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モンスターハンター ~厄災の狩人達~

作者:島原
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明星の英雄
  祝宴と誓い

 
前書き
古龍災厄の解決を決意したダイラス達が龍の宴を聞いた翌日

狩人達はめいめいの準備をする。 

 
龍の咆哮が聞こえた日の翌日、珍しく早く起きてしまったダイラスはドンドルマへ行く準備をしていた。

「えっと、まずはハンター必須のポーチセットだな。」

ダイラスの実家は父親がハンター稼業をしていたということもあり、それなりに暮らせていた。
また、ダイラスもハンターになったということもあり、それなりに必要な物も揃っていた。

「それと…、あっそうだそうだ。アルから貰った強走の粉塵をっと。」

ダイラスはアルフレッドから貰った小瓶をポーチにつめた。

「うーんまだ余裕あるなあ…。そうだ、アレ持ってこう。」

ダイラスは部屋の奥へと姿を消した。






そのころアルフレッドは古龍観測局エイン村支部の中で会議をしていた。

「それでは、今までの被害状況を西方の管轄区域から順に報告してください。」

「まず、セクメーア砂漠サノン地区一帯の被害状況を、私エトラ=デフスリンが報告します。」

長いロングコートを来た三十代半ばの男性が報告書類を持ちながら立ち上がった。

「まず、被災した村が十五のうち五つ。そのうち、住宅被害が倒壊三十五棟。火災二十棟。死者五名。行方不明者はいません。
 ですが、負傷者が二百名以上居るものと推測されており、被害が甚大すぎてまだ詳細を把握しきれておりません。」

「ありがとうございます。次の報告を。」

「西方アルコリス地方独立地域ダモガからの被害状況報告はありません。」

「そうですか、喜ばしいことです。では次お願いします。」

「第二セクメーア管理区域からの被災状況です。被災した村は二十のうち十五。
 住宅被害は家屋倒壊五十五棟。火災三十棟。また、被災した村のうち五つの村で、
 ギルド支部の建物倒壊も報告されています。」

「うーん…。早急な支援が必要ですね。次お願いします。」

「シュレイド地方、レクサーラ、クルブティオス湿地帯周辺からの被害報告はありません。」

「…。なぜなんでしょうかね…、次お願いします。」

「北エルデ地方被災状況は十のうちの三。ちなみにエイン村は含まれておりません。
 住宅被害は家屋倒壊十五棟。火災七棟。ギルド支部の建物は無事という報告が被災村より入っています。」

「分かりました。では、次を。」

その後も被害状況の報告は続いた。

「それでは結果をまとめます。」

と、アルフレッドは席から立ち上がり黒板へ向かって被害状況のまとめを書き始めた。

「総住宅被害は三百五十棟。死者三十名。負傷者は少なく見積もって九百名以上というところでしょうか。
 十七年前の災厄よりはよっぽどマシですが…。」

アルフレッドは再度席に着いた。

「マシという考え方はこの最中には合わない。いや、あってはならない考えです。」

アルフレッドは一人の男性に向かった。

「ドンドルマや、ミナガルデの方は大丈夫でしたか?」

「ああ。なんともないくらい活気があった。」

一人の女性が代わりに応えた

「そうでしたか。偵察ありがとうございます。アルマさん。」

「例には及ばん。」

アルマとは十年前古龍観測局エイン村支部に入ってきた偵察ハンターである。
男性の比率が大きいエイン村であるがアルマはその少ない女性なのである。
年はアルフレッドと同じくらいらしいが、背はアルフレッドより低く、本人も気にしているようである。

「では、被災状況が深刻な地方にはハンターズギルド災害救助支援本部が救援団をそちらに派遣すると思います。
 ですが、それだけではとても足りません。各村各地方の協力が必要になります。
 私達も支援していきますので、一日も早く復興することを心待ちにしています。
 それでは、古龍災害によって命を落とされた方へ、ご冥福をお祈りする意味もこめて。」

