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ドリトル先生と日本のお料理

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第二幕 八条大学その十

「そんなの気にしなくていいよ」
「そう言ってくれるんだね」
「そう、それじゃあね」
「街もだね」
「案内するよ。僕は街でも楽しくやってるし」
「日本のだね」
「八条町でもね、この町でも」
 王子は今自分達が住んでいる町についてもお話するのでした。
「毎日楽しく過ごしてるよ」
「八条町はいい町なんだね」
「凄くね。綺麗だし」
「そして神戸も」
「あと大阪や京都もいいから」
 神戸の近くにあるそうした町もだというのです。
「色々行くといいよ、ただ」
「ただ?」
「大阪は騒がしいよ」
 王子は大阪についてはこう言いました、ですがそのお顔はとても楽しそうです。どう見ても愉快な場所についてお話するお顔です。
「ロンドンよりもずっとね」
「ロンドンよりもなんだ」
「言葉もね、コックニーみたいで」
「ふうん、あんな感じの喋り方なんだ」
「大阪はね」  
 その街はそうだというのです、大阪は。
「けれどその騒がしさがいいから」
「大阪もだね」
「是非楽しんできてよ」
「わかったよ、じゃあ少し落ち着いたらね」 
 大阪にも行ってみよう、先生は心から思うのでした。
「お家の皆と行ってみるよ」
「そうしようね」
「そう、じゃあ今から」
「今度は街を案内するよ」
 八条町をだというのです。
「日が落ちるまでだけれど」
「夜になるまででしたら」
 執事さんがここでまた言ってきました。
「急ぎましょう」
「そうだね、じゃあね」
「すぐに街に行こう」
 こうお話してでした、先生は今度は街を案内してもらうのでした。それが終わってからでした。
 先生はお家に帰りました、その時にはもうお外は真っ暗になっています。その真っ暗な窓の外を見ながら動物達にお話するのでした。
「いや、今日は楽しかったよ」
「学校の中だけでなく街も観てきたんだ」
「そうしたんだね」
「そうだよ、それでだけれど」
 先生はここで皆に尋ねました。今先生達は皆でちゃぶ台を囲んでいます。そうして和食を食べているのです。
 お魚を切ったものをお醤油で煮たものを見てです、ダブアブに尋ねました。
「これは何かな」
「鯖の煮付けよ」
「鯖?」
「日本に売っているお魚なの」
 ダブダブはこう先生に答えます。
「それをスーパーで買ってきたのよ」
「誰が買ってきたのかな」
「僕だよ」
 ジップが答えてきました。
「ダブダブやガブガブだと途中で悪い子に捕まりそうだからね」
「そうか、ジップが買ってきたんだ」
「字は僕が書いてね」 
 それはチーチーがしたというのです。
「ジップがお馬さんと一緒に買いに行ってくれたんだ」
「そうか、皆悪いね」
「お野菜もって思ってね」
 ジップはさらに言います。
「そっちも買ってきたよ」
「ああ、これだね」
 見れば緑のイボが一杯あるものを小さく切ったそれと細く小さなものと人参をスライスしたもの、それにです。 
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