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妖精の十字架

作者:雨の日
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~幽鬼敗北~

「私はここよ!幽鬼!攻撃をやめて!」

私にしかできないことで、少しでも時間を・・・っ!

「ちょっ!?危ないっ!」

「ルーシィ!?いや・・・ちゃんか!?」

みんなはやっぱり反対するが私はやめない

「ミラ・・・?」

『―――・・・失せろ・・・―――』

「えっ・・・?」

私の変身が、見破られた・・・?

『――初めからそこにルーシィ・ハートフィリアが居ないことはわかっている・・・』

私は・・・

『失せろ―――偽物が・・・』

私は・・・

『ちょうどいい、ジュピターの装填が間もなくだ――・・・まとめて死ねぇ!!』

私はなんて無力なのだろう・・・

『ジュピターはっし・・!??』

爆発音。ジュピターの砲台が、音をたてて崩れ落ちる

「ナツ!間に合ったか!」

カナが拳を握り、喜びに片目を閉じた
だが、どこか喜べない。己の無力を嘆いた

『くっ・・・妖精毎気に・・・ッ!』

『しかし!貴様らも終わりだ!これをみろぉ!』

と、ジュピターから出た煙の中から、四人現れた

「まさかエレメント4!?」

「違うわ。カナ。あれは・・・?」

目を凝らし、凝視して、私の心臓が大きく脈打つのを感じた

「え・・・?」

「ウソだろぉ!?」

そこには・・・

「クル・・・ス・・・?」

目の前が真っ暗になった

「ミラっ!」

力無く、魔力も感じない
私は、絶望した

『・・・――――しかし、わたしの目的は貴様等の殲滅だぁ!覚悟しろ妖精共!』

そういうと、幽鬼ギルドの腕が、私をつかみ、持ち上げた

「きゃあっ!?」

「ミラァ!?」

カナがカードで腕を攻撃するが、あっさりと弾かれる

「ぐっ!?がっ・・・!」

痛い。苦しい
早くも意識がもうろうとし始める

『つぶれろ。ミラジェーンッ!』

「きゃあぁぁぁぁああぁ!!」

クルス・・・・・・・・・・・・・。













ここは、どこだ?
確か俺は四人にやられて・・・

「死んだのか・・・?」

いや。まだ死ねない

「出口を、見つけなきゃなんねぇ・・・」

あたり一面。真黒だ

「どこだ・・・!」

探しても探しても風景は全く変わらない

「はぁっ・・・はぁっ」

疲れてきたな

「俺、なんで出口探してるんだ・・・?」

確かに、理由がない
いや、ギルドは?

「ナツ達がどうにかするだろ」

親父の教えは?

「守らなきゃだが、理由の見出せ無い行動はやめろ。だったな」

封印は?

「もともと、不自由しねぇくらいだったし、いいかな」

・・・・・・・ミラは?

「ミラ?なんでミラ?」

わからない。どうしてミラが脳裏に浮かんだ?

「・・・・?」

どうしてミラを傷つけられて怒りに満ちた?

「・・・・」

思い出せ

「・・・・!」

思い出せ!

「俺は・・・」

お前は?

「ミラを・・・」

言え!最後まで!

「守る!!」

・・・それでいい
俺は、ミラを守る。あいつの事が、好きだから






意識が覚醒した
相変わらず宙にぶら下げられているが、衝撃はない
鼻を、何かが燃える匂いが燻ぶる

「きゃあぁぁぁぁあああ!」

ミラの声。いや、悲鳴が聞こえた
俺が見えた光景は、今にも潰されそうな、ミラ
全身に怪我を負った、ミラ
涙を浮かべ、俺に手を伸ばす、ミラ

「・・・離せ」

「!?」

幼女の紐が、一瞬緩む
その隙を俺は見逃さない

「双無・天ノ剛拳―――」

「きゃああっ!?」

幼女は、大きく後ろに飛び、壁を一枚割って気を失った

「起きてやがったか!」

「肉厚戦車!」

不思議だ、頭の中がすごくクリアだ

「双無・天ノ乱脚―――」

乱れるような、踊るような蹴りが、デブのいたるところに叩き込まれる
一撃、また一撃
一見適当だが、すべて急所を貫いている

「滅・・・っ!」

「がっ・・・ふっ・・・」

白目をむき、下の湖に堕ちていく

「え、エネルギー!」

「おせぇ・・・」

一瞬で間を詰め、顎に一発衝撃を見舞う

「WHAT・・・」

「最後だ・・・」

「最後・・・最高。のろいの・・・」

「双無・覇王拳」

地面に、人の型が生まれた

「・・・ミラぁ!!」

「ク・・・ル、ス・・・!」

今行く!頼む!間に合えェ!!
俺は大きく跳び上がり、ミラをつかむ腕に飛び乗る

「ノンノンノン!三つのノンでノンノンノン!」

と、壁からにゅるにゅると気味の悪い男が

「貴様の相手してる暇はねぇぇぇぇ!!」

「クルス!ここは任せろ!」

気味の悪い男の後ろから、全身吸収したエルフマンの姿が

「え、エルフマン!?」

「ねーちゃん。俺、出来たぜ!」

「それでこそ漢だぁ!任せるぞ!」

「あぁ!!」

俺はエルフマンに背中を託し、ミラをつかむにっくき腕を破壊する

「双無・天ノ剛拳衝覇ァ!!」

腕は、粉々に粉砕された
そして、気を失ったミラが宙に放り出される

「ミラァァァ!」

ミラを空中で抱きかかえ、着地する

「ミラ!?ミラ!」

軽くゆすると、ミラは目を覚ます

「んっ・・・クルス――・・・」

「よかった・・・!」

ゆっくりとミラを下ろし、強く抱きしめた

「ちょッ!?えっ!?」

「・・・無事でよかった」

「・・・あ、ありがと・・・!」

俺に応えるように、ミラも強く抱き返してくれた




 
 

 
後書き
ミラ救出!四人討伐!エレメント4回収!

疲れたww
勉強が本格的に始まる1月(←おせぇよ)までにせめて後5話はがんばりたいい・・・ 
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