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気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
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第一章 平凡な日常
  20、勉強できても何にもならん

夏休み真っ盛りなう。

クーラーなう。

が、一本の電話なう。

ええそうですよ、雲雀からですよ。

『今から10分以内に学校に来い』だってぇ。

ハッ、ちょろいな。

だって家から学校まで3分だし。

つー訳で、応接室にて仕事。

「この書類が終わったら、帰ってもいいか
ら」

とか言われてラスト10枚。

何せ雲雀の10倍、めだかちゃん張りのスピードで書類整理してるからな。

「終わった。よし、帰ろう」

雲雀の恨めしそうな視線は遮断して「咬み殺す」、学校を出る。

怖ぇ……。

地の文遮ってまで殺気をぶちまけやがった……。

と、校門で武と会った。

「よっ、風紀委員の仕事か?」

「もう終わったけどな。お前は補習でもあったのか?」

「まあな。
 そうだ、ちょっとお願いしてもいいか」

「ん? なんだ?」



†‡†‡†‡†‡†‡



引き受けなければよかったとつくづく後悔する。

何がオレの家で宿題見てくれ、だよ。

確かに途中まではお前の家への道のりだったよ。

だがよ、ここはオレの家の隣、沢田の家じゃねえかよ!

そりゃ道のり同じだよな!?

オレたち近所だもんな!?

「たぁけぇしぃ」

「たはは、悪ぃ。小僧がどうしてもって言うからさ」

「あんのチビ介はどこまでオレに付きまとうつもりだ」

「チビ介は余計だぞ」

背後から来る殺気。

チビ介もといリボーンの登場である。

「ま、別に勉強を見る程度なら沢田本人からも頼まれてるし、やってやるけどな」

「サンキューな」

「けど、あくまで見るだけだからな」

だって何でもかんでも教えたら、本人のためにならねぇだろ?

てなわけで沢田の部屋にお邪魔したオレだったが、すぐに後悔した。

「ごきげんよう、霜月さん」

「は?」

何で長谷川までいんの?

「ほら、やちるちゃんも頭いいから手伝ってもらってて」

「だったらオレいんなくね?」

「そんなことありません。100点と80点では大きな差ですから」

はあ……。

てか、こんなことになるんだったらホント来なきゃよかった。

「じゃ、マジで詰まったら言ってくれ。それまで寝る」

そう言ったオレは、即座に沢田の部屋で雑魚寝を始めた。



†‡†‡†‡†‡†‡



「起きろ、要。起きろって」

「ん?」

武に揺り起こされて目が覚めた。

あ~雑魚寝なんてするんじゃなかった。

首がイテェ。

「終わったのか?」

「大体はな。でも、この問七だけがわかんなくてよ」

問七?

今日ってあの問七の日だったのか?

そのわりには獄寺はいねぇし、三浦ハルもいねぇ。

ホントにあれなのか?

けど、そうだとしたら、長谷川がいる理由に納得する。

「見せてみろ」

問題用紙を見る。

んー……ボンドペッタンの方じゃないことは確かだな。

「長谷川はどうなんだ?」

「いえ、私はお手上げです」

しゃあねぇ、オレの本領発揮といきますか。

「沢田、紙とペンを貸してくれ」

「は、はい!」

沢田から紙とシャーペンを受け取ると、オレは鞄からイチゴ牛乳を取りだし、くわえた。

ジャコッ

空になると同時にペンを走らせる。

常人なら視認不可レベルの速さで計算を解いていく。

なるほどな。

確かにネコジャラシの公式とやらを使ったし、答えも4になった。

あ、ちなみにネコジャラシの公式は西条考古学院で習った。

ホントに存在しててマジビビったっけな。

「ほらよ、答えは4だ」

「す、すごい……」

「だな! 何で要って、そんな頭いいんだ?」

あそこの事は……この世界にあるから言っても大丈夫だよな。

ついでだ、教えてやるよ。

「西条考古学院、知ってるか?」

「「西条考古学院?」」

「初めて聞きましたが」

「知ってるぞ。世界でも指折りの、超難関校だ」

さすがチビ介だな。

まぁ、マイナーなりにかなり有名な学校だからな。

「オレ、前はそこに通ってたんだ」

「「なっ!?」」

「進学校からですか?」

それにしても、沢田と武ってよく息が合うよな。

地味にウザいけど、なんだか羨ましくも感じる。

長谷川は長谷川で無駄に冷静だけど。

「そんじゃ、オレは帰るな」

わざとらしくアクビをして眠いアピールをする。

そして部屋のドアノブに手をかけたときだった。

「待て」

カチャッという音ともに呼び止められる。

果てしなく強すぎる、雲雀なんか比じゃないくらい強すぎる殺気が向けられていた。

おいおい、武もいるって言うのにいいのかよ。

「何故あの問題が解けた? あれは大学レベルの問題だ。それに、そんな所にいながら、何故並盛に来た? お前は本当に中学生か?」

「ちょっ、リボーン!?」

「ツナは黙ってろ」

うっわー沢田かわいそ(笑)

つか答えんのかったりー。

「何故問題が解けたか。それは自分で言っただろ? 『世界でも指折りの、超難関校だ』。オレはそこに通ってたんだぜ? 解けない方がおかしいだろ」

そういえば、詳しくは言ってなかったかもな。

西条考古学院は大学。

しかし、学力の世界レベルを追求し過ぎたために、入学者が減ってしまった。

そこで飛び級制度がおかれ、学力的問題で普通の学校に通うことのできないオレは、史上最年少である8歳にして首席で入学した。

「それからもオレは、学院で常に一位だった。否、一位以外を取ったことがなかった」

「だったら尚更だ。どうして並盛に来た」

「理事会に追い出されたんだよ」

『は!?』

「追い出されたんだよ。オレの学力を恐れた理事長によってな。で、学院長とここの校長が知り合いだったもんだから、来てやったんだ」

前世でも現世でも同じことが起こる。

ま、これがオレの運命だっただけの話だ。

「ま、そう言うことだ。じゃあな」

そして今度こそ、ドアノブを回してドアを開けた。

が、オレは一度そこで足を止めた。

「オレは正真正銘中学生だ」

それだけ言うと、オレは沢田の家をあとにした。

ハハッ、どんなに遠くに行きたくても、家は隣同士なんだよなぁ……。

これもオレの運命ってか。

ざまぁねぇな。




父さん、母さん、こんな娘でごめんな。  
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