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義手

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第二章

 その彼にだ、こう言うのだった。
「おめでとうな」
「叔父さんも来てくれたんだ」
「姉貴達はどうした?」
 ジョージの両親でありエドワードの姉夫婦の彼等はというのだ。
「もう帰ったかい?」
「うん、仕事らしいから」
「やれやれだな、相変わらず忙しいみたいだな」
「叔父さんはいいの?」
「仕事はもう済ませたさ」
 とっくにだというのだ。
「だからいいさ」
「そうなの」
「ああ、だからな」
 それでだというのだ。
「今からレストランでもどうだ?」
「レストラン?」
「ボスに紹介してもらった店さ、フレンチのな」
 今からそこに行くかというのだ。
「これからどうだ?」
「奢ってくれるんだ」
「俺が御前に金を使わせたことあるか?」
「ううん、ないよ」
 首を横に振って叔父に答える。
「そうしたことはね」
「だろ?じゃあ今から行くか」
「それが叔父さんの僕への入学祝いなんだね」
「そうさ、じゃあ行くか」
「うん、それじゃあ」
「どうせ悪事で稼いだ金だ」
 マフィアとしてだ、それならというのだ。
「たまにはいいことに使わないとな」
「いいことって」
「御前の為に使うことだよ」
 まさにそれがだというのだ。
「だからな、行こうな」
「今からね」
「いい店だぜ、シーフードが特にいいんだよ」
「シーフードがなんだ」
「ああ、ブイヤベースとかな」
 フランス料理の中でもとりわけ有名なものの一つであるそれがだというのだ。
「他にも色々あるけれどな」
「シーフードだね」
「それが美味いからな、だからな」
「うん、今からね」
 ジョージもエドワードの言葉に応えた、そしてだった。
 二人でそのフレンチのレストランに行き料理を楽しんだ、その帰り道にエドワードは共に街を歩くジョージにこう尋ねた。
「美味かっただろ」
「うん、叔父さんの言う通りね」
「フレンチはシーフードも美味いんだよ」
「肉料理だけじゃないんだ」
「そうさ、そこがな」
 どうかというと。
「イギリスと違うな」
「イギリス料理はね」
 アメリカ人の彼等から見てもだった、尚二人共元々はイギリス系だがすっかりアメリカ人になっている。何しろ移住してきて何世代も経っているからだ。
 そのアメリカ人としてだ、ジョージはエドワードに言った。
「酷いよね」
「ああ、あんなの食えたものじゃないさ」
 エドワードも笑ってこう評した。
「本当にな」
「それでなんだ」
「そうだよ、後はな」
「後は?」
「楽しんで食ってくれよ」
 こう甥に言うのだった。
「俺が一緒に飯を食うのは親戚じゃ御前だけだしな」
「そうなんだね」
「本当に嫌われてるからな」
 自分のことを思ってだ、暗い顔になっての言葉だ。
「俺はな」
「それは」
「まあいいさ、食ってくれよ」
「うん」
 ジョージはエドワードの言葉に頷きそのうえでレストランで食事を楽しんでいた帰りだった、だがその時にだった。 
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