会議場に居た各管理地域の支部長達が立ち上がり、

「黙祷!」

アルフレッドの合図によって全員が黙祷した。






そのころダイラスは、長旅にむけての準備を終え、エイジやロギア、他のハンターたちと一緒に食事会を行っていた…、

「おうし!じゃあ、災厄防衛の成功を祈願して、乾杯!!」

「乾杯!!」

はずもなく、いつのまにか飲めや歌えの大騒ぎになっていた。

「セージさんたちはいいよなあ。お酒が飲めて。」

「よせよせ。本当だったらこんなもん飲んじゃいけないんだぜ?」

「そうだぞラス。体に悪いと分かっていながら飲むってのが男ってもんだぜぇ!」

「父さん…すでに悪酔いかよ…。息子として恥ずかしい…。」

ガイルはすっかり酔ってしまいそこらへんのハンターと意気投合してしまっていた。
そこへアルフレッドが戻ってきた。

「なんだいラス…?このドンチャン騒ぎは…。」

「成り行きに任せたらこんなことになっちまった。正直お前が帰ってくるの心待ちにしてたんだぜ、アル。」

「…はぁ。こういう事になるだろうなとはなんとなく予想してたけど…、予想以上にひどいよ。」

そこはもはや大宴会場。受付嬢はてんやわんやだった。

「おっ、来た来た!こっち来いよアルフレッド!」

「お呼ばれしたけど、行っていいのかな?」

アルフレッドは頭を掻いていた。

「いいんじゃない?いってあげなよ、アルフレッドさん。」

そこにはアルマが立っていた。

「アンタ…、誰?」

「アルマさん、来てたんですか。」

「アルの知り合い?」

「いや、同僚と言った方がいいかな?」

アルフレッドは視線をそらせた。

「あら、あの時一緒に居たのはどこの誰だったかしら?」

アルマはアルフレッドのもとへ歩み寄った。

「やめて下さい、アルマさん。僕はその手の話には乗りませんよ。」

アルフレッドは冷や汗をかきながら少し逃げ腰だった。

「冷たいわね、好きだとか言ってくれたのに。」

その瞬間周囲の視線が一気にアルフレッドに注がれた。

「マジかよ…アルフレッド…。」

「やるじゃん、この罪な男め!ハハハハ!」

「さっすがエイン村一モテる男だぜ。」

「これでかくて世は事もなし、か。」

周りのハンターたちは一斉にアルフレッドを冷やかし始めた。

「セージさんにガイルさんまで…。」

「本当のことじゃない。千年杉の木の下で好きだって。」

「ほんとかよ…アル。お前すげぇな。」

ダイラスにまで見放されてしまった。

「ちょっ、ラス!?違うって!」

「いや、違くねえだろ。まあ、お前がそうなら俺は別にかまわねえけど。」

そして蚊の鳴くような声で

「爆発しろ。」

と言ったがようだが周りのハンターたちの騒ぎ声でかき消されてしまった。
どう見ても嫉妬です、本当にありがとうございます。
そんな中、一人正気でいるのが信じられないくらい酔っていないセージがダイラスに向かってつぶやいた。

「明日は早いから、ダイラスはもう家に帰りな。ここはもうすぐ酔いつぶれたハンターの墓場になるから。」

「お…、おう。」

「それに、この災厄防衛の要はアルフレッドとダイラス。君らなんだ。
 その君らが、こんな酔っ払い達の相手をしてたら本番のときに体力がなくなっちまう。
 今は帰ってゆっくり休んで、明日の出発に備えるんだ。」

「ああ!」

と、ダイラスは高らかに返事をした。

「行こうぜ、アル!」

「うん。ラオシャンロンより大きく同意するよ。ここから早く立ち去りたいしね。」

と、アルフレッドとダイラスは急ぎ足で家路についた。

「じゃあなー!!」

とセージは手を振った。

「じゃあねぇー!アルフレッドー!」

アルマも手を振った。
アルフレッドは中腰になりながら帰っていった。






二人は千年杉の木の下に着いた。

「じゃあ、しばらくお別れだな。」

「ああ。頑張って来てくれ、ラス。」

「言われなくってもそうするさ!」

二人は拳を突き合わせた。

「また、この千年杉の木の下で!」 
 

 
後書き
やぁ、島原だよ。

投稿ペース早くないかって?

この小説はもともと「モンスターハンター 二次創作小説」様に投稿していたものなのさ。

話数ストックが半端じゃなくてね。それに加えて第二章も書いてるのさ。

だからあんまポンポンうpしてると次第にストックが足りなくなって投稿ペース落ちるんだ^p^

それじゃあお次をお楽しみに!

※追記
自分で読み返してたらアルマの名前表記が元の名前のままでした
恥ずかしい(ノ∀`) 
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