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不老不死の暴君

作者:kuraisu
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第三話 空中都市

空中都市ビュエルバにて。

この都市国家の歴史はガルテア連邦時代まで遡る。
当時、ガルテア連邦では飛空挺が完成し東方の空中大陸ドルトニスに入植しだした。
その入植の際に功績を立てたオンドール侯爵家が空中大陸ドルトニスを下賜され、その後ガルテア王家が断絶しガルテア連邦は解体され空中都市ビュエルバが独立した。
またガルテア王家の分家であるダルマスカ王家とナブラディア王家と親交があったため両王家が治める王国と友好関係にあったが2年前の戦争で両王家が断絶してからはアルケイディア帝国寄りの政治を行い、帝国兵の駐屯も認めている。
・・・現オンドール侯爵は帝国の影響を減らしたいため反帝国組織を支援しているという噂もあるが。
基本的な収入は観光と魔石鉱からとれる良質の魔石の輸出で土地が農業に向かないため食料は外国からの輸入に頼っている。

「・・・そういえばビュエルバはあちこちに魔石鉱があるがどこの魔石鉱に来いって書いてあったんだ?」
「ルース魔石鉱だ」

ルース魔石鉱・・・ビュエルバでもかなり一番目か2番目くらいに大きい魔石鉱の名前だ。
バルフレアに疑問を返され思考にふけっていると後ろから帝国兵の声が聞こえてきた。

「だめです、いません!」
「よく探せ!」
「はいっ!」

どうやら誰かを探しているようだ。
そんなやり取りを見ながらバルフレアがバッシュに

「あんたは死人だ。用心してくれ。・・・名前も出すな」
「無論だ」

セアはそんなやり取りを見ていてふとヴァンの方を見た。

「なんだよ?」
「いや、なんでも」

セアはそう言って微笑んだ。
ヴァンはその態度に腹が立ったのか外に出て行った。

(俺は別に将軍様がどうなろうと興味がないしな・・・黙っておくか)

セアはヴァンが普通にバッシュと呼ぶの密かに期待し、バルフレア達にヴァンが先に行ったことを伝えた。
バルフレアたちと一緒にビュエルバのターミナルから出たセアは空中都市ビュエルバの風景に見とれていた。

「やはり何時見てもここの風景は格別ですね」
「君は前にビュエルバに来た事があるのか?」

セアが独り言を言っているとバッシュが突っ込んできた。

「ああ、仕事で何度か」
「君はいったい何の仕事をしているんだ?」
「秘密」
「・・・そうか」

バッシュはセアの仕事が分からなかったのが残念だったのか少し目線を下げていた。
セアからすれば教えたら間違いなく碌でもないことになりそうだからだが。

「もし教えたら将来的に拘束されかねんし・・・・」
「ん?」
「いや、なんでもない」

セアはそういうと早歩きで進んでいった。
するとヴァンと身奇麗な少年が話しているのが目に入った。

「おーい、セア!」
「なんだ?」
「こいつも一緒に連れて行っていいだろ?」
「は?」
「だから、こいつも一緒に連れて行っていいだろ?」

セアは最初は自分の耳を疑ったがどうやら正常のようだ。
そうなると自分の弟子はいったいなにを言ってるのか分かっているのか?

「馬鹿弟子・・・魔石鉱は魔物だらけだぞ? そんなとこに自分より幼い子どもを連れて行く気かい?」
「それは俺も言ったけどこいつが分かってるって言ってるし」

それを聞きセアは少年の方に目線を向けた。

「魔石鉱は魔物の巣穴ということがわかっているのかい?」
「はい、覚悟の上です」
「だめか?」
「俺は別にいいけど・・・」

そう言ってセアはフラン達の方に目線を向けた。
あっちも気づいたのかこっちまでまっすぐ来た。

「どうした?」
「なんだかこの子も一緒に魔石鉱に行きたいらしい」
「なに?」

バルフレアがフランと目を合わせ少年の方に目を向けた。

「なんで魔石鉱に行きたい?」
「奥に用事があるんです」
「どういう用事だ」
「・・・ではあなた方の用事は」

バルフレアの顔が歪んだ。

「・・・いいだろう」
「助かります」
「俺たちの目の届くところにいろよ。その方が面倒が省ける」
「・・・お互いに」

どうやらこの少年は相当世渡りがうまいようだ。
ふとセアは少年に話しかけた。

「そういえば君、名前は?」
「はい、ラー・・・ラモンです」
「んじゃラモン!よろしくな!」

・・・ヴァンは怪しさ満点の自己紹介に何の疑問も感じていないようだ。
ヴァンとラモンが会話をしている間にセアはフランに話しかける。

「いいのか?」
「いいんじゃない?」

フランとは話しづらいなと思うセアであった。
まぁラモンの子守はヴァンに押し付けとけばいいかとセアもそれ以上考えなかった。

「たぶん中でいろいろあるけど、心配ないよ」

ヴァンがラモンにそう言って目線をバッシュの方に向け・・・

「なぁ、バッシュ」

早速忘れてるなとセアが腹を抱えて爆笑し、バルフレアとバッシュの表情は強張り、フランはヴァンを睨みつけ、ラモンは目を見開いて驚き、ヴァンは状況が理解できず困惑していた。 
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