓席へ向かい、マイクを受け取る。

 「今日は俺とヴィータのお祝いをこんなに盛大にしてもらってありがとう」

 「あたしら、今日ほど嬉しい事は中々ないよ、忘れねーから」

 そういって、二人揃っての一礼に、皆が拍手を送る、その後は少し落ち着いたのか、皆がゆっくりしたペースで飲み、祝いの言葉などを送ってくれた。
 こうして、披露宴第一陣、ミッドチルダがゆっくりと幕を閉じていくのだった。
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途中の行為はまねしないようにしましょう(できません)。

と言うわけで、ミッド側の披露宴です。

次回は地球での式と披露宴の予定です。
 
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