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ソードアート・オンライン~黒の妖精~

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Girl fairy wind
  29

 
前書き
意味は、風妖精の少女・・?かな? 

 
そこでは案の定、とても不公平な戦闘が行われていた。
金髪の・・シルフ?の少女を、一目でサラマンダーだと解る重装備の兵士3人が襲っている。

あー、きたねぇ・・・

「お兄ちゃん、いく?」
「勿論。えーっと着地は・・・・うわっ」

当然だと答えた兄が、コントローラーを操作し始めたかと思うと、短い悲鳴を上げた。
え?と兄の居るほうを見ると。

「うわあああああああ!」
「あー・・・落ちちゃったんだ」

兄は情けない悲鳴を上げながら、地面へ突っ伏した。
私は苦笑いしながらも、無事に着地する。

「いててて・・・着地がミソだな、これは・・・」
「お兄ちゃんが下手なだけでしょ」
「うぐっ・・・」

兄に言葉のトゲを刺しといてから、私は前に向き直った。

「重戦士3人で女の子1人を襲うのはかっこ悪いよ、オッサンたち」

私は挑発するように言ってやる。
思惑通りサラマンダーの重戦士3人は私のふっかけた挑発に乗ってくれたみたいで、いやー、好都合だな

「ニュービーが出しゃばってんじゃねぇよ!!」
(こっちはテメェらより1年は経験が多いんだよ!この・・・)
「腐れどもがッ!!!!」

私は突撃してきたランスを両手で押さえる。
隣では兄が、余裕そうな表情をし、ランスを片手で受け止めていた。
ステータス振りの違いってトコですか。
まぁ問題ないか。
私だって、このランスごと振り回す筋力値くらいは・・・

「らああああっ!!」
「ほいっ」

私たちはそれぞれ、二人のサラマンダーをポイッと放り投げる。
でも、さすがにそれだけではHPを削りきることは出来ないだろう。

「えーっと・・・あの人たち斬ってもいいの?」

兄がシルフの少女に聞く。
シルフの少女は、

「そりゃ、いいんじゃないかしら・・・少なくとも先方はそのつもりよ」
「そっか。じゃあ失礼して・・・キリアは?」
「モチ、やるに決まってんだろ」
「やっぱ?じゃ、俺こっちやるからそっち頼んだ」
「りょーかーい」

会話を交わし、私と兄は背中合わせに立つ。
周りにはサラマンダーの戦士3人1人ずつやって、残り一人は・・・成り行きで。
よしじゃあ久し振りに・・・

「逝けッ!!!!」

私と兄は同時に地を蹴った。


***
ところかわって。
私たちは今、助けたシルフの少女に着いて、スイルベーンまで来ていた。
ちなみにさっき、私と兄は揃って塔に激突したんだけど・・・
シルフ・・・リーファが魔法へ回復してくれた。
いやぁ、魔法って便利だね。

「さ、ここは私が持つから、好きに頼んで」
「じゃあお言葉に甘えてー・・・これと・・・」
「俺は、これと~」

ざっと頼んでから、私と兄はリーファにこの世界のことを教えてもらう。

「・・・世界樹に行きたいんだ」
「それはきっと全プレイヤーが思ってることだと思うよ?」
「全プレイヤー?」
「そう。世界樹に一番最初に上って、妖精王にオベイロンに謁見した種族は、アルフに生まれ変われるの。滞空時間制限が無くなって、ずっと空を飛べるようになるんだ。
だから私は、何年かかったっていい、いつか世界樹に登って・・・」
「それじゃ遅いんだ!」

リーファの言葉を途中で遮り、鋭い目をした兄が叫ぶようにいった。

「お兄ちゃん・・・?」
「パパ・・・・」

ユイが兄の頬に優しく手を触れさせ、宥めるように言った。
兄は落ち着いたのか、

「ゴメン・・・」
「良いけど・・・一体何があるの?」
「・・・人を、探してるんだ。世界樹の上にいるかもしれない・・・」

アスナさんのことだ。
もちろん私だって、レオを探してる。
世界樹に囚われているかもしれない・・・300人の中に。
私と兄は、そのためにこの世界に来たんだから。

「色々教えてくれて有難う。ここからは俺たちだけでも」
「あたしが連れてってあげる!」

兄が店を出て行こうとしたとき、兄のジャケットの裾を、リーファが掴む。
今何つった?「あたしが連れてってあげる」?

「いやでも・・・今日会ったばかりの人にそこまで世話になるわけには・・・」
「いいの!もう決めたの!」
「もう決めたの・・・ってね、リーファ・・・私たちにそこまで世話焼かなくても・・・」
「いいのっ!!決まりだからね!じゃあっ! ログアウトには上の宿屋使ってね!」

リーファは騒がしく言うと、さっさとログアウトしてしまった。
私たちが「?」状態になりつつも、店の二回の宿屋へ上がる。

「じゃ・・・明日からだね、お兄ちゃん」
「ああ。・・・絶対助け出す」
「勿論」

私たちは頷きあい、ログアウトした。
 
 

 
後書き
やっとリーファと会った・・・! 
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