| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ロザリオとバンパイア〜Another story〜

作者:じーくw
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第28話 雷の拳

































歐龍から打ち出された散弾は、公安本部の建物自体をも破壊しながら、ジャックに向かってきた。




“バシュシュシュシュシュ!!”




ジャックの体中に水の散弾が浴びせられていく。

そのジャックの影を見た歐龍は薄ら笑みを浮かべていた。

「ふっ 死んだか…?」

見たのは貫いた影。そしてあたりは水煙でいっぱいとなっていたが、体を貫いた感触も確かに感じられた。

だからこそ、歐龍は勝利を確信したが…。




『ふう……。』



水煙を払うかのようにしながら、蜂の巣にした筈の男が出てきた。

……首を“コキコキッ”と振って、それは何事も無かったかのように、出てきたんだ。

そして、歐龍の方をじ……っと見ていた。



「!!!な…なに…!?そんな…ばかな!!我が弾丸を受けて…なぜ無傷なのだ!!」



歐龍は、高揚感から一転。

一気に動揺していた。

ジャックは、そんな歐龍を冷徹な目で見ると。



『聞こえなかったか……?【うるせえ】って言ってんだろうが、 クソ飢餓が!』



そうはき捨てた…。

その表情は怒り心頭。

もう、堪忍袋の緒も切れた……と言ったところだろうか。










歐龍 side





歐龍は、何事もなく現れた目の前の男を見て更に動揺していた。

そして、湧き上がってくる疑問。


(馬鹿な、理屈に合わない……。確かに体を貫いたというのに何事も無いように立っているなど、それになんだ?この男… 先ほどまでと雰囲気がまったく違う!)

そう…目の前の男、初め会ったその時とはまるで、雰囲気違ったのだ。

何処にでもいる様な男だったのに、それが一転した。



(これ…は……?)



それは初めての体験だったようだ。

歐龍は体が震えていることに気づいていなかった。




Side out




そんな歐龍の状況など、ジャックには全く関係ない。

それに 元々…売ってきたのは公安委員会だ。

この歐龍からなんだ。

出して良い手じゃなかったと言う事だ。

『……ただ学園内でのさばってただけのクズだろうが貴様は、 ……俺にここまでイラつかせるとはいい度胸だな。 若気の至りじゃすまなねえぞ… もう穏便には済まさねえ!』





“ギンッ!!”




冷たく鋭い目つきで殺気を混じえながら 睨み付けた。

「ぐぁっ………!!」

飛ばされたその殺気を受けて一気に萎縮してしまう。

身体がまるで動かなくなってしまっていた。

(そ… ば… こ…この私が睨まれただけで…凄まれただけで… びびらされたた?)

そんな事、ありえるわけが…ない!!

と心では叫びを上げるが、中々声が出てこない。


「ふ ふざけるな!こ この私を誰だと思っている!!!」


声が出なかったんだが……、歐龍を突き動かしたのは、これまでの強烈なプライドだった。


≪ 今日まで、自分が支配してきたんだ!この学園最強なんだ!≫


そのプライドから…声だけじゃなく体を動かすことができた。

そして勢いのままに歐龍はジャックに向かって飛び掛った。


…が。




“ヒュンッ…”




「なっ……!!」

目の前にいた筈の男が消えた……。



ジャックは飛び掛ってきた歐龍を回避し、そして懐に一瞬で入っていた。

その間……およそ0,1秒。



――……瞬き厳禁だ。



『…雷神一天(らいじんいってん)』





ジャックは拳に雷を纏わせる。

それは天照神の雷。

自然界の力でも、無敵を誇る雷の力だ。

この相手に喰らわせるのには、気の毒な気もするが……、それほど怒ってるんだろう。




『崩拳(ほうけん)!』



“キュンッ…………”

その拳速は正に雷の如しだった。



“ド         ンッ!”



雷速に匹敵するほどのスピード。

そして電撃を纏っている。

その拳が歐龍の鳩尾を貫いた。


衝撃…雷撃は歐龍の体を突きぬけ天井に風穴を開けていた。






「ぎああああああああああああああああ!!」





歐龍は…何が起こったかわかっていない。

ただ… 今まで感じたことの無い痛み…それを感じた。

だが、それも一瞬だった。

……痛いと理解したその直ぐ後に意識が飛んだのだから。


……そう、≪水と雷≫自分にとって相性悪いのかは言うまでも無い… 

歐龍は、またもや吹き飛び…


体を痙攣させ動かなくなった。





『……外の世界を知ったうえで得意げな口を出すんだな。 ……水トカゲのぼーや。』


完全に痛みと麻痺作用で動けなくなった歐龍に忠告を出しその場を離れていった。













そしてその後。




【公安本部】




「そんな!!歐龍様が!!」
「そんな馬鹿な!!」
「あ…あの男……い…いったい…!!」


ジャックが出て行った後 なにやら公安本部が騒がしくなった。

どうやら 出払っていた公安委員の他のメンバーが戻ってきたようだ。

そして、巻き込まれないように出て行った連中も……




(やれやれ この展開… 九曜(原作より)と同じになったな。 でもこの先輩あってのあの後輩か…… )




何年か後に幹部となるものを思い出しながらそう考えていた。

『あっそうだ!聞くの忘れた……。 理事長室の場所…… 』

肝心な事を聞き出すのを忘れてしまっていた。

『…自力で探すか、戻るのも面倒だしな。』

めんどくさそうに…この場所を後にした。



それにしても。

(俺ってこんなにキレやすかったっけ?)

自問自答を繰り返す……。

誰がどう考えたって、相手は何も知らない井の中の蛙と言うべき子供だった。

だから……。

『ちょっと大人気なかったかも…な…… あんな子供に、力まで解放させたんだから…… 少し反省…だな。』

ジャックは、 頭をかきながらこの場を離れていった……。

だけど、反省はしても後悔はしてないようだった。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