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気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
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第一章 平凡な日常
  19、おにぎりの限度ってどこ?

今日は、 家庭科実習でおにぎりを作る日。

つまりはビアンキが来る日。

な訳で、

「雲雀は何が食べたいですか」

雲雀にリクエスト。

ホントは迷ったんだぜ?

この生意気な坊っちゃんに作るかどうか。

「鮭」

そしてこの即答である。

おいこら、もう少し悩んだらどうだ。

「つーか、それじゃ武と被るんだけど」

「僕以外とも約束してるの?」

「そりゃ、武は友達だからな」

「ふぅん。じゃコンブ」

だからなんでそんな即答なんだよ。

あれか、お前の脳内には好きなおにぎりの具ランキングがキッチリ決まってんのか?

て言うか、何でそんなふてくされてんの?

何?

オレに友達がいることが意外でしたか?

そりゃーどうも失礼しましたねー。



†‡†‡†‡†‡†‡



「今日は家庭科実習で作ったおにぎりを」

『男子にくれてやるーっ』

おにぎりを手に、教室にはいる女子たち。

要も、おにぎりを3つ(雲雀の分を除く)持って入り口に立っていた。

そして思った。

(ビアンキっていつ来るんだ?)

しかしそれは杞憂に終わる。

それは何故か。

彼女の後ろに、ビアンキが隠れていたからである。

よし楽しもう、と思ったときだった。

「うわっ」

「きゃっ」

突然誰かに押されて前のめりになってしまう。

そして、前にいた京子にぶつかってしまった。

京子は勢いのままツナの前へ。

そのとき要は、背後から舌打ちが聞こえた気がした。

あらかた、動こうとしたビアンキがバランスを崩し、要にぶつかってしまったのだろう。

そんでもって、ポイズン化していないおにぎりを渡されたツナは、もちろんそのまま食べて無事に終了。

「って、原作ブレイクじゃん!」

そんな要の叫びは、教室の喧騒へと吸い込まれていった。

「要、作ってくれたか?」

ふてくされているところに声をかけられ、イライラと振り返る。

そこにいたのは山本だった。

「ああ、勿論だ。
 さて、この3つのうち1つがお前の頼んだ鮭、残りの2つが激辛納豆だ。さぁお前は望んだものを手に入れられるかな?」

「な……なんだそりゃ」

思わず苦笑いになってしまう山本。

と、そこに、ツナと獄寺がやって来た。

「山本、霜月さんに作ってもらったの?」

「まぁな。
 そうだ、ツナと獄寺にも選んでもらおうぜ」

山本の提案に、は? となる二人。

そんな彼らに山本が事情説明をする。

が、要は若干ふてくされていた。

先日のこともあり、正直なところツナとはしばらく距離を置いておきたかったのだ。

まぁ確かに、山本が選ばなかった2つはこの二人に押し付ける予定ではいたが。

別にツナが嫌いなんじゃない。

もれなくついてくるリボーンが面倒なだけなのだ。

「え!?」

「な、面白そーだろ?」

「霜月、ちゃんと食べられるんだろうな」

「心配すんなよ獄寺。この辛子の量で実際に食って平気だったアホがいるんだからな」

「そう言う意味じゃねえ!」

「ああ、もしかして毒か? 入れてねぇよ。殺人とかで捕まりたくねぇし、つか、それじゃ武が死ぬだろが」

ちなみに、獄寺と話すのはこの日が初めてだったりする。

そして、おにぎりは山本・ツナ・獄寺の口の中へ。

「かっ辛い~~~~~~~!!!」

「うがっ! どんだけ入れやがった!」

「お、鮭当たったのな♪」

山本が、見事鮭を獲得していた。

流石である。

言い忘れていたが、やちるは高熱によりダウンしていた。



†‡†‡†‡†‡†‡



「雲雀~持ってきたぜ」

「遅いよ」

「仕方ねぇだろ。沢田の勉強に付き合わされてたんだ」

「君の分の仕事、そこに置いてあるから。さっさと終わらせてね」

「ういーっす」

そんな18:30



†‡†‡†‡†‡†‡



「ツナ、霜月とは仲良くなれそうか?」

「あのなぁ、おにぎりもらうだけで仲良くなれるわけないだろ?」

「話しかけるだけでも第一歩だぞ」

「おかげで散々な目に遭ったけどな!」

「ま、うまくあいつと馴染めよ」

「お前なぁ!」

今日も賑やかな沢田家20:30。



†‡†‡†‡†‡†‡



「ハァ~折角ビアンキとお近づきになるチャンスでしたのに……。勿体ないことをしました……グスン」

一人嘆く22:00。



†‡†‡†‡†‡†‡



こうして今日も、平和に過ぎていくのであった。

と、ここで少し余談だが、あの激辛納豆、辛子がいくつ入っていたかというと、実は30個。

これは、作者ことパッセロの兄貴が実際に納豆に入れた辛子の量とほぼ同じである。

ちなみに作者ことパッセロは辛子嫌いのため、入れる数は0である。  
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