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dark of exorcist ~穢れた聖職者~

作者:マチェテ
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第7話「戦闘開始」

ーーー【アメリカ東部・廃村 中央広場】


アイリスら5人の悪魔狩りは、取り囲むように向かって来る下位の悪魔への迎撃準備を整えていた。

「おでましのようだな」

パトリックの視線の先には………下位悪魔の群れがあった。
しかも、パトリックの視界の外にも相当数の下位悪魔がいた。
その数は50体。

「完全に囲まれましたね……」

クリスの言葉に、同意する悪魔狩り達。しかし、誰も絶望はしていなかった。

「だから何よ?こいつらまとめて潰せばいいじゃない」

「……………………同感だ」

「まぁ、そうですよね。言うまでもないですよね」

アリシアとキリシマの言葉に、ある意味安心したクリス。
クリスはふとアイリスの方に視線を向ける。アイリスの両手には既に二挺の銃が握られていた。

「準備はいいですか?アイさん」

クリスの問いかけへの返答は、もう決まっていた。

「もちろん♪いつでも行けるよ」


アイリスの返答で5人の会話は途切れた。
その直後、5人と50体との戦いが始まった。








「ぅおぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

戦いが始まってすぐに聞こえたのは、パトリックの怒号。
武器である銀色の長槍を振り回し、下位悪魔(ゴブリン)を次々と凪ぎ払う。
刃が当たれば真っ二つになり、柄が当たれば身体がへし折れた。

「相変わらずすごい気迫ですね……」

「まったくよね、長槍なんて似合わないわ」

クリスとアリシアの言葉に耳を傾けず、長槍を振るい続けた。
すると、少し遠い位置から2体のゴブリンがパトリックに向かって突っ込んできた。
その瞬間

「そこだ!」

長槍を素早く持ち変え、2体を同時に刺し貫いた。










「………………相変わらず、好かない戦い方だ」

離れた場所でキリシマはパトリックの戦い方に注目していた。
そのキリシマも、ゴブリンに囲まれていた。

「ゲラゲラゲラゲラ」

「グギャギャギャギャギャ!」

ゴブリン達は、餌を見つけて喜んでいる。5人の中の"最強"の悪魔狩りを前にして……


「………………………喧しい……」


ヒュオン


強い風が通ったような音が聞こえた。

それは一瞬だった。
風が通った音が聞こえたかと思えば、直後にキリシマが刀を納める音が聞こえた。
キリシマが刀を納めた瞬間、ゴブリン達の頭が転げ落ちた。
さらに、頭を失った胴体が少しずつ斜めに傾き、半身が落ちた。


「本当に何したのよ?あいつ……クリス、見えた?今の」

「……抜刀する瞬間は見えたんですけど、あとは全然……」











「あたしも続かないとね」

銀色の籠手を装着した拳をグッと握り、アリシアは気合いを入れ直す。
そのアリシアの背後から、ゴブリンが襲いかかってきた。

「遅いわよ」

振り返ったその直後、ゴブリンの顔面が潰れた。
アリシアが渾身の右ストレートを見舞ったのだ。黒い血を撒き散らし、ゴブリンは無様に倒れた。
殴られたゴブリンの顔面は、まるで穴を開けられたような状態になっていた。

「ギガガガァァァァァ!!」

仲間が殺され腹を立てたのか、1体のゴブリンが咆哮しながらアリシアに突っ込んできた。
しかし、ゴブリンがアリシアに到達することはなかった。

「腹を立てているのかしら?でも悪いわね」

向かってきたゴブリンの頭を、骨が軋む勢いで掴んだ。
実際、ゴブリンの頭は若干ひしゃげ、骨が軋んでいる。

「機嫌が悪いのはあたしも同じよ」

イライラした様子で、ゴブリンの頭を文字通り握り潰した。


「相変わらずパワフルな戦いですね……アリシアさん」

自分も素手だが、あんな風には戦えない、とクリスは感心していた。







「私達も負けられないね、クリス君」

「そうですね、僕たちも続きましょう」


アイリスは二挺銃を構え、クリスは拳を構える。
若き悪魔狩りの2人の攻撃が始まった。 
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